|
======================================================================== ━┓→ N┃→ 仮想力線電磁気学 ━┛→ ======================================================================== ------------------------------------------------------------------------ ●第4回 概要(その4) ------------------------------------------------------------------------ 当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。 今回は、定説に潜む遠隔作用性の話です。 **************************************** 14.マックスウェル方程式に潜む遠隔作用性 **************************************** マックスウェル電磁気学は、近接作用の理論ですが、部分的には遠隔作用的な解 釈が可能なところがあります。 それは、静電場と静磁場、すなわち、静的釣り合いの電磁気現象に関してです。 静的釣り合いの問題では、『時間』という概念がありません。 このため、離れた場所に作用が伝わるのに必要な『所要時間』というものが、問 題にされないのです。 このため、作用伝達に必要な所要時間をゼロと考えることができるのです。 それは、どんなに離れていても、作用が瞬時に及ぶことを意味します。 よって、その現象を『遠隔作用』と解釈することができるのです。 実際、マックスウェル方程式を見ると、静電場や静磁場の作用は、瞬間的に伝わ ることを示していることがわかります。 具体的に式を示すと、次のようになります。 div {D} = ρ div {B} = 0 rot {H} = {j} ちなみに、{}で囲まれた項( {D}、{B}、{j} )は、ベクトルを意味します。 テキスト形式で、ベクトルを表現するために、当メルマガでは、以後、この表記 を用いることにします。 上の3式には、時間の項がありません。 このため、作用が瞬時に及ぶことがわかります。 つまり、マックスウェル方程式も、電荷や電流などによって生じる電磁気作用に ついては、遠隔作用的に及ぶことを認めているのです。 それならば、マックスウェル方程式が示す残りの現象、すなわち、動的な電磁場 については、どうでしょうか? こちらについては、別の重要な問題が含まれていますので、次回、改めて説明し ます。 **************************************** 15.電束と磁束密度 **************************************** 電磁場を表現する概念としては、 電界 E 磁界 H のほかに、 電束 D 磁束密度 B というのがあります。 ちなみに、これらの間には、 D = ε・E B = μ・H という関係があります。 ここで、εは誘電率、μは透磁率と呼ばれるもので、空間が電磁気作用に及ぼす 影響を示すものです。 注意しなくてはならないのは、εもμも逆数の形をとっていることです。 たとえば、二つの電荷間に働く電気力(クーロン力)Fは、 F = - (q1・q2) / (4・π・ε・r^2) と表され、εは分母にきます。 ここで、^は累乗計算を表すものとします。 つまり、r^2 はrの二乗を意味します。 そして、電荷q2による電界Eは、 E = - q2 / (4・π・ε・r^2) となります。 こうしたことから、電界Eや磁界Hにεやμを掛けるということは、空間が電磁気 作用に与える影響を打ち消すということになります。 つまり、電束Dと磁束密度Bは、空間の影響を無視した概念ということになるので す。 空間の影響を無視するというのは、明らかに遠隔作用の概念です。 つまり、電束Dと磁束密度Bは、遠隔作用的な概念なのです。 マックスウェル電磁気学では、電束Dと磁束密度Bという概念が、電界Eと磁界Hと 同じくらい頻繁に出てきます。 こんなところにも、マックスウェル電磁気学の遠隔作用性を見出すことができる ことがわかるでしょう。 **************************************** 16.相対論に潜む遠隔作用性 **************************************** 定説である相対論や量子論は、マックスウェル電磁気学と同様に、近接作用を前 提とする理論です。 しかし、これらも、よく考えてみると、遠隔作用的な性格を有していることに気 付きます。 まず、相対論について見てみましょう。 誰もがはじめはショックを受ける特殊相対性理論が予言する現象、すなわち、運 動による長さの縮み、時計の遅れ、質量の増大といった現象は、よくよく考えれ ば、遠隔作用的な現象であると言えます。 その理由は、次の通りです。 これらの現象は、相対速度によって生じるものです。 一方、相対速度というものは、距離に関係なく、瞬時に定まるものです。 したがって、これらの現象は、どんなに距離が離れていても、瞬時に生じること になります。 これは、まさに遠隔作用の特徴でしょう。 **************************************** 17.量子論に潜む遠隔作用性 **************************************** 量子論にも、遠隔作用的な特徴があります。 量子論の決定版とも言える量子力学は、遠隔作用的な現象を予言しています。 そして、それを証明したとされているのが、有名なアスペの実験なのです。 さて、ここで、「おや?」と思った方も多いでしょう。 「なぜ近接作用の理論から、遠隔作用的な概念が生じてくるのか?」と。 実は、これが、相対論や量子論の一番奇妙なところなのです。 そうでなくても、相対論や量子論は、理解に苦しむ理論です。 おまけに、両者の統一は、未だに成功していません! したがって、どうせ遠隔作用的な概念が出て来るのなら、はじめから遠隔作用を 前提とした理論を作った方が、ずっとスッキリすると思いませんか? 実を言うと、これが仮想力線電磁気学を提唱する最大の動機なのです。 すでに述べてきたように、遠隔作用は近接作用に比べて、少しも不合理なところ はありません。 遠隔作用を認めることで、より多くのことが合理的に説明できるのなら、もはや 近接作用に固執しなけねばならない義務は、どこにも無いはずです。 ======================================================================== 発行者 : tarkun(たーくん) mailto:tarkun2@yahoo.co.jp 配信 : MailuX http://www.mailux.com/ バックナンバーの閲覧、購読の解除、配信先の変更は、下記のHPへ。 http://www.f8.dion.ne.jp/~tarkun/mm/mailux.htm 購読の解除や、配信先の変更は、御自分でお願いします。 ======================================================================== |