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タイトル:Daily Drama Express 2003/06/10 顔(9)  2003/07/07


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/06/10 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル 顔
局  名 フジ系
放映日時 火曜21時
キャスト 平野瑞穂(仲間由紀恵)
 西島耕輔(オダギリジョー)
 神崎加奈子(京野ことみ)
 内村秀夫(海東健)
 今村真一(近藤芳正)
 七尾友子(田中律子)
 本間英一(升毅)
 亀田賢 (矢島健一)
 佐藤勇三(河原さぶ)
 相田咲子(黒坂真美)
 小松浩二(田中哲司)
 朝倉ちあき(立川絵理)
 石田満男(大林丈史)
 中嶋しおり(水橋貴己)
 中嶋健二(甲本雅裕)
 鶴田猛 (益岡徹)
 樋口京子(余貴美子)
脚  本 高橋留美

あらすじ  瑞穂(仲間由紀恵)や加奈子(京野ことみ)は他の婦警と『連続
通り魔事件』の目撃者探しのちらしを駅前で配る。無関心な人々にも、
瑞穂と加奈子は「どんな些細なことでも結構です」と熱心に声をかけ
る。


 捜査一課では街頭配りのちらしを見た市民から寄せられた情報を元
に容疑者を割り出し、鶴田(益岡 徹)が皆に説明をする。西島(オ
ダギリジョー)と尾崎(品川祐)は容疑者の勤めている造船所に行く
ように命令が下る。

 造船所でクレーンの作業をしている男を西島は遠くから見ていた。
尾崎が交代の時間を知らせに近寄って来た。「もどって車持ってこい
よ」と尾崎に言い西島はその場に残る。
 容疑者がクレーンから降りて来た。西島は近寄り「少しお話伺いた
いのでご同行願えますか?」素直に従うかに思えた男は逃げようとす
る。西島はそれを押さえ殴りつける。その時、幼い頃の記憶がフラッ
シュバックし無抵抗の男を何度も何度も殴りつける。しばらく後、後
ろから鶴田に羽交い締めにされ西島はようやく男を殴りつけるのをや
める。

 広報課では瑞穂らが見守るテレビで、アナウンサーが「造船所の作
業員園田順治(浜田道彦)が自らの反抗を認める供述をはじめました
…しかし、ピアニスト・白川恵津子(長内美那子)さんの容疑だけは
否認しており、引続き事情徴収を…」と伝えていた。「とにかくこれ
で一安心ですね」笑顔の瑞穂らに、七尾係長(田中律子)は「この犯
人どうして1件だけ吐かないのかしら?」と疑問を口にする。


 捜査一課で、「白川恵津子さんだけは否認している。園田が早番の
日に限って通り魔事件が起きてるのは以前から噂になっていたらしい。
その白川さんは外傷性の健忘症状がある・・」そこへ白川恵津子の担
当医から電話が入る。


 カウンセリング室、樋口(余貴美子)は西島の傍らに立ち心配をす
る。「そんなに俺の何が聞きたいんですか?」警察官になる前、学生
の頃、子供の頃西島の口から聞きたい助けてあげたいと説明するが、
西島は頼んでないと拒否をする。そしてカウンセリング室を出て行っ
てしまう。


 記者室で、東都日報の内村(海東健)は予定稿を見ていた、臼井
(渡辺憲吉)記者は「用意周到だねぇ」と声をかける。「おたくの及
川記者がくも膜下出血で40代半ばで亡くなったって?出来る奴は早
死にするんだねぇ」

 そこへ内村の携帯が鳴る。亡くなるった及川記者の妻、道子からで、
遺品の整理をしていたら内村に渡したいものが出てきた。という連絡
だった。


 捜査一課に樋口と瑞穂が呼ばていた。樋口は白川恵津子を自宅療養
にしてから月に一度様子を見に行っていた。鶴田は白川恵津子が犯人
の顔を記憶しているか確認をして、記憶していたら似顔絵を描いてほ
しい。と樋口と瑞穂に依頼する。樋口は3週間前までは声を発するこ
とも出来なかったと訝しがる。広報課長へは鶴田が話をするといい、
佐藤(河原さぶ)と瑞穂と樋口は白川邸に向かうように命ずる。
 部屋を出ようとするとき樋口は鶴田を部屋の外へ誘う。樋口は西島
がカウンセリングを受けようとしないことを鶴田に伝える。「どうり
で戻って来るのが早かった」と鶴田は納得する。樋口から西島を一線
から外すことを提案される。


 捜査一課で加奈子は「誰だが知りませんが吸いすぎですよ、タバコ」
と言いながら、吸殻の始末をしていた。尾崎は「女って魔物だなぁ、
神崎さん戻って来てから強いと思いませんか?」と愚痴る。「そうい
う台詞は女に振られてから言えよ」と笑いながら助言される。
 鶴田は尾崎と神埼に周辺をもう一度洗ってくれ、西島はしばらく内
勤やってくれ、報告書作成も重要な捜査の一環だ。と命ずる。


 白川邸へ着いた瑞穂らは玄関のチャイムを鳴らすと若い女の声を聞
く。「白川さんは事故前までは音大で講師をしていて、今は息子と二
人暮しだと思ったが・・」玄関から短パン姿の女、竹内さえ(真木よ
う子)が自ら「弦ちゃんの彼女」と言い中へ案内する。

 通された居間で、車椅子に乗った恵津子を息子の弦(鳥羽 潤)が
献身的に看護をしていた。

 「せんせい いらっしゃい」拙い言葉であったが、恵津子は樋口の
顔を見て挨拶をする。驚きを口にして樋口は心から喜ぶ。「樋口先生
がみえた数日後から言葉が出始めて…」とその時の状況を弦が説明す
る。言葉を発する前に病院で樋口が助言した「失われた細胞が生き返
ることはありませんが、諦めずに触ったり、話し掛けたりしてあげて
下さい」ことを弦は実行していたのだった。

 樋口は今日来た目的を弦に説明する。「事件のときの記憶がお母さ
んの中で残っているとしたら、伺わなきゃならない。それはとてもつ
らいことだけど・・」
 樋口と恵津子、弦のやり取りをしている間「こっちに座って下さい」
とテーブルでゆみがお茶を入れていた。椅子に佐藤が座り、瑞穂は不
自然にあいた空間をみつめ佐藤の隣に座る。瑞穂は入って来たときの
違和感をゆみに尋ねる。「あのここにピアノ置いてらっしゃらないん
ですか?」弦も恵津子のそばを離れて来たので、聞いてみた。「ここ
に一台と向こうの部屋にもあったんですが、車椅子の邪魔になるし、
なにより母が怖がったので処分した」と。ゆみは弦が才能があるのに、
アレンジャーの仕事を辞めたことに不満を言う。

 「犯人の顔 みました」樋口の聴き取り調査の後、恵津子が言う。
瑞穂は樋口に呼ばれ恵津子の側に行く「こんにちは 平野瑞穂です。
よろしくお願いします」
 瑞穂は恵津子の前に座り、スケッチブックに似顔絵を描き出す。一
つ一つ丁寧に描きあげた似顔絵は、連続通り魔の園田にそっくりだっ
た…


 捜査一課に戻った瑞穂らは、鶴田と本間課長(升 毅)の前で恵津
子の様子を説明していた。樋口は「彼女が事件以前のことをかなり記
憶しているとわかりました。彼女の記憶事態には何の混乱も見当たり
ませんでした」瑞穂は「私が不思議に思ったのは白川さんが語る犯人
像には主観がまるで入っていなかったことです。顔は、話す側の熱意
をもって印象的に伝わってくるものなんです」連日マスコミで報道さ
れている園田の顔を白川さんが知っていても否定出来ない。記憶が不
確かなときに誰かが写真を見せて、事実と異なる証言をさせることも
可能。鶴田は瑞穂を労い広報課に戻っていいと指示をする。

 白川弦と竹内さえの付き合いのいきさつは、レコーディングスタジ
オの近くの喫茶店で働いていてそこで知り合った。さえには補導歴が
ある。近所ではたびたび息子と白川恵津子が言い争っている声が聞こ
えていた。しかし、事件直後から仕事おっぽり出して献身的に看護し
ている。

 皆の話を聞いている西島が席を外そうとすると鶴田が呼び止める。
「煙草買いに行くだけです」


 内村は及川道子と待合せの喫茶店へ行く。49日が済んで取材資料
の整理をしていたら出て来た。と言って渡したのは及川が書いた、ピ
アニスト白川恵津子殴打事件の予定稿だった。そこには息子弦が真犯
人…という内容の原稿が手書きで書かれていた。「及川さんもこの事
件追っていたんだ・・」


 カウンセリング室で樋口は瑞穂に白川恵津子に行った心理テストの
結果を見せる。例えば「あなたはりんごが好きですか?」「はい好き
です」「あなたが好きなものはりんごですか?」「…」答えに困る瑞
穂に「それが普通の反応なのよ」
 白川恵津子のテスト結果は、こちらの目的を拒絶するような緻密な
正確な感情。まるで何かに操られているような…瑞穂も絵を描くこと
が嫌になってもその道具を捨てることは出来なかった。だから、ピア
ノが処分されているのはおかしいなと思って…


 内村は芝浦のスタジオへ行く。事件当日弦がレコーディングをして
いたスタジオで当時一緒にレコーディングをした人間に話しを聞く。
レコーディング最中だったため部屋を移動する。移った部屋は音が全
く漏れてこない部屋だった。「この部屋で弦ちゃんレコーディングの
編曲作業をやってて、簡単な編曲ならこの部屋で出来ちゃうんだよな」
「そのときの譜面見せてもらえませんか?」内村は頼む。

 そのころ西島へ一課で一人、弦が編曲したCDを聴いていた「こん
なの聴いて何がわかるんだよ」

 瑞穂は楽器店に来ていた。店主に「白川さんのお宅とはかれこれ
40年以上の付き合いになるんですが、私の知る限り白川恵津子さん
という人物は物心ついてからピアノを触れない日なんてなかったと思
いますよ。ピアニストを辞めたのも、息子さんをクラシックの一流に
育てるためでしたから。まぁ、弦ちゃんの気持ちもわからなくはない
ですからね。恵津子さんは一流ピアニストですから。クラシックの世
界にいる限り目の前に超えられない壁があるんですからね」瑞穂は店
主の話を聴いてから最後に「白川さんの家から引き取られたのはピア
ノだけだったんですよね?」と聴く。

 県警に戻って来た瑞穂に「平野さん、ちょっと」と内村が腕を捕ま
える。「これで白川弦のアリバイが崩れるかもしれない」封筒に入っ
た書類を瑞穂に見せる。

 瑞穂は捜査一課に飛び込んで来る。「部外者は立ち入り禁止だぞ!」
と怒る面々に「待ってください」といい、瑞穂の後ろから内村も一課
へ入って来る。

 「これは白川弦が事件当日に書いた譜面です」机の上に譜面を出し、
皆に見せる。こっちが事件当日に書いた譜面。もう一つが普段書いて
いる譜面。白川弦は几帳面な正確で、字が乱れている譜面を書いたの
はこのときだけ、と関係者に聴いたことを伝える。佐藤は「芝浦のス
タジオから自宅まで道がすいていたら30分」譜面の題名を見た西島
が突然席からCDを持って来る。「この中に一曲だけ、白川以外がピ
アノを弾いているんです」特定の誰かじゃなく誰でもいい。もしかし
たら弦は弾きたくても弾けなかった。譜面は走り書きでピアノは他人
に弾かせる。樋口も3週間前に白川家を尋ねたときは彼女は言葉を発
することが出来なかった。それから数日後、彼女は話始めた。それか
ら3週間後園田が逮捕された。恵津子さんの記憶が戻ったのは園田が
逮捕されてから…ずいぶん都合のいい話。劇的な回復の例がないこと
はないけど…電話が鳴り「白川さんが発作を起こして再入院だそうで
す」
 一課を出て、樋口と瑞穂は急ぐ。西島も飛び出して行く。


 病室に樋口が入ると弦がついていた。「母が急に興奮状態になって
こういうことになっちゃって・先生も特に心配ないって・・」西島は
瑞穂が止めるのを聞かず「なぜ、9曲目を自分で弾かなかった。他に
もまだ聞きたいことがある」
 恵津子はベットから弦を掴み首をふる。弦は母親を安心させる。
「恵津子さん私の話を聞いて。あなたは随分前から話すことが出来た。
あなたを庇うためにずーとお芝居していたの」泣き叫ぶ美津子をなだ
め弦が何か言おうとするが「いやあああああ…私の命はあなたにあげ
たの。だからあなたの命は音楽に燃やしていけばいいの」「僕は音楽
をしていても、この6ヶ月間の穏やかな時間は変えられない。だって
今までピアノに邪魔されてこんな時間なんてなかったじゃない。あの
日もレコーディングの最中急用だからと呼び出されて、急用は嘘だと
思ったけど・・」瑞穂は「凶器は居間に飾って合ったトロフィーね」
楽器店に行ったとき、そこの店主からピアノと一緒に引き取られたト
ロフィーを思いかえしていた。

 「あなたはクラシックピアノのソリストになるために生まれてきた
の。それを無駄にしないで」美津子の懇願を聞きながら「限界だと思
った。ここで断ち切るしかないと思った。スタジオに戻って続けなき
ゃと思ったんです。でも、スタジオに戻ったら手が痺れて・・母は死
んだと思った。でも生きていた。ただ、僕が掴まれば母は一人になる。
今まで決断出来なかったんです。僕は子供の頃から母さんが怖くて近
寄り難くて・・眠ったまま動かない母さんを見ていたら思い出したん
だ。僕が好きだったテレビ番組の局を弾いてくれたこと。元気になっ
た母さんにもう一度謝りたかった」

 「弦…」

「白川弦、おまえが犯したのは殺人未遂だ」西島は冷たくいい、弦を
連れて行こうとする。「いいえ違います。これは私が引き起こしたも
の。本当の犯人は私です」美津子の言葉も空しく、弦は西島と一緒に
病室から出て行く。

 部屋に残された瑞穂は「息子さんは好きだった音楽よりお母さんと
の生活を選んだんです。生きている限りきっとやり直せます」


 広報課で今村課長が新聞をひろげて「犯人は連続通り魔ではなく実
の息子」新聞をみた瑞穂は記事の最後に“及川圭太”と内村の名前を
見つける。今村課長は及川を「先日亡くなられた東都日報のベテラン
記者ですよ。取材は少々強引でしたが優秀な記者さんでした」と偲ぶ。
そこへ内村が広報に顔を出す。瑞穂が「内村さん本当はいい奴ですね」
とちゃめっけたっぷりに言うと「ああ電話しなきゃ…」と扉を閉める。


 瑞穂が白川邸の居間でさえにお茶を入れてもらう。お茶の出し方を
美津子にやさしく注意され、さえは素直にやり直す。「弦がピアノに
始めて触ったことを覚えていたんです。ピアノ教師としても弦の母親
としても落第。弦は親子の愛情を教えてくれた。だから私はここでこ
うして生きていける。これは音楽を楽しむためのピアノ」居間にある
古い小さなピアノを見て美津子は瑞穂に説明する。「さえさんがいて
くれるから弦さんも安心ですね」「どうかな。勝手に住み込みで家政
婦になるっていって越して来たから。まだやっぱ弦さんのこと好きだ
し」瑞穂は1冊の古ぼけた『バイエル』を出す。「私、弦さんから頼
まれてこれもって来ました。会える日までこれでピアノの練習をして
いて下さいって」


 カウンセリング室で樋口は瑞穂に紅茶を入れながら「恵津子さんが
あそこまで回復させたのは、医者でもない。弦さんの愛情よ。私この
半年間彼女を患者としてしか診て来なかった。人の愛が信じられない
ほどの奇跡を生むことがあるのよね。
 その奇跡を誰よりも必要としている人がいる。平野さんあなたなら
彼を救うことが出来るかも知れない…・

 西島は海に向かって立っていた…


寸  評 今回は内村記者のことが少し出て来ました。恋愛話が好きな私とし
ては、もうちょっと内村と瑞穂の恋愛模様を少し書いてほしいなぁと
思いました。次週は西島の過去があきらかになってきます。

執 筆 者 田村(tamura_d@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 『蛍』を見て来ました。源氏蛍や平家蛍を見て久しぶりに感動しました。最
初は「何か光ってる目の錯覚か?」と思いましたがかなりの数がいて幻想的で
した。見頃は来週くらいまでとのこと。「大人だけでなく子供も喜ぶ」と連れ
てってくれた人は言ってました。(田村)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
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