メルマガ:月刊小説メールマガジン『君が好き!』
タイトル:月刊小説メールマガジン『君が好き!』  2003/06/04


===================================
月刊小説メールマガジン         2003年6月1日 発行(でも遅れた)
『君が好き!』   増刊号vol.37
===================================
 こんにちわ、篠原です。
 台風ですね。台風の季節がやってまいりました。
 それにしても、今年は異常気象なんでしょうかねぇ。また暑いのかしら……。

 配信遅れたああああああああああああああああああ(;o;)(;o;)(;o;)
大変申し訳ございませんです。。。。。

 で、も! 本日届きましたよぅ。例のアレ!
 ああ、白だよ…。とうとう連続当選記録もここで終わりかぁ…。
なんて、開いたら、どうやら薄い水色だったらしく(爆)、名前入りの通行証
が!!!!!!!!!!!

ということで、記録更新中です。。。。たぶん10回連続当選中

 8月16日(土)西地区 ほ−21a  君が好き! ですぅ。


HP更新情報 http://kimigasuki.hp.infoseek.co.jp/ ←アドレス変更
★随時、HPは更新しております♪
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
増刊号 今月のラインナップ  
●愛の寸劇劇場 【ちょっとおかしな二人の話《お昼寝編》】瀬乃美智子
●『聖獣戦記』第9章 篠原美姫緒
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

  【ちょっとおかしな二人の話《お昼寝編》】
                           by瀬乃美智子

「明日はいよいよ退院ですね」

レイモンドの見舞いに来ていたカミアは嬉しそうに微笑んだ。
明日はお手伝いしますからねと張り切る彼女に、レイモンドは手伝いなんかい
いからどこかに寄っていこうと微笑む。

「でも、荷物とかあるし…。」
「ああ、それならうちの人間がやるから大丈夫だよ」

あ、そうか。ご家族の方も来るんですよねと言うカミアに、レイモンドは、家
族は来ないよと首を横に振った。
自分の家族は外国にいるから、明日来るのは身の回りの世話をして貰っている
家政婦さんだけ。

「家政婦さん雇ってるんですか? すごい、レイモンドさん」

確かにいいお給料貰っていそうだし…と、カミアは溜め息をつく。
病院は特別室だし、いまだに情報部から警備員は派遣されているし…。
彼がかなり特別扱いされているのは明らかだ。

しかし、そんなカミアに、レイモンドは、私が家政婦さんを雇っているのは事
情があるんだよと苦笑した。

「事情?」
「ああ。とにかく私は…自分の身の回りの事ができない人間でね。だから家事
をしてくれる人間がどうしても必要なんだ」
「家事を?…そうは見えないけど…。」

レイモンドの言葉に、カミアは小首をかしげた。

確かにレイモンドは育ちが良さそうだし、家政婦さんや警備員に身を守られる
のも似合っている。
だが、何も自分で出来ないという感じには見えないのだ、逆に、何でもそつな
くこなせるタイプのように見える。

「家事とか、した事がないんですか?」
「いや、やろうと思ったら出来ると思うんだけどね、本部の方で禁止されてし
まっているから…。」
「家事をですか??」

どうにも的を得ないレイモンドの言葉に、カミアは思わず詰め寄る。
どこをどうやったら、情報部に家事をやる事を禁止されたりするのだろう。


するとレイモンドは少し苦笑して…、しかし君は未来の私の奥さんだしねぇ…
と、言って真実を明らかにした。

「未来視はね、結構パワーを使うものなんだよ。私の場合は意識的にする予知
以外にも、無意識に予知夢を見てしまうから、体力の消耗が激しいんだ」

だから常にエネルギーを補充する必要がある。
でも自分にとってエネルギーは食事とかではなくて、つまり…その…。

「早い話が、寝ることかな」
「寝る?」

とにかく、未来視をした後はエネルギーを使って眠いし…。でも当初ひとり暮
らしをしていたレイモンドは、もちろん自分の身の回りの事は自分でしなけれ
ばならなかった。
なので、ぎりぎりまで頑張って、少し寝ては力を補充して食事を作り、疲れで
倒れこむように寝入ってはまた起きて今度は食事の後片付けと……、一日の家
事を済ますだけで、寝たり起きたりで結局朝方までかかってしまい、肝心の本
業を依頼されたときは、眠くて意識朦朧…と言った状況が続いてしまったのだ
った。

「それで家事禁止ですか…。」
「まぁ、そういう事だね。家政婦さんが全てやってくれれば、私は寝る事に集
中できるから。1日最低10時間は寝ないと倒れちゃうんだよね…。」
「10時間!? それはいくらなんでも寝すぎじゃあ!」

カミアの突っ込みに、仕方ないんだよとレイモンドは軽く肩をすくめた。

一晩に5〜6回、2時間に1回は予知夢を見て起きてしまうから、レイモンド
は熟睡するということが無いのだ。その他にも食事やもちろん仕事中にも予知
夢は断続的に続くものだから、彼にとって精神がやすまる時はあまりない。
レイモンドはいままで少なからず何人かの女性たちと付き合ってきたが、皆な、
この事が問題で別れてしまったのだ。

睡眠時間を確保する為に長時間の夜間デートは出来ないし、デート中でも隙あ
らばレイモンドはすぐ寝てしまう。
いや、寝なくとも断続的な未来視で、ぼーと、している事が多々有り、女性を
リードするという事が苦手…、いや、出来ないのだ。

だから最後の最後では、あなたってそういう人だとは思わなかったわと、振ら
れてしまうのが常だった。
どうも、レイモンドの持つ雰囲気から、行動力のある上品な青年紳士と…彼女
たちは信じて疑わなかったらしい。


「だから、もしかして君相手にも失礼な事をするかもしれないけどその辺はど
うか勘弁して…―っ。」
「いえ、とっても新鮮です!」

カミアの返事に、レイモンドは瞠目した。

「え? し、新鮮っ??」
「ええ、そうですよ! 私そんな方と付き合ったの初めてです! あ、それに
私たち合いますよ。私も夜はとっても早く寝るんです、いつ本部からの召集が
かかるか分かりませんから。よりよい集中力を得る為には、まずたっぷり睡眠
が何よりですからね」

にこにこと笑ってカミアはうなずいた。

「で、でも…。」

レイモンドは今までに無い展開に心臓の鼓動を早めながらたどたどしく言葉を
紡いだ。


「映画とか観に行っても、私は必ず途中で寝てしまうよ?」
「じゃあ、遠慮なく私の趣味に走った映画が選べます」


「話の途中でも、突然予知夢を乱して不気味だって言われるし」
「毎日刺激的で楽しそうです」


「昼間も…すごく眠いから昼寝がつきものだし…。」
「じゃあ…。」

カミアは少し考えた後、にっこり笑って明日には退院する病室のベッドに腰を
降ろし、レイモンドを仰ぎ見た。

「じゃあ…―――そうしたら、明日の帰りは家具屋さんに行きましょう。二人
でお昼寝できるぐらい、大きなベットを買いに行くんです。そうしたら、きっ
とお昼寝も楽しいわ!」


カミアの笑顔に、――君は本当に変わっているねと、…レイモンドは苦笑混じ
りの笑顔で呟いたのだった。



                                                        《おわり》


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
      『聖獣戦記』            篠原美姫緒


   第九章 聖戦


 星の赤い鳥―――。
 いつも助けてくれていた星の赤い鳥は、その日以降見ることは無くなった。
「で、その星はどうしたんだい?」
 イアンは覗きこむように聞いた。
 が、しかし咲羽はだまったままうつむいてしまった。
「フラメ軍がヴェッサーに侵攻したときに、ショーンの罠で…」
「違うわ! アルが戦争をやめないから! あなたが、ヒンメルの皇帝である
あなたが戦争をするから、私達が犠牲になるのよ!」
「さわ…」
「やめないか咲羽! アレリニオのせいではない! 人の欲だ。人の欲が戦争
を起こすのだ。むしろアレリニオは一番の被害者だ!」
「わかってる…。わかってるけど…」
 咲羽は、泣きはらした目で窓の外を見た。
 となりのビルの隣の部屋は、星が使っていた。今は、カーテンが閉まり鍵が
かかっている。
 咲羽も実家に引っ越すために、荷造り用のダンボールが散らばっていた。
「引越しするのか?」
「ええ。お父様が実家に帰れとおっしゃるので。でも…」
 なにもかもが中途半端のやりかけの荷造り。

 帰りたくない。

 咲羽の心の叫びであった。

「なあ、咲羽。僕らと一緒に行かないか?」
 アレリニオは優しく微笑みかけた。
「行くってどこへ? あたし、聖獣となんか戦わないよ」
「いや、僕がただ君に側にいて欲しいだけなんだ」
「はぁ?!」
「二年前にメール山で君に出会って、ずっと気になっていた。」
 
 それまで、僕のすべてはフォーラドゥング南殿での生活、しかも宮殿付のオー
カスと一緒のときだけ、外に出られたという生活。
 僕の周りに、君のような人間はいない。

「だから何? ボンボンの気まぐれなら」
「違う! そうじゃない! 僕は君の前では皇帝でも貴族でも華族でもない!
ただの男なんだよ!」

 ごふぉん!

 興奮したアレリニオをいさめるかのように、愛らしい麒麟が咳払いをした。
「まぁ、とにかく。麒麟が復活し、玄武と蒼龍が解かれている今、朱雀が復活
してもおかしくはない。その朱雀に関係している咲羽の元へ、われわれがこう
やって呼び寄せられたのだ。咲羽、お前は自分の運命を受け止めなければなら
ない」
「イアン様…も。毅彦と同じことをいうのね。」
「イアン様?! 蒼龍が復活するんですか?!」
「おや、アルは知らなかったのか? ショーンの腰巾着だったファウストが自
ら生贄になって魔法陣に入って行った」
 咲羽は、自分以外の人間から、その人物の名前が出たことで驚いた。
「ファウスト?!」
 咲羽と星を同時にこの世に生み出した張本人である。

 意外なところで意外な繋がりがある3人に、自らの運命を受け入れなければ
ならないと、こころに決める咲羽がいた。





                              《続く》

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 あとがき
 今回も配信遅れました(汗)すみませんm(__)m
 瀬乃も篠原もリアルが激務でなかなか時間取れないんです;;
 精神的に逝っちゃってて、たいへんですぅ。こんな二人に励ましのメールを
ください〜

君が好き!はリンクフリーです。
小説のご意見ご感想をお寄せください♪
===================================
 月刊小説「君が好き!」メールマガジン  2003/6/1 増刊号
 発行責任者 :篠原美姫緒  kimigasuki@1-emishop.com
 Webページ:http://kimigasuki.hp.infoseek.co.jp/
 発行システム:『まぐまぐ』『melma!』『Mailux.com』『E-Magazine』
 マガジンID:0000025584 m00012567 ms00000142  loveyou
 君が好き!メールマガジンの、転載、複写など著作権法違反行為は禁止です。
===================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。