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===================================================== 発行部数 10 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2003/07/02 (Wed) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.水曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 水曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 幸福の王子 局 名 日本テレビ系 放映日時 水曜22時 キャスト 鳴川周平(本木雅弘) 安元海 (菅野美穂) 与田良介(渡辺篤郎) 光石繭 (綾瀬はるか) 光石桃子(井森美幸) 見城則子(坂下千里子) 脚 本 遊川和彦 あらすじ 衝撃音と共に 美しい女性の写真が、血だまりの上に はらりと 落ちた。 その写真の女性は、王子様が愛したたった一人のお姫様。 射殺された数人の男たちの前に 拳銃を手にした白髪の男が立つ。 その惨劇を目の当たりにした繭は 気を失ってしまう。 惨劇の一週間前。 自暴自棄になった繭が 雨に濡れながら 街を 徘徊している。 繭は、声をかけてきた男の赤い車に乗る。 どこへ 行くと聞かれ、天国と答える繭。 男はホテルに車を向け、気付いて 抵抗する繭。 もみ合い 繭の胸の手術痕を見て男が怯んだ隙に 車 外へ逃げ出す。 それでも執拗に付きまとう男を 足を引き摺る白髪 の男が遮る。 白髪の男「男の子は 女の子をいじめちゃいけないんだよ。」 小学生のような口ぶりの白髪の男を気味悪がり、更に暴力をふるう男。 白髪の男「困っている人を見たら、助けてあげましょうって 学校 で教わったんだ。」 白髪の男は、繭に逃げてと話しながら 自分は逃げずに殴られてい る。 繭は傍らの鉄パイプで 男を撲りつける。 男の戦意が損なわ れた時、急発進する赤い車。 運転しているのは白髪の男で、繭を乗 せている。 白髪の男はまだ若く、首筋や手に 大きな火傷の痕がある。 白髪の男「いけないんだよ。好きじゃない人とあんな所行っちゃ。」 繭 「ほっといてよ。 あたしなんか 死んだ方がいいんだ よ。」 突然、白髪の男の運転が 乱暴になる。 白髪の男「一緒に死のう。 僕も死んだほうがいいんだ。」 静かに微笑みながら、港の岸壁に向かって車を走らせる。 繭 「助けて!」 ・・・飛び込む寸前 急ブレーキで停止する車。 その恐怖で 発 作がおきた繭に、事情を察した白髪の男は、薬と水を与え 脈を診 胸に耳をあてその鼓動を聞く。 遠退いていく繭の意識。 翌朝、病院のベッドで目を覚ます繭。 入院している病院を抜け出 していた繭に、母桃子が 明るく声をかける。 桃子 「気がついた? 心配かけるんじゃないよ。」 繭 「私の心臓は移植しないとダメなんでしょ。 ドナーがいつ 現れるかわからないし、手術には お金もかかるし。」 桃子 「だから自棄になったの? 余計な心配をしないで お医者 さんの言う事をきく事。」 繭 「・・・あの変な奴に 会わなかったの? チョー変な奴。 ・・・どこかで会った気がするんだけど。」 桃子が来た時には、的確な処置で繭を救った白髪の男は姿を消してい た。 病院の事務長に手招きされる桃子。 入院給付金の期限が切れてい るので、入院費が払えない繭たちは もうこの病院を出て行かなけれ ばならないと言う。 桃子の後をつけ、話を聞いてしまう繭。 別の 部屋では、亡くなった女性の顔の布を取り 咽び泣いている男性がい る。 男性 「・・・海ちゃん。 どうして。」 ママを務めるスナックで 桃子が 病気の娘を忘れて駆け落ちしな いかと 酔客に言い寄られている。 怒って、酒をひっかける母。 カウンターに座る別の客に 思わぬ話を持ち掛けられる。 客 「アメリカで 心臓移植を受けられる話があります。 それ には一週間以内に 手付けで200万円必要です。」 桃子は、借金を重ねているので もう借りられない事を話す。 だが、 そういう者でも 借りられる所があると その男に教えられる。 繭を助けたい一心で 桃子は男に付いてローン会社を尋ねる。 意 外に明るく迎えられ、直ちに手続きをすませる。 あと一週間で ア メリカで繭に手術を受けさせる事ができる。 繭の好きな百日草の花 束を抱え、訪米まで自宅で療養するよう 嬉々として迎えに行く桃子。 桃子の 安静にという言い付けを破り、繭は 白髪の男を探し回る。 子供口調・火傷の痕・引き摺った足・年齢不詳の白髪という奇異な 様子を手掛かりに。 すぐに男が 街ではみんなに王子と呼ばれてい る事がわかる。 王子は、夕べの繭のように いつも困っている人を 助けているらしい。 教えられた酒場を訪ねていく繭。 そこに、ピアノを乱暴に叩く酔 っ払いを静止する 白い前掛けの王子がいた。 王子 「ピアノは きれいな曲を弾く為にあるんだよ。」 酔っ払いが挑発し、王子はピアノを弾き始める。 エルガーの『朝の あいさつ』を 美しく優しく弾きこなす王子。 王子の仕事は、そこの皿洗いだった。 繭は 昨夜の礼を言いにき た事、自分の名前などを話す。 突然、従業員の赤ン坊が泣き出す。 王子はすばやく上着を着せかけ 外へ飛び出し、タクシーに乗り込 む。 車が着いた「ひばり児童学園」で、戸を叩く王子。 出てきた則子 に訴える。 王子 「この子 病気なんだ。助けて。」 則子 「わかったわ、周平さん。 ひどい様なら病院に連れていく から。」 子の母の酒場のマッチを手渡し、安心した王子に女性が囁く。 則子 「海さんは? どうしたの?」 王子 「そっちの耳は 聞こえないよ。 ・・・じゃーね。」 付いてきた繭に その女性が僕のお嫁さんだと話し、ぎこちなく歩き 出す。 小さく古い自分のアパートで、湯を沸かす王子。 王子 「お腹空いてない? ちょっと待っててね。」 繭は 王子に質問する。 繭 「あんた名前は? 歳は?」 王子 「鳴川周平。 年は 8才。」 大人であるにもかかわらず、王子はそう名乗る。 これまでの様子か ら 反論をしない繭。 唯一の家具ともいえる文机の 少し開いた引 き出しに モデルガンらしい拳銃が入っているのを見つける繭。 出 来立てのカップヌードルを勧める王子に、繭は 気になっていた事を 聞く。 繭 「私に、どこかで会った事ない?」 王子 「知らないよ。」 その時、部屋の戸をノックし、王子を訪ねてきたのは 病院で泣いて いた男性だった。 男性「探したよ、周平。 知ってるかい? 海ちゃんのこと。 明 日葬式なんだ。 これ、時間と場所。」 王子「僕、今からご飯なんだ。 いただきます。」 男性に答えず、淡々としている王子。 繭は、驚いている男に助け舟 を出す。 繭 「この人、自分の事を 8歳だと思っているみたい。」 繭は、自分が最近知り合った人間だと話す。 男は、自分の事がわか るのかと 王子に尋ねる。 王子「君は 僕のお友達です。」 名前はわかるかと畳み掛けても 王子はお友達と繰り返すだけ。 繭 は、王子と関わりのありそうな その男に問い掛ける。 繭 「あなたは知ってます? こいつが、何でこんなになったの か。」 男性「周平、俺の名刺 置いとくから、いつでも連絡してくれ。」 王子の様子に耐えられず、繭の言葉に答えないまま 男は立ち去る。 桃子が青い顔をして ローン会社を尋ねる。 桃子 「心臓移植の人にお金を渡してから 連絡がないのです が、ご存じないですか?」 金貸しの男「知らない。 言い掛かりをつけて、金を返さない気じ ゃ無いか? 返さないと大変な事になるで。」 繭の母を取り囲み 威嚇する男たち。 繭がいた病院で、知り合いの医師に 心臓移植のパンフレット を見せて 問い合わせる桃子。 医師 「こんな団体 存在しませんよ。」 その様子を 事務局長が影で見ている。 騙された事に 気付い た桃子。 王子のアパートで眠り込んでしまった繭の 携帯電話の映像を 見ている王子。 王子 「彼氏? 好きな人には 好きって言わなくちゃいけな いんだよ。」 照れ臭い繭は、反対に王子が持っていた女性の写真を持ち出す。 写真の取り合いになり、転倒した王子が 子供のようにすすり 泣く。 それを見て 繭は写真を返す。 写真を見 声を震わせ、王子は 繰り返す。 王子 「好きな人には 好きって言わなくちゃいけないんだ よ。」 王子と繭は、連れ立ってサッカー場に来た。 練習している携帯の映 像の男の子を見つける。 かっこいいねと 王子に言われ、面はゆい 繭。 繭 「私、心臓のせいでいろんな事を我慢してきた。 小さい頃の ように走りたいし、いろんなとこに行きたいし、親孝行もしたい。 母親は 私のせいで、眠る間も無いくらい。 夜は酔っ払い相手の店 昼は内職をしているし。」 苦労をかけている母への思いや 心臓手術への希望を懇々と語る繭。 繭 「私、心臓が治ったら 思い切って告白するんだ。」 君は優しい子だねと 王子が繭の頭をなでる。 そのまま繭のアパートに ついてきた王子。 部屋の中には 呆然 と桃子が座り込んでいる。 繭 「無断外泊したからって そんなに怒るなよ。」 騙された事への怒りで、包丁を手に飛び出して行こうとする桃子を遮 る王子。 王子「ダメだよ、そんなことしては。 繭が悲しむよ。」 王子の様子に驚く母だったが、包丁を委ねる。 繭は、騙されたのは 自分のせいだとショックを受ける。 王子「僕が助けてあげるよ。」 そんな言葉を残し 立ち去った王子は、自分の部屋の引き出しに入っ ていた拳銃を手にする。 金貸しの男「完璧だの。 素晴らしいチームワークじゃ。」 オーグローンに集まっている面々。 その中には 心臓移植を持ちか けた男や 情報を提供する役割の病院の事務長もいた。 王子 「だめだよ。 悪いことしちゃ。 お金返してよ。 悪いこ とした人は 天国に行けないんだよ、僕みたいに。」 銃を持って入ってきた王子に 悪態をつく金貸しの男たち。 王子は 全員を射殺し、落とした写真を 血だまりから拾いあげる。 追い かけて来た繭は、その惨劇を見て 気を失い倒れこむ。 繭をおんぶした王子が 足を引き摺りながら外へ出る。 周囲は 武装した警官隊に包囲されている。 繭を人質と思った警官隊は、下 ろす様 促す。 王子 「繭は 友達だよ。」 答えながら、素直に 繭を路上に寝かせ、その頭を撫でる王子。 王子 「じゃーね。」 気を失っている繭に挨拶して歩き出す王子に、今度は銃を捨てる様 警官隊が促す。 王子 「もう 弾入ってないよ。」 王子は 拳銃を持ちあげて見せたが、危険と判断した警官が、王子の 右腕に一発の銃弾を打ち込む。 驚いた王子が さらに拳銃を振り上 げたので、一斉射撃されてしまう。 体中に銃弾を浴びて くずれ落 ちた王子。 倒れている王子を避けて、建物の中へ駆け込んでいく警 官隊。 見知らぬ病院のベッドで 目覚める繭。 王子に助けられたあの日 のように 桃子がやってきて言う。 桃子「目 覚めた? ここは、前のとこより ずっと立派な病院。」 部屋に来て繭の脈を取る医師は、王子を訪ねてきたあの男性だった。 桃子「喜んで 繭。 先生が お金の心配をしないで ここに入院し ていいって。 移植のドナー登録もしてくれたの。」 繭 「どういう事? あいつはどうなったの?」 尋ねる繭を、医師は車椅子でICUに連れて行く。 体中に機械を付 けられ、意識のない王子。 医師 「意識が戻る可能性は 極めて低いと思う。 生命維持装置 をはずした方がいいのかも知れないけど、身内の方の承諾が無いと。」 駆け込んできて ガラス越しに王子を見守る老夫婦。 目礼する医師。 繭 「もしかして 周平さんのご両親ですか?」 老夫婦「いえ、私たちは。 ・・・親なんかじゃありません。」 繭 「先生は誰なの? 何で優しくしてくれるの? あいつとは どんな関係なの?」 部屋に戻った繭は、これまで疑問に思ってきた事を 医師にぶつける。 医師は、繭に写真を見せる。 それは、王子が持っていた写真と同 じ物で、千切れ無くなっていた部分には 幸せそうに微笑んでいる若 き日の美しい王子の姿があった。 医師 「周平とは 大学の医学部の同級生なんだ。 彼女は大学の 後輩で、周平がこの世でただ一人愛した人なんだ。」 繭は、医師が その女性の葬儀を あの日知らせに来た事に気付く。 医師は、女性が何故死んだかはわからないと 口を濁す。 繭 「どうして? 幸せそうな写真の2人が こうなっちゃった の? ・・・私には知る権利があると思わない?」 興奮して発作を起こしそうな繭に、医師は 静かに話しかける。 医師 「もし、自分の人生のどこかに戻れるとしたら どこに戻り たい? 僕は14年前 世の中が平成になった頃。 周平と海ちゃん が付き合い始めた頃だ。」 医師(良介)の回想。 14年前、大学構内に優しく流れる演奏。 周 平のピアノ 海のチェロで エルガーの『朝のあいさつ』を奏でてい る。 それを見ている良介。 外科手術の見学中 周平が良介に打ち明け話をする。 周平 「安本海に・・・告白しようと思う。」 良介 「海ちゃんも好きに決まってるよ。 チョーお似合いだよ。」 公園で待っている周平の所に 呼び出された海が駆けてくる。 百日 草の花束を背に隠す周平。 身構えている海に打ち明けようとするが、 なかなか本題に入れない。 そんな周平に 海の方から切り出す。 海 「周平さん、今度尾崎豊のコンサート行きません? クラシッ クじゃないとダメですか? 『アイラブユー』って曲 好きなんで す。」 結局、告白できないまま バイトに行く海の背を見送る周平。 いつ の間にか近付いてきていた 赤い風船を持った小さな女の子。 女の子「きれい。 その花、誰にあげるの? お兄ちゃん。」 周平 「僕が チョー好きな人だよ。 あのお姉ちゃん。」 女の子「お姉ちゃ〜ん! あのお兄ちゃんが チョー好きだって。」 周平の花束を持って、海に駆け寄る少女。 その言葉を待っていた海 は、戻ってきて周平と微笑みあい キスを交わす。 良介 〈もしかしたら 2人が本当に幸せだったのは、この時だけだ ったかもしれない。〉 寸 評 エンディングで映る 絵本のとおりの「幸福の王子」の絵。 そ の足元で死に絶えるツバメは 誰の事なのでしょう? 本当に亡くな ってしまった海の事? 周平の代わりに 繭を助けようとしている良 介? あるいは 周平の妻? 今の周平のように 現実離れした理想を突き進もうとすると、誰か に犠牲を強いる事があるのかもしれませんね。 これからどうなるの か 来週が楽しみです。 執 筆 者 飯塚(iizuka.g@infoseek.to) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 始まりました、夏ドラマ『幸福の王子』。 これから大きく展開していくよ うで、見逃せませんね。 内容が上手に伝わるか 不安ですが、頑張ります。 よろしくお願い致します。m(__)m(飯塚) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |