メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2003/06/10


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南米旅行記No.19(2003年6月10日 Tues.)


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どうも、ヒラリー クリントンが次期民主党大統領候補に立候補するようです。
一見、アメリカは民主主義と自由主義の守護神で、父親の地位を世襲するとは
思わないのですが、大統領、上院議員、下院議員など、二世、三世・・・・が
多いようです。

「自由主義だから地位の世襲をしようが、関係ないよ」といわれればそれまでな
のですが、何か割り切れないものがあります。

政治の世界で親の後を子供が継げば、新参者にいつまでもたってもチャンスが
回ってこないという事になり、機会均等を謳う憲法に違反することになります。

人間というのは、古今東西を通じて、同じことを繰り返す生き物のようです。
現代は昔と違ってオブラートに包んで公的地位の世襲を見えにくいようにして
いるようですが。

                       エドワルド

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Index

1. 海外の犬は恐ろしい
2. 南米旅行記XIX
3. ワンポイントスペイン語会話
4. ワンポイントスペイン語文法
5. カナリア諸島からの遺産

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海外の犬は恐ろしい。

リマ(ペルーの首都)にあるペンション西海の近くに、名前を忘れたが昔、高橋是
清が宿泊したキンタ(豪邸)がある。私が訪ねた当時、門に守衛がいてそれなりの
格式を保っているようだった。

守衛に頼んで中に入れてもらうと、広大な敷地(土漠状態)の中に大きな古めか
しい建物(保存状態は決してよくなかった)があった。そして、さあ家を見始め
よう思ったとき、10匹ほどの犬の群れが近づいてきて、私を威嚇しだした。

どうしようかと躊躇していると、一番小さな犬がこちらに走ってきたのを合図にし
て犬の群れが襲い掛かってきた。ズボンを少し噛まれたような気がしたが、なんと
か逃げきった。

当時のペルーのような混乱している国では、狂犬病の予防注射をしていない場合
が多いだろうから、後から「もし、噛まれていたら」と考えると、冷や汗が出て
きた。

私が初めてジュライホテル(バンコックの日本人貧乏旅行者の専属の宿のよ
うだった)に泊ったとき4階に食堂があって、そこのオーナーが小さな犬を飼
っていた。ある日、私が座ったテーブルの下に犬が寝ていたので、その犬の
腹を撫ぜていると、犬が私の手に噛み付いた。

手から血が出ていて、そのとき私の頭を過ぎったのは「この犬大丈夫だろうか。
狂犬病の予防注射を受けているんだろうな」ということであった。

レストランのオーナーに「予防注射をしている証明書を見せてください」と英語
でいうが、当然向こうは理解していない。仕方がないので、タイ語を話す日本人
に頼んで通訳してもらうと狂犬病の注射をしていないということだった。ショッ
クを受けた私は、俄然オーナーに抗議した。彼は根負けしたのか、従業員に私を
病院に連れて行くように指示した。病院に連れて行ってもらうと、医者は5回の
狂犬病予防注射を受けることを薦めたが、エィズかもしれないと思っていた私
は、抵抗力のなくなった体に狂犬病の予防注射を打たれると、狂犬病に感染す
るんじゃないかと思って予防注射を打つのを拒否した。もし、あの犬が狂犬
病を持っていたらと思うとぞっとする。なに、お前のエィズの方が怖いっ
て。さよですか。

発展途上国に行くと、よく犬が放し飼いにされていて、狂犬病の予防注射もして
いません。日本人旅行者が発展途上国の犬に噛まれて、狂犬病の予防注射を受けた
話をよく聞きますので、犬にはくれぐれも気を付けてください。

 犬に噛まれて、狂犬病になったら、洒落にもなりませんぞ。

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南米旅行記XX

ペンションの宿泊者は、夕方になるとセントロにあるダルマ食堂に行く。日本
人が5〜6人(観光しなくいつもペンションにいる連中)、カエ プーノを歩くの
だから、そこら中から「チーノ」という声がかかる。

「何だ、あいつらいつもチーノと呼びやがって」
「そう、頭にくるなよ。チーノと呼ばれるごとに、いちいち怒っていちゃ、体が
いくつあっても足りないよ」
「しかし、頭にくるんですよね」
「確かに、チーノという言葉の中には東洋人蔑視が入っているが、この場合、彼ら
は珍しい連中が歩いてきたから思わず声を掛けただけだよ」
「そうですかね。あれは、軽蔑していてる目ですよ」
「仮に、俺たちを軽蔑していたとしても、俺たちにはどうしようもないよ。彼ら
が東洋人をチーノと呼ぶのは、150年前中国人がここに移民してきたときから
の伝統だからね。君一人が彼らを殴ったり、怒鳴ったりしても、何も変わらない。
それより、涼しい顔をしてやり過ごす方が、カッコいいんじゃないのかな」
「でも、俺は日本人ですから」
「君の心の中に中国人蔑視があるから、腹が立つんじゃないのか」
「それも、少しあるんだけど、俺は日本人だしな」
「君も世界をもっと周ってみる必要があるな。日本人は自分達を白人だと、い
や少なくとも白人になりたいと思っている。その反動で、他のアジア人を差別
するんだよな。それは中国人も韓国人もそうなんだけど。白人に異常に媚を売
り、アジア人を無視する。その行動自体、アジア人である自分たちを自己不定
しているような感じが俺にはするんだけどね」
「そんなの関係ないですよ」
チーノと後ろから声がして振り向くと、小学校らしい少年が数人笑っている。
ひとりの日本人が、彼らの方に歩いていって、子供たちの頭を叩いた。子供た
ちは蜘蛛の子を散らすように散らばって、また「チーノ」と言いながら逃げて
いった。
「いくら鉄拳制裁してもあんなもんだよ。連中は絶対に『チーノ』と呼ぶのを
止めないよ。そんなことしたら、かえって逆効果だ」
「あんなアホ連中には、鉄拳制裁しかありませんよ。俺はナイフやピストル
が出てきたっても止めませんよ。無礼な行為に対して断固、立ち向かうしか
ないです」
「まあ、君の人生だから、好きにやるといいよ」
習慣も考え方も違う外国に行くと、日本人の常識からして耐えることの出来
ないことが多い。汚い服をきたインディオやメステーソが、チーノを見て
「俺らより劣っている人間が来たぞ」と思って「チーノ」と呼ぶ行動は、世
界第二の経済を誇る国の住民として、耐え難いものがあるだろう。しかし、中
国人が南米大陸に来た時、インディオより下の最下層に位置づけられた時
代があった問題と政権担当者が自分達の地位を奪われないために国民の教育
程度を向上させてこなかった問題がクロスオーバーする相乗効果で「チーノ
は貧乏な自分達より劣っている」という誤解を生んでいるのではないか。いず
れにしてもチーノ問題は日本人旅行者にとって厄介だ。一番いい対策法は、涼
しい顔をしてやり過ごすのがいいと、私は思うのだが。世界を変えるより自
分を変えれば、その世界に同化でき楽になるのだから。

つづく・・・
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ワンポイントスペイン語会話
Discu’lpeme  1.すいません。 2.失礼しました。
ディスクールメ
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ワンポイントスペイン語文法
比較 ma’s と menos

「より多い」ma’s  「より少ない」menos

Tengo mas hermanos que Juan. 私はホワンよりたくさんの兄弟を持っています。
テンゴ マス   エルマノ      ケ    ホワン
Esta novela es menos interesante que esa. この小説はそれより面白い。
エステ  ノウ゛ェラ  エス メノス  インテレサンテ    ケ   セア
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カナリア諸島からの遺産I

私はキューバ人に頼まれて1998年カナリア諸島のテネリフェ島に降り立った。
依頼というのは依頼者(嫁の親戚)の4代前の祖父の弟が司祭で、生前莫大な
財産をスイスのどこかの銀行に預けたので、それを見つけて欲しいというもの
であった。その大叔父の名前も知らないという漠然としたものであったが、大
金なので行動を起こす価値はあるし、彼らにはテネリフェ島に行くお金がない
ので、わたしに行って欲しいということであった。旅費(テネリフェ島まで
と洗礼記録と死亡記録を見つけた後、スイスへ飛びお金を預けてある銀行
と交渉するまでの諸経費)、滞在費はこちら持ちなのであるが、報酬は見つかっ
たお金の25%であった。

 漠然とした話であったのであまり乗り気ではなかったが、カナリア諸島に行っ
たことがなかったし、またモロッコを訪ねたいという気持ちが私を動かした。
もちろん、ひょっとしたら大金が見つかるかもしれないという微かな期待も
あった。(本当は、期待が大きかった)

 彼らの4代前のおじいさんであるファン ゴンザレス アルバレスがキューバ
島に来たのが1850年ごろ、そのとき、彼は25歳として逆算すると、生まれ
たのが1825年になるので、弟はおそらく1830ごろ生まれたのだろうと
推測でき、かれらの両親の名前は分かっている。情報はそれだけである。で
も、1850年以前のテネリフェ島には教会(おそらく2、3ぐらいと推測し
ていた)が今より少なかったはずだから、簡単に名前を探し出せるのではない
かというアドバイスを受けていた。

全権を任されたというキューバ外務省からの書類を持った私は、嫁の親戚の期
待を一身に受けてテネリフェ島に降り立った。空港は鄙びたという言葉がぴった
りだった。まるで、北海道の田舎にあるJRの駅のようだった。

街は中南米などとあまり変わらないのであるが、家々から突き出した木製のべラ
ンダが他のスペイン語圏との違いを主張している。

ホテルは冬ということもあり空き部屋が多かったが、さすがスペインきっての観
光地(スペイン人が夏の休暇に大挙する)である。ホテル代がUS20ドルと異常
に高い。

つづく・・・・・

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