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タイトル:【株式情報局ニュース】 2003/05/28ニュース  2003/05/29


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株式情報局
2003/05/28ニュース

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◆フジタ(1725)
2003年3月期連結決算は、最終損益が152億円の赤字となり、36億円の債務超過に
陥った。担当の東陽監査法人から税効果会計に伴う繰り延べ税金資産の厳格査定を
求められ赤字額が膨らんだ。債務超過を解消するため、メーン銀行である三井住友
銀行向けに優先株300億円を発行する。公的資金注入が決まったりそなグループと同
様に、会計士の企業に対する厳格姿勢が改めて浮き彫りとなった。4月25日、割増退
職金負担などで前期の最終損益が36億円の黒字見通しから65億円の赤字になったと
業績予想を修正。しかし、その後の監査法人とのやり取りで、繰り延べ税金資産の
算出根拠となる将来収益を見直した。その結果、単独で115億円あった同資産を80億
円取り崩し、最終赤字額が増加。上期中に三井住友銀が優先株を引き受ける。
再建計画の一環として昨年10月、建設事業を分割した建設専業会社として発足。抜
本的な再建に乗り出したが、前期の受注は当初計画を3割近く下回った。収益見通し
の見直しなどで、当初23日に予定していた決算発表を28日に延期していた。


◆明治製菓(2202)
新型肺炎の流行を受け、中国に抗生物質「メイアクト錠」100万錠を寄贈したと発表。
コロナウイルスに直接効果があるわけではないが、新型肺炎で弱った体に肺炎球菌
などの細菌が侵入した際の治療に用いられる。


◆モック(2363)
株式分割、6月30日現在の株式1株を2株。効力発生日、8月20日。配当起算日、7月1
日。分割後の新株式数、1万3172株。


◆アサヒビール(2502)
名古屋証券取引所への普通株式と転換社債の上場を廃止すると発表。同取引所の取
引高が縮小傾向にあり、上場廃止による影響は少ないと判断。東京・大阪証券取引
所での上場は継続する。上場廃止の申請は29日を予定。


◆キリンビール(2503)
特定のコンビニエンスストア限定のビール・発泡酒を相次ぎ発売。6月7日にセブン-
イレブン・ジャパン限定のビール、10日にはローソン向けの発泡酒を売り出す。
ビール・発泡酒市場はここ数年、伸び悩み傾向が強まる。キリンは特定のコンビニ
と組むことで個性的商品の販売を着実に伸ばせるとみている。コンビニ側は限定商
品の充実が他チェーンとの差別化につながると判断している。


◆レインズインターナショナル(2688)
2003年12月期は連結経常利益が前期比52%増の36億円程度となりそう。期初予想は32
億3000万円。既存店が堅調なうえ、積極出店が寄与。連結売上高は62%増の470億円
程度になる見通し。従来予想は384億8000万円。FC店向けの食材はこれまで商社が
納入してきたが、今期から自社で供給する体制に改め、約70億円の増収要因。この
結果、商社に支払っていた委託手数料がなくなり、経常利益段階で2億5000万円前後
のプラス要因となる見込み。前期比横ばいを想定していた「牛角」の既存店売上高
は1-4月に約2%増加し、通期でもプラスとなる可能性が高い。今期末の店舗数は1300
店弱を見込む。子会社ではレインズフードレーベルが4月から始めた食料品販売など
が好調に推移。
2003年6月中間期の連結経常利益は前年同期比2.1倍の12億円前後となりそう。連結
売上高は69%増の190億円程度になる見通し。


◆くらコーポレーション(2695)
2003年4月中間期の単独税引き利益が前年同期比2.5倍の3億5500万円になったと発表。
従来予想は2億4000万円。既存店の減収幅が予想より小幅だったほか、商品管理の精
度向上などによる粗利益率の改善が寄与。売上高は45%増の95億円になった。来店客
数の落ち込みが響き既存店売上高は8%減少したが、期初計画を4ポイント上回った。
出店も11店と計画を二店上回った。出店費用の低減も寄与し、経常利益は2.5倍の6
億4900万円を確保。


◆キタムラ(2719)
2003年3月期連結決算は経常利益が前期比1%増の33億8700万円。デジタルカメラの普
及で従来型カメラが低迷して減収だったが、広告宣伝費などの抑制で増益を確保。
ソフトレンタル子会社の収益も改善。連結売上高は6%減の1091億4500万円。カメラ
など映像機器の販売は11%減だった。ソフトレンタルのメディアシティキタムラが営
業黒字に転換するなど子会社の収益が改善し、連結営業利益は10%増の32億2000万円。
今期は売上高が横ばいの1091億5000万円、経常利益が17%減の28億円を見込む。デジ
タル写真印刷の需要取り込みのための投資が負担。デジタル印刷の店頭注文端末を
拡充するほか、店舗の内外装を刷新する。連結ベースの設備投資額は40億円前後と
前期より10億円程度増える見通し。


◆メディア・リンクス(2748)
2003年3月期配当を見送る。


◆上毛(3010)
決算説明会を開催。前3月期連結業績は3億円強の経常損失を計上したが、今期は赤
字の繊維部門の縮小と手堅い利益が見込める不動産流動化事業への進出により、経
常利益は1300万円の黒字に転換する見通し。「今年3月の第三者割当増資で調達した
資金を用い、優良な担保付債権の担保物権(土地建物)をRCCから購入した。場所
は埼玉県日高市で購入価格は8億円弱。店子はホンダの子会社で自動車部品を製造す
るホンダアクセスが工場として使っており、3年間の賃貸契約を結んでいる。レバ
レッジを生かしたスキームで、初年度は当社に3億7100万円の賃貸収入が入る。来年
度以降は年4億500万円の安定した賃料が得られる仕組み。この物件だけで赤字は止
められる」
「今回、RCCから購入した実績により、不動産流動化に関わる案件がかなりの数、
集まってきている。資金さえあれば一気に手を広げられるが、急いで発行済み株式
数を増やす(増資する)つもりはなく、当面はキャッシュフローをベースに堅実な案
件を選んで投資していく」
「元経営陣による大正生命とのトラブルは昨年、1億円弱の金額で和解した。過去の
負の遺産はもはやなく、業態も変貌を遂げつつある。一刻も早く黒字を定着させ、3
年後には復配を実現したい」


◆中越パルプ工業(3877)
2003年3月期の連結決算は、経常利益が37億円と前期比14%減少。販売単価の下落を
数量増で埋めきれなかった。原料の古紙の価格上昇や減価償却費の増加も響いた。
売上高は1%減の1096億円。下期に洋紙などの値上げをしたが、期中平均ではすべて
の品目で単価が下落。数量は4%増だった。年金関連費用や株式の評価損が減少した
め、純利益は14億円と前期の1000万円から大幅に増加。
2004年3月期の売上高は前期比1%増の1110億円を見込む。数量は横ばいながら、値上
げがフルに寄与。古紙高や輸入チップの価格上昇を原料見直しなど合理化でカバー
し、経常利益は24%増の47億円に拡大する見通し。


◆三菱化学(4010)
全額出資子会社、ゾイジーンはバイオベンチャーのセレスター・レキシコ・サイエ
ンシズ(CLS)とたんぱく質の相互作用を共同研究する契約を結んだ。CLSは富
士通(6702)関連会社の技術者が中心となって設立。三菱化学と富士通はすでにバイ
オ分野で提携関係にあることから、4社は基幹技術を担うベンチャーの技術を融合し
て、ヒトのゲノムを活用した創薬資源の開発を加速する。医薬品の開発過程でたん
ぱく質同士がどのように作用するかを高精度に予測。富士通のスーパーコンピュー
ターを利用したたんぱく質の選定技術などと連携させる。


◆積水化学工業(4204)
環境経営に関する新方針を発表。太陽光発電機能を持つ住宅など環境に配慮した製
品を拡販し、同製品の売上高を2006年3月期に2500億円と、2003年3月期の1.7倍に引
き上げる。環境管理を全般的に担う環境経営推進部を4月1日付で新設。省エネなど
を通じて事業の効率化も進め、3年後に環境関連の取り組みによって50億円のコスト
削減を目指す。環境配慮製品は従来製品に加え、燃料電池を搭載した住宅の実用化、
住宅の建て替え工事で既存の建物の7割を再利用するシステムの本格展開など新事業
の開発も進める。業績評価制度は今期の上半期中に詳細をまとめ、2005年3月期の導
入を目指す。


◆日本ゼオン(4205)
徳山工場で、ゴム原料の精製施設内を清掃した作業員8人が腹痛などを訴え、このう
ち1人が入院したことが28日、分かった。周南署は工場内で高濃度で検出された有機
溶剤中毒の疑いがあるとして、工場関係者から事情を聴いている。


◆塩野義製薬(4507)
基礎研究費を抑制するため、新薬の研究対象を絞り込む。これまでは感染症や炎症
といった広いくくりで対象を決めていたが、今後半年で肺がんや糖尿病性腎症など
十の個別疾患まで絞り込む。研究開発の優先順位を見直すことで研究費を抑制、収
益改善につなげる。2001年に設定した感染症、炎症、代謝性疾患、ガン、中枢神経
系疾患の五領域を軸に基礎研究を進めてきた。バイオベンチャーのオンコセラ
ピー・サイエンスと昨年提携してゲノムを使った肺がん、前立腺がん、乳がん治療
薬の共同開発を始めた。理化学研究所や米クオークバイオテックとも共同研究を進
めており、こうした分野などに研究対象を絞り込む。研究開発費は2004年3月期で前
年同期比6%増の333億円の見通し。費用のかかる開発後期の新薬候補が増えるため、
研究開発費は今後年10%以上増加する見通し。基礎研究対象を絞り込み研究開発費の
効率使用につなげる。


◆三菱ウェルファーマ(4509)
薬の原料を加工する原薬事業を10月1日付で連結子会社に移管すると発表。新薬の研
究開発や営業に経営資源を集中し、効率化を図るのが狙い。


◆ニッポン放送(4660)
2003年3月期連結決算は、経常利益が71億円と前期比20%増えた。本体の放送事業は
不振だったが、子会社の映像・音楽部門の改善が寄与。年間配当を3円増やし、10円
とする。売上高は6%増の1154億円、営業損益は17億円の黒字(前期は7億円弱の赤字)
に転換した。本体が手掛けるラジオ事業は、景気の低迷でスポット広告収入が落ち
込み、部門営業利益が1億円と67%減った。フジテレビへの出資比率が下がったこと
などで持ち分法投資利益が減り、営業外収支は悪化。2004年3月期の連結経常利益は
前期比8%減の66億円を見込む。映画や音楽CDのヒットが見込みにくく、映像・音
楽部門が悪化するのが響く。年間配当は6円減らし、4円とする方針。8月1日付で売
買単位を現行の100株から10株に引き下げると発表。


◆デジタルアドベンチャー(4772)
2003年3月期の単独決算は最終損益が4億9200万円の赤字(前期は3000万円の赤字)に
なった。昨年12月に撤退したポータルサイト運営の処理費用を特別損失として3億
8300万円計上したことが響いた。売上高は10%減の18億3800万円。ポータル事業は撤
退に伴い97%減の2300万円。一方、携帯コンテンツの売り上げは会員数の減少を利用
料金が高いサイトの開設で補い、24%増の11億6600万円。


◆サイボウズ(4776)
官公庁や教育機関を対象に、主力ソフト製品「サイボウズガルーン」の販売価格を
40%引き下げる。このソフトは組織内で情報を共有化するためのグループウエアで、
500以上のユーザー数が対象。
価格引き下げは「アカデミックライセンス」と「ガバメントライセンス」の名称で、
6月2日から実施。中央省庁や地方公共団体、各種学校・教育機関を対象に新規購入
価格を通常より40%割り引く。現在、140社、約7万ユーザーが利用している。官公庁
や自治体向けでは昨年9月に三重県教育委員会が6000ユーザー分導入、岡崎市役所が
1500ユーザー分を導入した実績がある。
提携先の日本IBMやNEC、日立製作所、富士通など9社を通じて販売している。
企業の情報投資が低調な中、各社とも、伸びが見込める官公庁・自治体の取り込み
を強化しており、サイボウズは価格競争力を武器に売り上げ拡大を図る。


◆ウェザーニューズ(4825)
今秋から米航空大手アメリカン航空に気象情報を提供すると発表。JALや全日空
など国内大手からはすでに受注実績があるが、海外大手との契約は初めて。ウェ
ザーニューズは米国海軍も含めた日米欧の公的機関から得た情報を分析、全世界の
気象情報や予報をリアルタイムに提供できる。アメリカン航空グループは世界で1日
約4400便を運航している。このうち小規模な地域便を除く約9割がウェザーニューズ
の情報をもとに運航することになる。米航空大手が民間気象会社に気象情報を全面
委託する例はない。初年度の受注規模は数億円とみられ、今後も海外大手からの受
注をめざす。


◆富士写真フイルム(4901)
富士写真光機は特殊バルーン技術を用い、口から小腸の奥深くまで挿入できる内視
鏡を開発。到達が不可能とされていた部位を観察できることで、早期発見が難しい
小腸がんや原因不明の慢性下痢などの診断精度が高まる可能性がある。同じやり方
で開腹せずに病変部を切除できるため、手術コストも削減できる。


◆藤倉ゴム工業(5121)
2003年3月期の連結決算は、経常利益が14億円と前期比2.7倍に増えた。シーリング
材などの自動車部品が好調だった。年間配当は1円増やし8円配とする。売上高は5%
増の239億円。自動車部品のほか、利益率の高いゴルフクラブのシャフトなどのス
ポーツ用品事業も堅調だった。厚生年金基金の代行返上に伴い人件費が3億円減少し
たことなどで、営業利益は16億円と4.7倍に増えた。純利益は代行返上益の計上で
3.2倍増の12億円。
2004年3月期の経常利益は前期比1割増の16億円、売上高は2%増の245億円を見込む。


◆A&AM(5391)
2003年3月期連結決算は、最終損益が11億円の赤字(前期は66億円の赤字)。主力の建
材の落ち込みを販管費を中心としたコスト削減で補ったが、銀行株の評価損などが
膨らんだ。売上高は8%減の605億円。主力の建築関連事業は新設住宅着工戸数の減少
が響いて価格、数量ともに落ち込んだ。経常損益は2億7900万円の黒字(前期は24億
円の赤字)。
2004年3月期は連結売上高が前期比9%減の550億円、経常利益は61%増の4億5000万円
になる見通し。建築需要の落ち込みが響くが引き続き固定費の削減を進める。最終
損益は2億5000万円の黒字を見込む。


◆新日本製鉄(5401)
独ワッカーケミーは、新日本製鉄との合弁会社でシリコンウエハーの製造販売を手
がける、ワッカー・エヌエスシーイー(WNC)を9月30日までに完全子会社化すると
発表。ワッカーケミーはWNCの完全子会社化で、海外主力製品の生産ラインを
WNCの工場に集約、生産効率を高める。WNCへの新日鉄の出資比率は45%。ワッ
カーケミーが新日鉄から45%の株式を買い取る。買収価格は公表していない。完全子
会社化に伴い、WNCは光工場の6インチウエハーの生産ラインを来年半ば他工場に
移す。また、マレーシア工場は今年内をめどに主力製品である8インチウエハーの生
産ラインを光工場に移す。


◆旭テック(5606)
リップルウッド・HDは、TOBにより、自動車部品を手がける旭テックへの持ち
株比率が48.48%に達したと発表。応募株式の総数が買い付け予定株式の総数を366万
株上回ったが、超過予定の株式数の範囲内であったため、応募のあった全株を買い
付ける。買い付けに必要な資金は約42億円。


◆志村化工(5721)
28日午後に予定していた2003年3月期の決算発表を29日午後に延期すると発表。監査
法人と特許権の償却方法を巡って調整が遅れている。志村化工は2002年3月期まで四
期連続で連結最終赤字。投資組合から出資を仰ぎ経営再建を急いでいる。2003年3月
期の連結業績も1日に同社が公表した業績予想によると、売上高が23億円、最終損益
が23億円の赤字。新たに立ち上げを目指す微粒子事業の特許権約35億円について従
来は15年の均等償却を計画していたが、事業化が遅れ、監査法人から一括償却を求
められている。


◆川田工業(5931)
2003年3月期連結決算は、経常利益が前期の2.5倍の22億円。不採算の鉄骨事業を絞
り込んだことで完成工事総利益率が3ポイント近く上昇。株式評価損など合計9億円
の特別損失を計上し、最終損益は5700万円の黒字(前期は15億円の赤字)。売上高は
1129億円と12%減少。橋りょう、鉄骨工事ともに受注単価の落ち込みが続いているう
え、採算重視で案件を選別した。営業利益は43億円で95%増えた。


◆不二サッシ(5940)
ビルのリニューアル工事向けの営業を強化。首都圏だけに置いていた専門子会社の
営業拠点を大阪と名古屋にも開設。中古ビルオーナーや建設会社に、ガラスを多用
したカーテンウオールと呼ばれる外壁などの設置工事を売り込む。2004年3月期のリ
ニューアル事業の売上高を前期比1割増の44億円に伸ばす考え。


◆三井海洋開発(6269)
7月2日付で市場2部へ上場。上場に際し、公募330万株、売出し320万株を実施。


◆鉱研工業(6297)
2003年3月期連結決算は、最終損益が9200万円の黒字(前期は10億3400万円の赤字)に
転換した。人件費の削減で販管費比率を前期比3.3ポイント改善。与信管理を徹底し、
貸倒引当金が減少。三期ぶりに1.5円を復配する。売上高は6%減の85億5000万円。公
共事業や民間工事需要の低迷でボーリング機器は5%減。工事施工は8%減った。温
泉・地下水掘削を新規に受注したが、売り上げ計上が今期にずれ込んだ。


◆東芝(6502)
中国・江蘇省で計画していた半導体組み立て・検査工場の能力増強を当面見送るこ
とを決めた。SARSの影響で技術者の派遣などが難しくなっているため。製品の
不足分は福岡県の生産子会社の能力を増強して補う。対象の工場は江蘇省無錫市の
全額出資子会社、東芝半導体。2004年までに約50億円を投じ、家電の制御に使う汎
用マイコンなどの月産能力を300万個から3000万個まで十倍に増強する計画だった。
当面、無錫での能力増強が難しくなったため、今年度に計画していた増産分は後工
程子会社の東芝エルエスアイ・パッケージソリューションが担当。SARS禍が終
息し次第、いったん東芝エルエスアイで稼働させた設備を移設するなどして能力増
強を再開する意向だ。ただ現地の半導体需要は今後も堅調が見込めるため、東芝半
導体の中長期的な増強計画自体は変更しない。


◆三菱化工機(6331)
2003年3月期の連結決算は売上高が426億2500万円(前期比10.1%増)、経常利益が4億
4000万円(前期は13億6400万円の赤字)、当期純利益が4700万円(同10億2300万円の赤
字)。海外大型工事の売上が寄与して2ケタ増収となり、利益も黒字転換した。2004
年3月期は売上高が385億円(前期比9.7%減)、経常利益6億4000万円(同45.5%増)、当
期純利益も3億2000万円(同6.8倍)と減収増益を見込む。


◆ヤマダコーポレーション(6392)
2003年3月期の連結決算は売上高が74億6200万円(前期比9.2%増)、経常利益が2億
6100万円(前期は8200万円の赤字)、当期純利益が1億3600万円(同2億3100万円の赤
字)。国内の環境整備機器などの売上が大きく伸び、損益も黒字転換した。2004年3
月期は売上高が73億5000万円(前期比1.5%減)、経常利益1億7000万円(同34.9%減)、
当期純利益も1億1000万円(同19.1%減)を見込む。


◆東芝(6502)
東北地方で26日夕発生した地震による影響で、半導体製造子会社の「岩手東芝エレ
クトロニクス」(岩手県北上市)の操業を地震発生直後から停止していることを明ら
かにした。半導体製造装置の位置ずれなどが起きたため、影響の確認や点検作業を
続けている。操業再開の時期は未定。


◆三菱電機(6503)
DVDの次の世代の大容量光ディスク開発で、ソニーや松下電器産業などが提唱す
る「ブルーレイ・ディスク(BD)」を採用すると発表。次世代ディスクに関しては
BDのほか、別規格を提唱する東芝など二陣営が競っている。2005年にもBDレ
コーダーを発売する計画。BDはソニー、松下のほか日立製作所やパイオニア、サ
ムスン電子など日欧韓の電機大手が共同で規格をまとめた。三菱電機の参加でBD
陣営は計10社になる。BDレコーダーはソニーが4月に世界で初めて商品化している。


◆三菱電機(6503)
電機メーカー各社が規格をめぐって2陣営に分裂している次世代光大容量ディスクに
関して、ソニー(6758)、フィリップス、サムスン電子など日欧韓の9社連合が提唱し
ている「ブルーレイディスク」陣営に参画することを決定したと発表。


◆三菱電機(6503)
三菱電機コントロールソフトウエアは、災害などの告知放送の受信とIP電話の両
機能を持つシステム端末「TELEVOICE」を6月1日から発売すると発表。


◆オムロン(6645)
強い光や逆光、夜間の薄明かりでも歩行者などを認識できる高感度カメラを開発、
10月から販売。カメラに搭載したセンサーが感知できる光の明暗差を従来製品に比
べ10万倍と世界最高レベルに高めた。高感度カメラに搭載した新型センサーはデジ
タルカメラ用でCMOSを採用。絞りやシャッタースピードの調整なしで、照度
0.001ルクスから50万ルクスまでの明るさの撮影に対応できる。10月にサンプル出荷
を開始。


◆NEC(6701)
リナックスを搭載した複数のIAサーバーをネットワークで接続し、高速な並列計
算を可能とする並列リナックスクラスタシステム「エクスプレス5800/パラレル
PC-クラスター」の管理・運用効率を高めるためのミドルウエア「ハイパークラス
ターエンジン」を製品化したと発表。6月13日から出荷を始める。


◆NEC(6701)
NECエレクトロニクスと、新製法を採用した超薄型微細配線基板と、この基板を
使った半導体パッケージを開発したと発表。基板の厚さを従来の3分1に抑えること
ができ、携帯電話などモバイル機器の高性能化などに役立つ。


◆NEC(6701)
グループの環境ガバナンスを強化すると発表。環境に関する目標やデータを共有す
る環境ガバナンスの対象に、連結対象子会社58社を追加し、184社に拡大。さらに、
国内外の生産子会社を中心とする約100社のグループ会社に、データ管理や情報開示
のノウハウをもつ「環境リスクマネジャー」を置き、リスク管理を強化。


◆富士通(6702)
アドバンテスト(6857)の大浦溥会長(69)が取締役につく人事を発表。大浦会長は富
士通の元常務を務め同社のビジネスに精通しているのに加え、アドテストでの経営
実績も評価された。


◆D&M(6735)
2003年3月期連結決算は、経常利益が31億円。日本マランツとデノンの共同持ち株会
社として昨年5月に設立したため前期との比較はできないが、昨年6月時点の会社側
予想を7億円強上回った。売上高は805億円と昨年6月予想を33億円下回った。営業利
益は35億円。営業所の統廃合や国内工場の集約などの合理化を実施。コスト削減効
果は当初計画を4億円上回る8億円になった。
2004年3月期は連結売上高が984億円と22%増える見込み。今年5月に買収が完了した
高級オーディオメーカーの売り上げが上乗せされるほか、ホームシアター製品の好
調で既存ブランドのオーディオも2%伸びる。買収にともなうのれん代などがかさみ、
連結経常利益は29億円と6%減る見込み。


◆ソニー(6758)
世界規模での生産体制見直しなどを盛り込んだ経営方針を発表。デジタル機器の中
核・基幹部品の生産集約で量産効果によるコスト競争力を高め、技術革新や市場の
変化に柔軟に対応できるようにする。主力の電機部門はリストラでの利益ねん出に
頼る傾向が強いが、部品の競争力強化で商品の利益率を高める。さらに事業分野ご
とに財務責任者を配置しコスト管理を徹底、創業60周年にあたる2007年3月期の連結
営業利益率は10%以上(現在4%程度)を目指す。
ソニーは前期決算の発表時に、今後3年間で3000億円を投入し電機部門を中心に改革
を進めると公表済み。都内で記者会見した安藤国威社長は3年間の改革は「営業利益
率を3%改善させる効果がある」との見通しを語った。
今期はこの3000億円のうち1400億円を主に電機部門の構造改革にあてる。デフレ下
の減収や改革費用の計上で、2004年3月期の連結純利益は前期比57%減の500億円にな
る見通し。一連の改革は部品の工場再編が柱となるようで、2005年3月期以降は750
億円程度のコスト削減効果を見込む。商品力の見直しでは、苦戦するパソコン「バ
イオ」全機種にDVDを搭載するほか、年末商戦に向けDVDレコーダーの商品構
成を拡充する。
ゲーム機PS2の次世代機とも言えるゲーム機とエレクトロニクス機の融合機
「PSX」を披露。国内では年内、欧米では来年にも発売する計画。PSXの特徴
はPS2に搭載したDVDの再生機能に加え録画機能もつけたほか、テレビとBS放
送チューナーを内蔵した点。さらにソニーの記録媒体「メモリースティック」も使
用できるようにした。
薄型テレビに搭載する有機ELについて「自社での積極的な投資が必要だ」と述べ、
液晶パネルへの投資を検討することを打ち出した。ソニーは薄型テレビの主要部品
であるプラズマパネルと液晶パネルを外部調達している。「これまで有機ELの自
社開発はあり得ないと言っていたが、ポリシーを変える」と語り、液晶パネルの自
社開発に前向きな姿勢を示した。プラズマテレビに搭載するプラズマパネルは従来
通り、外部調達を続ける方針。市場が伸びているプラズマテレビと液晶テレビは、
2004年3月期までに24モデルに拡充する。
ソニー生命保険と、オランダのエイゴンとの資本提携交渉が決裂した。対日進出を
目指すエイゴンは、ソニー生命株の半数を取得する方向で昨年夏からソニーと交渉
を進めてきたが、その後の世界的な株価低迷を受け、取得資金の捻出が困難となっ
たため。エイゴンを含む外資系金融機関の投資余力も、株安のため総じて低下して
おり、ソニーは外資との提携交渉自体を凍結する。今回の提携失敗は、金融事業を
縮小し、不振のエレクトロニクス事業立て直しを核とした本業回帰で業績改善を図
ろうとするソニーの戦略に、影響を与えそう。


◆三洋電機(6764)
今月末から中国の大手家電メーカー、ハイアール集団に携帯電話をOEM供給する。
ハイアールへの本格的なOEM供給は2002年1月に両社が包括提携して以来初めて。
三洋電機がチャイナユニコム向けに三洋ブランドの携帯電話を生産する中国・天津
の工場でハイアールブランド向けも生産。両ブランド合わせた当初の月産台数は15
万台程度を計画している。三洋とハイアールは今年3月、提携後初の共同開発製品と
なるカーナビゲーションを、ハイアールのブランドで試験的に中国で売り出した。
ただ現在までの販売台数は50台程度にとどまっており、生産面での提携戦略は今回
のOEM供給で本格的に動き出すことになる。SARSの影響で一部計画に遅れも
出ているもようだが、現地での販売統括会社設立など同社製品の拡販に向けた具体
策を打ち出す考え。


◆石川島播磨重工業(7013)
米国で自動車用プレス機械事業を強化。伊藤忠商事(8001)グループと共同出資し、
今夏にも米国でプレス機械の修理や部品製造を手掛ける新会社を設立。米エンプロ
テックと共同出資で新会社を設立。出資比率は調整中だが、伊藤忠側が過半を占め
る見込み。石播は自動車のボディーをプレスできる大型機が主力。米GMや日系企
業への納入実績は多いが、ダイムラークライスラーやフォード・モーターへの売り
込みは苦戦していた。伊藤忠と組んで営業やサービス体制を充実させ、設備更新時
の大型受注獲得を狙う。石播のプレス機械事業の売上高は米国市場で年間40億-50億
円程度。補修事業などによる売上高を来年には現在の約二倍の年間10億円程度まで
拡大。
同時に石播は7月をメドにアトランタにもプレス事業の営業・サービス拠点を開設。
現在はミシガン州デトロイトだけだが、自動車メーカー各社が米国南部に生産ライ
ンを増設しているため、同地域でも販売を強化。中小型プレス機械は韓国や欧州
メーカーなどの販売競争激化で採算が悪化しており、石播など日本勢やドイツメー
カーは大型プレス機械に注力している。


◆日産自動車(7201)
米ミシシッピ州に新設した完成車工場でミニバン「クエスト」の生産を開始した。
同工場の生産能力は年産25万台でスタート。拡張工事が完成する来年春には同40万
台となり、日産の北米生産能力は年間130万台と44%拡大、先行するトヨタ自動車や
ホンダの現水準に匹敵する規模。
カルロス・ゴーン社長は、北米での新たな大型投資の可能性に言及した。世界的な
デフレ傾向を背景に国内・海外需要が伸び悩む中で、強気の発言に秘められた真意
は何か。報道関係者や政府高官など700人を集めた同工場開所式での発言をはじめ、
米国での「ゴーン語録」から日産の最新の世界戦略を占った。


◆ヤマハ発動機(7272)
30日に予定していた台湾製スクーター「シグナスX」の新モデルの発売を7月20日に
延期すると発表。台湾企業との合弁工場で生産しているが、一部の部品に不具合が
発覚。原因究明に時間がかかった上、新型肺炎発生後の台湾出張禁止で確認作業も
手間取り、発売が2カ月近く遅れることになった。ヤマハモーター台湾製。ヤマハ発
は「発売延期は純粋に技術的な問題だが、SARSで出張が制限されているため、
対策がやや遅れた面もある」と説明。


◆ワタミフードサービス(7522)
2003年3月期の連結決算は売上高が506億4000万円(前期比18.5%増)、経常利益が30億
400万円(同20.5%減)、当期純利益が13億7300万円(同21.2%減)。主力業態の「和民」
を中心に83店の新規出店(閉店は3店)を行った効果で売上高は伸びたが、競争激化や
デフレ傾向を背景にした個人消費の低迷などが響いて利益は前期の実績を大きく下
回った。
2004年3月期は売上高が640億円(前期比26.4%増)、経常利益42億円(同39.8%増)、当
期純利益も19億円(同38.4%増)と大幅増収増益を見込む。


◆PCデポ(7618)
2004年3月期は連結経常利益が前期推定比16%増の8億5000万円程度となる見通し。連
結売上高は12%増の約420億円となる見通し。今期は大型店を中心に五店舗程度の新
規出店を計画。不採算の小型店を約六店舗閉鎖するが、大型店へのシフトが寄与し
て全体の売り場面積は拡大。ブロードバンド通信の普及を追い風に、インターネッ
ト接続加入の取次業務などに伴うサービス手数料が大きく伸びる。パソコン販売も
自社企画製品や中古品の拡販を進め、横ばいを維持する。引き続き人件費などのコ
スト抑制も徹底。売上高総利益率は17.5%程度と、前期推定比で1ポイント弱向上す
る見通し。


◆国際計測器(7722)
2003年3月期連結決算は、経常利益が前期比44%減の3億7600万円。主力のタイヤ用装
置の現地生産を始めた米子会社が、技術者など人件費負担の増加で営業赤字となっ
たのが響いた。売上高は13%増の54億6200万円。タイヤ用装置は27億7600万円と57%
伸びた。中国生産を進める台湾や韓国のタイヤメーカー向けが好調だった。最終利
益は48%減の1億7000万円。業容拡大に伴って米国と中国で人員を増強、販管費が16
億5800万円と36%増えた。為替差損や新株発行費で1億7000万円を営業外費用に計上。
今期の連結経常利益は前期比91%増の7億2000万円を見込む。タイヤ用装置でゼネラ
ルモーターズから約5億円を受注するなど米子会社が軌道に乗るほか、中国と韓国で
も現地生産を本格化する。人件費の安い海外での生産拡大で収益力を高める。


◆キヤノン(7751)
インターネットデータセンターの運用管理業務に対し、日本情報処理開発協会
(JIPDEC)が実施している「情報セキュリティマネジメントシステム
(ISMS)適合性評価制度」の認証を取得したと発表。


◆伊藤忠商事(8001)
国際環境保護団体の世界自然保護基金(WWF)と組み、伊藤忠が扱う有機栽培綿で
作った製品をWWFブランドで販売。日本法人のWWFジャパンと契約、有機栽培
綿糸を納入する寝具・衣料メーカーの製品にWWFのマークを付けて共通ブランド
製品として売り出す。第一弾として8月に寝具メーカーの西川産業がシーツやタオル
などを発売。今後は下着などの衣料品メーカーとも組む。有機栽培綿は農薬や化学
肥料を3年間使わなかった農園で栽培した綿。伊藤忠はこのほどインドで栽培・紡績
した有機栽培綿糸の輸入を開始。環境保護意識の強い個人などへの拡販策の一環と
してWWFブランドを付けることにした。初年度200t、3年後に500tの取り扱いを
目指す。


◆蝶理(8014)
6月に退任する東浦利夫社長や中村久雄会長ら役員と監査役計10人への退職慰労金支
払いを見送る。東レや旭化成、みずほコーポレート銀行など3行から300億円の金融
支援を受けることになったため、株主などへの責任を明確にする。東浦社長らは6月
27日の株主総会で承認後、退任。退職慰労金については通常、株主総会の議案にな
るが、今回は付議しない方針。
2003年3月期の連結最終損益は49億円の赤字(前期は18億円の黒字)。事業構造改善費
など約276億円を特別損失に計上したが、債務免除益約200億円などを特別利益に計
上。


◆住友商事(8053)
糖鎖を専門に研究開発するバイオベンチャー企業を設立。東京大学の入村達郎教授
ら二教授の研究成果の事業化を目的とし、2人の教授は国家公務員のまま兼務で取締
役に就任。産学連携でポストゲノム研究の重要テーマである糖鎖の解明を総合的に
進める。設立したのはサミット・グライコリサーチ。資本金2000万円で住商グルー
プが全額出資した。3-4年後には株式の上場を目指す。糖鎖は細胞表面に付着する糖
が連なったもので、細胞間の情報伝達や免疫システムに関与している。ウイルス性
の病気などでも一定の役割を果たしているとされ、解明によって新たな治療薬の開
発などが期待される。


◆キヤノン販売(8060)
2003年12月期連結決算の6月中間期最終利益を期初予想の32億円から10億円に下方修
正すると発表。(1)外形標準課税導入に伴う繰延税金資産分12億円(2)子会社キヤノ
ン・エヌ・ティー・シー株式のキヤノンへの売却益が予想を下回った分16億円-がマ
イナス要因。一方で、6億円の増収があった。親会社であるキヤノンの連結業績への
影響は「軽微」で、キヤノンの業績予想は修正しない。


◆鈴丹(8193)
29日に開催する株主総会で定款を変更し、議決権のない種類株の発行枠の新設を提
案する。取締役会で決議すれば強制的に普通株に転換できるとの項目も盛り込む方
針。商法改正に対応し、資本調達の選択肢を増やす。定時総会であらかじめ発行枠
を設ける例は珍しく、今後導入企業が増える可能性がある。2003年2月期末の発行済
み株式数は4486万株あまり。議案によると、まず授権資本枠を1億7900万株と現行(1
億3000万株)から拡大することを提案。そのなかに、2つの型の種類株の発行枠(合計
で1000万株)を設ける。配当は払込額の10%を上限に取締役会で決定する。普通株の
株主に優先して年間配当を受け取れる優先株タイプ。議決権のない種類株は株数を
増やしても既存の株主が保有する議決権の持ち分が変わらない。既存株主からは
「普通株に転換されれば1株利益が薄まる」との声が出ている。「現時点では具体的
な発行計画はない」。


◆日本信販(8583)
通信販売専用サイト「moog」と、ドコモ(9437)が6月2日から開始する「iモー
ド」の新サービスを接続させ、通信販売の申し込みを簡略化させる。iモードに接
続して「iメニュー」「マイボックス」「moog」の順にボタンを押せば、購入
の申し込みと代金支払いの手続きが完了する。


◆アドバンスクリエイト(8798)
2003年3月中間期の単独決算は、経常損益が1億5300万円の赤字(前年同期は1億4100
万円の赤字)。新規契約の大幅増を狙い、毎期上半期に集中投入する広告宣伝費を積
み増したのが主因。配布するチラシやダイレクトメールなど、広告宣伝費及び通信
費の総額は、前年同期の1.9倍の5億2800万円になった。
売上高は前年同期比92%増の6億7700万円。最終損益は9100万円の赤字(同8200万円の
赤字)。
2002年6月の広告事業の分社で導入した連結決算は、売上高が14億600万円。子会社
の広告代理店事業が伸びた。経常損益は1億4000万円の赤字、最終損益は8200万円の
赤字。
2003年9月期通期は単独で売上高16億円(前期比75%増)、経常利益は3億円(同3.7倍)、
最終利益は1億7000万円(同3.8倍)の見通し。上期の広告宣伝効果による保険契約増
を見込む。


◆東武鉄道(9001)
2003年3月期連結決算は、最終損益が105億円の黒字(前期は711億円の赤字)。過去最
高益を更新し、年間配当を5円に復配する。2004年3月期は鉄道の旅客収入の落ち込
みに加え、減価償却の方法変更が約100億円の減益要因となり、連結純利益は前期比
29%減の75億円となる見通し。前期の連結売上高は前期比微増の6855億円。主力の鉄
道は定期旅客を中心に旅客収入が1.3%減った。連結営業利益は前期比13%増の538億
円。バス事業の分社化で人件費を削減、運輸事業全体の営業利益が364億円と50億円
近く増えた。不動産事業も10億円強の増益となった。有利子負債の削減と金利低下
で支払い利息が34億円減り、連結経常利益は40%増の338億円と営業利益の伸びを上
回った。
今期の連結業績は売上高が2%減の6740億円、営業利益は35%減の352億円、経常利益
は43%減の190億円を見込む。鉄道の旅客収入が0.9%減ると予想しているうえ、前期
好調だったマンション販売に反動が出る。さらに有形固定資産減価償却の定額法か
ら定率法への変更が、交通事業を中心に約100億円の減益要因。


◆阪急電鉄(9042)
03年3月期連結決算は、保有土地の評価損などで特別損失が1851億円にふくらみ、最
終(当期)損益は893億円の赤字となり、過去最悪だった。これを受け、6月27日に退
任する小林公平会長や菅井基裕取締役相談役ら取締役・監査役計6人の退職慰労金を
返上する。


◆阪神電気鉄道(9043)
2004年3月期の連結売上高が前期比3%増の2970億円となる見通しを発表。鉄道収入は
景気低迷で減少するが、阪神タイガースがセリーグ首位を独走しており、甲子園球
場の入場者増や関連グッズの売り上げ拡大などタイガース頼みの増収を見込む。甲
子園球場の入場者数は1985年の優勝時と並ぶ3%増の250万人を想定している。球場へ
訪れる観客の鉄道運賃やグッズの販売など、タイガース関連の売上高は5%増の168億
円を見込む。今春、兵庫県西宮市に開業した商業施設の売り上げも加わる。ただし、
経常利益は不動産部門の利益減などが響き20%減の96億円の見通し。
2003年3月期もタイガースが序盤に好調だったため、タイガース関連の売上高は24%
増えたが、鉄道収入の落ち込みなどで連結売上高は前期比1%減の2871億円。建設業
部門で人件費を削減し経常利益は11%増の119億円。閉園した遊園地の整理損や販売
土地評価損などで86億円の特別損失を計上し、純利益は5%増の36億円。


◆JAL(9205)
日本航空は、5月の国際線旅客数が前年同月比でほぼ半減する見通しを明らかにした。
単月の減少幅は湾岸戦争直後の32%、米同時テロ直後の41%を上回る。今後の動向次
第では業績への影響が強まりそう。日航はJALグループの国際線旅客輸送規模の
約85%を占める。同社によると、昨年5月の国際線旅客数百2万人に対し、今年5月は
実績見込みで50%近く減るも。特に中国路線が前年比で7割以上減っているほか、東
南アジア路線が5割以上減、ハワイも4割強減っている。6月の全体の予測も前年同月
比で4割弱減るとみている。SARSは中国の一部で拡大が一段落し、旅行各社もツ
アーを再開するなど最悪期は脱したとの見方が多い。ただ、湾岸戦争時は旅客数が
前年比プラスに転じるまで9カ月、米同時テロでは約1年かかった。


◆光通信(9435)
2003年3月期の連結経常利益は34億円となり、前期(7カ月の変則決算)の赤字(15億
円)から黒字に転換した。持ち分法投資損失などで営業外費用が3割増えたが、法人
向け事務機器販売の拡大と携帯電話販売事業のリストラが奏功。最終赤字も79億円
と82億円改善。前期の連結売上高は、前期比75%増の1241億円。中小企業向けの複写
機や業務用電話の販売事業は拠点や人員の増強で売り上げが三倍に拡大。携帯事業
も昨年11月から販売台数が前年同期実績を上回り始め、58%の増収となった。携帯事
業の営業利益は67億円と2.7倍に増えた。販売子会社を2001年12月末の22社から9社
に集約。採算性を重視した出店戦略に切り替え、平均販売台数が2年前の三倍以上に
増えた効果が表れた。ベンチャー投資事業での投資有価証券評価損や投資損失引当
金、店舗整理損などで134億円の特別損失を計上。最終損益は79億円の赤字となった。
2004年3月期は法人向け事務機器販売の好調継続で経常利益は2.4倍の80億円、売上
高は2割増の1500億円を見込む。ベンチャー投資事業ではなお30億円程度の損失発生
が見込まれるが、最終損益は40億円の黒字に転換する見込み。


◆ドコモ(9437)
FOMAの新機種「N2051」と「P2102V」の2機種にソフトウエア上の不具合があ
ることを明らかにした。電卓で1億、10億といったゼロが8個以上並ぶ数字の割り算
などで間違った結果が出る。通話など基本的な機能に支障はないが、利用者から申
し出があれば新品と無償交換する。ドコモによると、原因とみられるソフトは
NECが松下に供給していた。N2051は1月、P2102Vは3月発売。フォーマの利用
者約40万人のうち半分程度はこの2機種のどちらかを利用しているとみられる。通信
や電話番号などの個人情報管理といった機能に問題はなく発熱などの障害もないと
して、不具合の事実を公表していなかった。


◆ドコモ(9437)
第4世代携帯電話システム(4G)の屋外実験を開始すると発表。きょう付で伝送実験
用無線局の予備免許を取得、神奈川県横須賀市で実験を始める。下りはVSF─
OFCDM方式、上りはVSF─CDMA方式を用いて検証する。昨年、室内試験
で、下り毎秒100MBit、上り同20MBitの信号伝送に成功している。4Gシス
テムを巡っては、その実用化に向けて、国際電気通信連合無線通信部門(ITU─
R)でも検討が進んでいる。


◆東京電力(9501)
福島第二原発3号機の制御棒1本に、ひびを発見したと発表。安全性などに問題はな
い。


◆松竹(9601)
今年2月、全国650カ所の松竹・日本ヘラルド映画系映画館でロードショー公開され
た話題のファンタジー映画「ロード・オブ・ザ・リング/2つの塔」の興行収入は、
会社目標の3分の2にとどまるも。松竹の映像本部映像企画・映画部門担当取締役、
久松猛朗氏は、同映画の興行成績について「期待していたほどではなかった。日本
の映画ファンには格闘シーンが多過ぎたのかもしれない」と語った。この映画は、
米娯楽・メディア大手のAOLタイム・ワーナーが制作した。久松氏は、シリーズ2
作目となる「2つの塔」の国内興行収入が約80億円にとどまるもようと述べた。会社
は当初、120億-150億円を目標にしていた。シリーズ1作目の興行収入は約90億円。


◆東映(9605)
2003年3月期連結決算を発表。純利益は17億円と前期比88%増えた。昨年4月に完成し
た賃貸ビルの持ち分の一部を売却し、不動産部門の利益が拡大し、販売用不動産の
評価損などを吸収した。特別損失は40億円で26%膨らんだ。価格が50%以上下落した
土地について、11億円の評価損を計上。ビデオの取引先の経営悪化に対応し貸倒引
当金を積んだ。売上高は1202億円と3%増えた。観光不動産部門は30%の増収。シネマ
コンプレックスを増設する一方で、老朽化した映画館の閉鎖・取り壊しを加速した
ため。経常利益は41%増の90億円。広告の落ち込みでテレビ朝日が減益となり、持ち
分法投資利益が68%減った。借り入れ返済で金融収支の赤字幅は縮小した。
2004年3月期の売上高は2%減の1180億円、純利益は5%増の18億円を見込む。不動産は
前期のような大型案件の売却益が見込めない。米景気の減速で、海外での版権事業
も落ち込むとみている。


◆NTTデータ(9613)
米ジオデティックス社、ジオデティックスの日本総代理店ジオサーフの3社は、
GPSを活用して瞬時に高精度の位置測定が可能なシステムを国内で開発・販売す
ることで提携したと発表。


◆国際システム(9687)
2003年3月期連結決算は経常利益が前期比5.8倍の3億4500万円になった。携帯端末の
ソフト開発受注の拡大に加え、不採算部門の廃止による利益率改善が寄与。売上高
は2%減の84億7000万円。主力のシステム開発部門の売り上げは競争激化による単価
下落が響き7%減。首都圏の事務所の統廃合や管理部門の組織を見直し、販管費は1割
圧縮。売上高総利益率は17.3%と2.3ポイント改善。
今期の経常利益は前期比10%増の3億8000万円、売上高は2%増の86億4000万円になる
見通し。


◆イノテック(9880)
同社独自の撮像半導体「VMIS」を富士通にライセンスすると発表。カメラ付き
の携帯電話向けなどに開発したVMISは、CCD並みの高画質とCMOS並みの
低消費電力を実現したもので、イノテックでは基本特許を国内外で取得している。





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■竹中平蔵経済財政・金融担当相経済財政諮問会議に、今後の経済政策運営の基軸
となる「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(骨太の方針第3弾)の「目
次案」を提出した。目次案には構造改革強化のために取り組むべき「7つの宣言」を
明示、6月末に向けて具体的な内容を詰める。目次案は、「日本経済の課題」「7つ
の宣言への具体的な取り組み」「2004年度経済財政運営と予算の在り方」の3部で構
成。このうち「7つの宣言」は、
1)規制改革・構造改革特区、
2)税制改革、
3)雇用・教育、
4)社会保障制度改革、
5)”国と地方”の在り方、
6)資金の流れ、
7)予算編成
プロセスを挙げている。
竹中経財・金融相は会議終了後の記者会見で、目次案について「内閣の政策目標を
より明確に掲げて、その実現に向けていく」と述べた。



■大手銀行グループは、2003年度中に合計3兆4000億円程度の持ち合い株式を売却す
る方針。大手銀行は、保有株の残高を04年9月末までに、中核的な自己資本を下回る
水準まで減らすことが義務付けられている。既に4グループがほぼ目標を達成したが、
各グループはさらに保有株の削減を図り、経営と、株価の変動に伴うリスクの切り
離しを急ぐ。



■りそなHD(8308)
実質国有化をめぐる問題で、朝日監査法人が4月に、りそな銀行の繰り延べ税金資産
を「全額否認」、資産ゼロと認定していたことが28日、同法人の内部文書で明らか
になった。この判断に従うとりそな銀は債務超過の可能性があった。朝日監査法人
はりそな銀に統合された旧あさひ銀の監査をしており、旧大和銀の監査をしていた
新日本監査法人と共同でりそな銀の監査をする予定で予備調査をしていた。しかし、
否認を決めた直後に監査を辞退している。
文書は、朝日監査法人の理事長名で書かれ、りそなの実質国有化が決まった直後の
今月20日付になる。文書では、りそなから新日本との共同監査の依頼を受け、3月中
旬から4月下旬に調査を実施。「繰り延べ税金資産の情報を入手し、検討を重ねたが、
最終的に4月22日の当法人本部審査会で全額否認する決定をした」と明記される。
さらに、「同日、りそな銀と新日本に全額否認を説明し、最終的には4月30日に監査
の辞退を正式に伝えた」と監査を辞めた経緯を明らかにしている。朝日監査法人は、
財務内容が悪化している場合、繰り延べ税金資産の計上を認めないとの監査指針を
念頭に置いたとみられる。
ただ、その後、新日本監査法人が単独でりそな銀の監査を行い、繰り延べ税金資産
を従来の6割程度認め、今月26日に発表した03年3月期決算では、繰り延べ税金資産
4011億円を自己資本に計上。自己資本比率は2・07%と国内行の健全基準の4%を下
回ったが0%は上回った。このため政府は、りそな銀は債務超過ではなく資本不足と
認定、2兆円超の公的資金の再投入を決めた。
りそな銀の貸借対照表での資本は850億円で、朝日監査法人の指摘通り繰り延べ税金
資産を認めないと債務超過となり、自己資本比率もマイナスになる可能性がある。
「自己資本比率はマイナス0・7%」との外資系証券の試算もある。
内部文書について朝日監査法人は、「内部向けの文書で、内容についてはコメント
できない」と説明。りそなHDも「朝日とは監査契約しておらずコメントは難し
い」と言及を避けた。28日の衆院予算委員会で竹中平蔵金融・経済財政担当相は、
「繰り延べ税金資産がなければどうなるという議論は意味ない。正式に契約した監
査法人が時間をかけて出した結果が問題だ」と述べ、新日本の判断に問題はないと
の見方を示した。



■28日付の英紙フィナンシャル・タイムズは、時価総額に基づく2003年の世界500社
番付を掲載した。首位は米ソフトウエア大手のマイクロソフトで、上位7位までが米
企業。日本企業ではドコモの19位が最高だった。マイクロソフトの時価総額は2640
億ドル(31兆1500億円)で、米電機大手ゼネラル・エレクトリックを抜いて3年ぶりに
首位に返り咲いた。ドコモは1011億ドル(11兆9000億円)で、前年の14位から順位を
落とした。ドコモ以外で上位100位以内に入った日本企業は、トヨタが26位(前年28
位)、武田薬品工業が84位(110位)、ソニーが85位(75位)、NTTが93位(55位)、キ
ヤノンが95位(135位)。21位の米投資持ち株会社バークシャー・ハサウェーまでが時
価総額1000億ドルを突破。順位を上げた企業の中では、米ケーブルテレビ大手コム
キャストが前年の150位から40位に躍進したのが目立った。(



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  └───┘         発行:日本経済新聞社 出版局[2002-00-00]
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