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タイトル:【株式情報局ニュース】 2003/05/26ニュース  2003/05/27


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株式情報局
2003/05/26ニュース

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◆清水建設(1803)
道路や鉄道などを柱でまたぎ、高床式の「空中ビル」を建てる技術を開発し、建築
中の自社の研究所に採用した。同社は「都市インフラの上空を効率的に利用でき
る」と指摘、政府の推進する都市再生にも適した技術として、営業活動を進める。


◆熊谷組(1861)
2003年3月期連結決算は、最終損益が2959億円の赤字(前期は25億円の黒字)。飛島建
設(1805)との統合に備えた財務体質改善のため、保有資産評価損など計2800億円の
特別損失を計上。無配を継続する。前期の連結売上高は前期比29%減の5223億円、営
業利益は49%減の87億円。開発部門も30%の減収で部門営業利益は54%減った。受取利
息などの減少で営業外収支が悪化、経常損益は4億7000万円の赤字(前期は64億円の
黒字)。特別損失がかさみ、前期末に連結株主資本は2728億円のマイナスと債務超過
に転落した。300億円の無償減資や主力行の三井住友銀行などからの計3000億円の金
融支援で、9月末には債務超過を解消する。

すでに発表した通り10月1日付で不振の不動産事業部門を会社分割で本体から切り離
す。建設に特化した新会社の2004年3月期の連結売上高は4000億円、経常利益は10億
円を見込む。債務免除益の計上などで純利益は2850億円になる見通し。

債務超過解消のため、三井住友銀行など主取引銀行3行から計2684億円の債務免除を
受けるほか、8月上旬に300億円の無償減資をした後、9月末に主取引行を対象に同額
の第三者割り当てによる優先株を発行する。これにより、2004年3月期連結最終損益
は債務免除益2684億円を含む2850億円の黒字(前期は2959億200万円の赤字)。

2003年3月期決算短信に、今後1年以内に経営破たんするリスクを示した「ゴーイン
グコンサーン」情報を開示した。

減資・株式併合、2003年8月5日付で現在の資本の額334億1162万6150円を300億7046
万3535円減資、同日付で発行済み株式総数6億6823万2523株について株式5株を1株に
併合。新資本金、33億4116万2615円。新株式数、1億3364万6504株。払込日9月30日
予定。


◆宝HD(2531)
タカラバイオは、たんぱく質「レトロネクチン」をエイズの遺伝子治療法の臨床開
発に使うことを許諾するライセンス契約を、米バイオベンチャーのバークシス社と
締結したと発表。タカラバイオがレトロネクチンの商業利用を許諾した企業はイタ
リアのモルメド社に次いで2社目。


◆ジューテック(2682)
同業のヤマキと業務提携したと発表。仕入れをジューテックに一本化、物流拠点な
どを相互に活用することでコストを削減。将来の資本提携も検討。提携に伴い
ジューテックはヤマキへの販売が増える。2004年3月期には70億円程度の増収要因。
ヤマキは首都圏に7カ所の営業拠点を持つ。ジューテックは茨城県内の営業に強みを
持つヤマキと組み、手薄な茨城県の営業をテコ入れする。


◆日本風力開発(2766)
アナリスト向けに決算説明会を開催。前3月期の連結業績は売上高が前々期比3.2倍
の40億6400万円、経常利益は1億7000万円と前々期の200万円の損失から黒字に転換
した。今期は売上高が前期比23%増の50億2400万円、経常利益は同2.9倍の5億円を見
込む。塚脇正幸社長は業績の動向ならびに見通しについて、概略以下のように語っ
た。
「風力発電機は前々期に10基販売し、前期は28基を販売した。発電機は販売から1〜
2年先に運転を開始することになる。今期の業績予想には35基の販売を見込んでいる
が、これは工事の進捗次第で数字がぶれるので、確実な線としてカウントしたもの
だ」「現在、営業運転を行っている発電所はドイツ、千葉屏風ヶ浦、北海道根室、
北九州の5ヶ所(計14基)。今年は秋にも青森県六ヶ所村で1500kWの発電機20基が新
たに稼動を始める。1基につき年間450万kW程度の発電量が見込め、これは売電価
格1kW当たり9円として年間4000万円の売電収入。20基で年間8億円になる計算だ。
売上高の誤差はせいぜいプラスマイナス10%程度だろう。一方、利益も定額償却を行
うため売上高純利益率で10%程度、年8000万円程度の利益が見込める。ただし、この
六ヶ所村の売電収益は今期の業績には加味していない」。


◆加ト吉(2873)
2004年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.6%増の2750億円、営業利益が22.3%増
の136億円、最終利益が41.5%増の68億円の見通し。消費者の低価格ニーズも「底
打ったかなという印象」(加藤義和社長)で、主力の冷凍食品部門が堅調なほか、冷
凍水産品部門が好調。


◆シキボウ(3109)
航空機やロケットの主翼や骨材など複雑な形状に対応する炭素繊維複合材料の製造
技術を開発。大量の炭素繊維を一度に立体縫製するのが特徴で、機体メーカーなど
と共同で4-5年後の量産化を目指す。炭素繊維複合材料はアルミなど金属に比べて3
割程度軽く、航空機やロケットの主要部品の次世代材料として期待される。国内外
の機体メーカーと共同で部品開発に着手した。技術的には数千本の炭素繊維を同時
に制御可能。


◆セントラル硝子(4044)
2004年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比1.7%減の1765億円、経常利益が同
8.7%増の170億円、最終利益が同19.3%増の105億円と、減収増益を見込む。年間配当
は7円と1円増配を予定。


◆リケンテクノス(4220)
新型肺炎の影響で、今月に中国・江蘇省で予定していた食品包装用フィルム製造子
会社の設立を延期すると発表。現地との交渉や連絡が困難になっているためで、子
会社設立と同時に計画していた製造工場の着工も、見通しが立たない状況。


◆応用技術(4356)
2003年10月期末に2500円配当を実施(2002年10月期比据え置き)する。


◆塩野義製薬(4507)
自社開発の抗生物質を海外で販売するため、米国のベンチャー企業、ペニンシュラ
社とライセンス契約を結んだと発表。


◆エーザイ(4523)
血栓溶解剤「クリアクター」について、急性肺塞栓症の効能・効果追加を厚生労働
省に申請したと発表。肺の血管に血栓がつまり、呼吸困難になる肺塞栓に関する医
薬品は「希少疾病用医薬品」に指定されており、スピード審査の対象となる見通し。
来年度中の発売を目指す。


◆藤倉化成(4620)
2003年3月期の連結売上高は13.6%増の334億円、経常利益は28.1%増の21億7800万円。
部門別売上高は、導電性ペーストなどの電子材料分野が21.3%増の49億円、液晶部品
などの合成樹脂が19.5%増の141億円と好調に推移。今2004年3月期の売上高は7.8%増
の360億円、経常利益は23.0%増の26億8000万円を計画している。


◆ヤフー(4689)
「ヤフー・モバイル」で、無料の電話番号検索サービスを始めた。ドコモ、
KDDI、J−フォンの主要3社の携帯電話に対応する番号サービスは日本初。
NTTの電話帳「タウンページ」向けのデータの提供を受けており、全国約1100万
件の企業や店舗、公的機関などを検索できる。


◆BML(4694)
2003年3月期決算は、連結経常利益が前期比47%減の26億円。臨床検査は診療報酬の
改定や競争激化に伴い価格が下落。事業買収に伴うのれん代の償却負担も響いた。
連結売上高は同13%増の627億円。昨年9月に大塚製薬から事業買収したことが約45億
円の増収要因となった。純利益は同54%減の8億円。賃貸用マンションの売却損を特
別損失に計上。
2004年3月期は連結売上高は前期比7%増の670億円、経常利益は同1%増の27億円とな
る見通し。事業買収が売り上げを押し上げるが、検査の単価下落を見込むほか、の
れん代の償却も続く。純利益は2倍の16億円。厚年基金の代行返上益を特別利益に計
上。


◆アドバックス(4749)
第三者割り当て143万株。発行価格45円。払込日6月12日。割当先、小山田壮健氏に
44万株、里見治氏、西村勝氏、土岐隆之氏にいずれも22万株、北尾和彦氏、東正任
氏、京都薬品工業にいずれも11万株。新株式数1515万5000株。


◆CCC(4756)
“第二の創業”を旗印に新たなブランドイメージの構築に乗り出した。レンタル業
をけん引役に2003年3月期の経常益(単体)が過去最高を記録するなどの好業績下で、
一体何が同社を突き動かしているのか。


◆オリコン(4800)
相次ぎ発売雑誌の内容を見直す。子供向けオーディション誌を6月発売から子供向け
のファッション誌に改めるほか、音楽業界向け週刊誌も7月から映画やゲームなどに
内容を広げる。年間売上高が15億円の雑誌事業をてこ入れし部数増を目指す。


◆CIJ(4826)
株式分割6月30日現在の株式1株を1.2株。効力発生日8月20日。配当起算日7月1日。
分割後の新株式数720万株。


◆タイホー工業(4953)
青色の有機ELの高分子発光素子を開発。色の感度を上げるための増感剤が不要で
生産コストの削減につながる。光の度合いは光の波長を単位として表示する。開発
した有機EL素子は分子量が5万の高分子型。低分子型に比べて柔軟性があるため加
工が容易になる。増感剤を使用しなくても単独で使用できる。生産コストを2分の
1-3分の1に引き下げられる。青色有機ELは単独で用いるほか、赤色や白色の輝度
を上げる性質をもつ。このため赤色などに比べて用途が広い。


◆新日鉱HD(5016)
Jエナジーは、ガソリンなど石油製品の6月出荷分の販売店向け卸価格を前月比で据
え置くことを決めた。卸価格の参考となる原油価格が前月とほぼ横ばいで推移した
ため。広報担当の高田正紀氏が同日、明らかにした。6月分の卸価格については、出
光興産も据え置きを決めている。Jエナジーや出光興産は5月の出荷分については1
年5カ月ぶりに、前月に比べ1円の引き下げを決めていた。


◆古河電気工業(5801)、三菱電機(6503)
全額出資子会社、古河インフォメーション・テクノロジーは、インターネットで電
子文書を送受信するサービスを共同で始めたと発表。三菱電機の電子署名技術と、
古河インフォメーションのASPサービスを、組み合わせた。企業の業務システム
に電子文書の作成や電子署名の機能を加える。文書を作成するシステムの構築費用
は700万-1000万円で、ASPサービスの利用料は年間240万円程度から。月数千通規
模の文書を送る企業の導入を見込んでおり、文書を紙で作成・送付するのに比べ費
用は半分から10分の1。


◆帝人製機(6212)
ナブコ(7142)と9月に共同で、持ち株会社ナブテスコを設立する際に帝人機とナブコ
のそれぞれの株主に支払う株式移転交付金を発表。中間配当金に代えて、株式移転
交付金として帝人機株1株に対し2円50銭、ナブコ株1株に対し1円50銭を支払う。9月
30日の持ち株会社設立後、3カ月以内に支払う。また持ち株会社ナブテスコは9月30
日に上場を予定する。


◆ササクラ(6303)
発がん性などが指摘されているVOCを無害な物質に変える装置を開発。超音波と
高熱による処理を組み合わせて、地下水などに含まれるVOCを分解する。従来技
術は完全な無害化が難しく、手間もかかっていた。今年秋にも新装置を発売。


◆千代田化工建設(6366)
千代田ASは宇宙ステーション向けに開発した細胞培養実験ユニットを地上実験用
に販売。臓器や組織を再生して治療する「再生医療」の研究が本格化し、宇宙実験
のために省スペース化、作業の自動化を徹底した同装置への需要が見込めると判断。
NASDAと共同開発した装置で、2006年に打ち上げを予定する国際宇宙ステー
ションの日本実験棟「きぼう」に搭載される。


◆東芝(6502)
携帯メールによるキャンペーンやインターネット経由のクーポン配信などを組み合
わせて企業のマーケティングを支援する事業を29日に始めると発表。セミナーの開
催などを通じて、関心を持ってもらった中小企業を主な対象にして、初年度の契約
件数80件、5億円の売上高を目指す。


◆三菱電機(6503)
9月に住宅の屋根などに設置する太陽光発電システムの生産能力を5割増強。欧州や
北米、中国で導入が加速しているのに対応する。海外向けの拡大で2003年度の同分
野の売上高を前年度比5割増の210億円にする。太陽光発電システム市場は国内での
伸びは鈍化しているが、欧州、北米、中国で需要が急増している。独では余った電
力の買い上げ額を増やすなどの措置で導入が進んでいる。同社やシャープ、京セラ
など国内メーカーの生産量は2002年の約250メガワットから今年は約360メガワット
に急増する見通し。三菱電機は来年以降、生産力をさらに百メガワットに倍増する
ことも検討。


◆NEC(6701)
携帯電話やPDAなどの解像度の低い画面でも、ウェブ画面を簡単、迅速に閲覧で
きる新技術「セマンティック・ズーム機能」を開発したと発表。この技術を使えば、
入手したい情報を従来の約2分の1の時間で探せるようになる。


◆NEC(6701)
中国通信大手の中国新網通と今秋、アジア地域で次世代インターネット網を企業に
提供する事業を始める。同ネット網はIPv6と呼ばれる次世代技術を使い、テレビ
放送のように高精細の動画を一斉配信するのが可能。国際的な次世代ネットの構築
事業は初めてで、まずアジアに拠点を持つ日本企業を中心に需要を開拓。3年後に売
上高50億円を目指す。NECと組むのはアジア・ネットコム・ジャパン。同ネット
上での動画配信速度は最大毎秒六MBit。ハイビジョン放送並みの動画を円滑に
送受信できる。将来はインターネット接続事業者が消費者に動画を配信するための
ネット基盤としても提供する考え。欧米の海底ケーブルともつながっており、全世
界にサービスを広げることも検討。今年3月にグローバル・クロッシング傘下のアジ
ア海底ケーブル会社をソフトバンク系の基金などとともに1億2000万ドルで買収。中
国新網通の出資比率は51%。


◆富士通(6702)
中国合弁会社、常州国光富士通金融電子系統は、中国雲南省から感染症の発生情報
を収集するシステムを受注。病院で専用端末に発生情報を入力、電話回線を通じ省
に即時に発生状況を集める。SARS対策に役立てることができる。雲南省の衛生
防疫情報センターと共同で開発。端末に感染者の名前や発生時刻、病名を入力する
と電話回線を経由して県にいったん情報が集まり、インターネットを通じて省の情
報システムに送られる。雲南省の農村部の2124病院に端末1台ずつを納入する契約を
結び、31日までに納入を終える。受注額は約300万元。


◆クラリオン(6796)
有利子負債を計画以上のペースで削減、すでに2004年3月期末の目標としてきた680
億円に迫る水準まで圧縮している。01年度に債務超過懸念まで浮上した同社だが、
工場の統廃合や人員削減を柱とする大規模な構造改革によって、財務体質の強化を
図ってきた。今後もこうした取り組みを継続し、従業員数は今期さらに約6%減らす
見通し。同社の前期(03年3月期)末の有利子負債は前期を166億円下回る764億円まで
減少。泉社長はその後も30億円の社債返還などにより、利子を伴う負債の規模は700
億円強まで圧縮しているとしたうえで、「600億円を下回るのも早晩みえている」と
語った。前期末に累損が連結ベースで390億円まで低減され、資本準備金は330億
−340億円まで回復したと指摘。自己資本比率も前期末の10.4%から、今期中には14%
程度になるとの見通しを示し、同社の財務状態の改善が続いていると説明。


◆エー・アンド・デイ(6821)
3月期連結決算を発表。前期の大幅増益(57%経常増益)に続いて、今期も順調な伸び
を見込む。今期の売上高は前期比5%増の226億9700万円、経常利益は同15%増の11億
5100万円、1株利益は68円の見通し。新規事業の半導体露光装置関連製品が貢献する
とみている。配当金は年5円を継続する方針。


◆岩崎電気(6924)
工場などで使う照明用ランプと器具の交換事業を強化。6月に大阪市内に新会社を設
立し、関西全域をカバーする体制を整える。これまでは岩崎電気本体で交換事業を
手掛けていた。更新需要をより徹底的に取り込んで収益力を強化。新会社は「イー
ワイイー・エンジニアリング」。設立当初の資本金は2000万円で、社長には岩崎電
気の荒川迪治取締役大阪支店長が就く。従業員5人程度でスタートし、順次増員する。
電圧測定などは外部に委託。岩崎電気を定年退職した社員も再雇用し、蓄積したノ
ウハウを営業に生かす。初年度に1億5000万円の売上高を目指す。


◆YUASA(6933)
2003年3月期連結決算は、経常利益が前期比84%増の29億円。人件費や材料費などの
コスト削減が寄与。売上高は5%減の1322億円。自動車用バッテリーで補修用を中心
に販売価格の下落が進んだほか、産業用電源が民間設備投資抑制で落ち込んだ。最
終損益は12億円の黒字(前期は9億円の赤字)に転換した。株式評価損など28億円を特
別損失に計上する一方、遊休不動産の売却で26億円の特別利益が発生。二期ぶりに
年3円復配する。


◆トヨタ自動車(7203)
トラック「ダイナ」「トヨエース」を一部改良し、26日発売した。ガソリンエンジ
ンとLPGエンジン車の排出ガスは、国土交通省の「平成12年基準排出ガス50%低減
レベル」を達成した。価格は「ダイナ」「トヨエース」ともに244万5000円から。


◆日野自動車(7205)
米ペンスキーと共同で、米国販売を強化。日野の現地販売子会社にペンスキーのグ
ループ会社が資本参加。販売店網の拡充や日野車のリース・レンタルで協力する。
現在、三井物産と共同出資会社を設立、米国でトラックを販売している。同社の資
本金を800万ドル(約9億3000万円)から2200万ドル(約25億円)に近く増資。ペンス
キー傘下の自動車販売会社が25%を出資し、営業担当役員を送り込む。日野の出資比
率は50%、三井物産グループは25%。2006年には米国で1万台の販売を目指す。ペンス
キーの連結売上高は約110億ドルで従業員数は約3万2000人。


◆三菱自動車工業(7211)
2003年3月期の連結決算は、経常利益が前期比4.6倍の543億円。国内での販売台数は
新型車が小型車の「コルト」1車種だけだったため不振だったが、米国や欧州で大き
く伸ばし、これをカバーした。資材費などのコスト削減などの効果も寄与。売上高
は21%増の3兆8848億円。海外子会社の決算期を12月末から3月末に変更したため、海
外子会社の業績を15カ月分織り込んだ。会計制度の変更による影響を除けば実質7%
の増収。営業利益は2.1倍の827億円。資材費や人件費などのコスト削減で884億円、
ユーロに対する円安での為替の影響で57億円が増益要因となり、米国での販売促進
費や広告費などのコスト増を吸収した。純利益は3.3倍の373億円。投資有価証券の
評価損104億円などを特別損失に計上したが、投資有価証券の売却益143億円などで、
特別利益が拡大。
2004年3月期は国内販売はコルトや新型ミニバン「グランディス」の販売でほぼ横ば
いを維持するものの、海外は北米での在庫調整などが響き21%減となることから、連
結売上高は前期比25%減の2兆9000億円、経常利益は20%増の650億円を見込む。

2007年度の北米での年間販売目標を10万台下方修正し、50万台に見直すと発表。顧
客からの代金回収が困難なケースが増えており、販売対象を優良顧客に絞り込む。
2002年度の北米販売実績は34万7000台。2007年度には20万台以上上積みする計画
だった。同社はイリノイ州にある工場の生産能力を、年24万台から2004年秋までに
30万台へ拡大する計画。その上で、今夏までに新工場建設などで年間10万台程度の
能力増強を決定するとしていたが、北米需要が不透明なため決定時期を先送りする
方針。筆頭株主の独ダイムラークライスラーとの協力関係については「将来は三菱
自動車の車台の7-8割をダイムラーと共通化する」との方針を明らかにした。


◆市光工業(7244)
米GMから多機能ドアミラーを受注。次期大型SUV向けで、受注に伴い2005年を
メドに米国でのミラー生産量を現在より約2割増の年200万台分に拡大。供給開始後
の米子会社の売上高は年150億円と、2002年12月期実績比で3倍近くに増える見通し。
GMが2006年以降に米、カナダ、メキシコの各国で発売する大型SUV向けのドア
ミラーを受注。電動格納機能を持つほか、前後にウインカーを内蔵。鏡面で後続車
のヘッドライトを感知すると反射を抑える機能なども備える。IMIの2002年12月
期のミラー生産は165万台分で、売上高は約55億円。搭載車種の販売不振などが原因
で赤字を計上。GMとの取引拡大をテコに北米事業を伸ばしたい考え。


◆ミクニ(7247)
2003年3月期連結決算は、純利益が前期の4倍の15億円。工場従業員の賃金カットな
ど固定費削減の効果が出た。売上高は5%増の769億円。国内では新型モデルが相次い
だ小型自動車用の部品出荷が好調だった。中国・東南アジアは二輪車用が伸びた。
固定費削減で売上高原価率は3ポイント弱改善し82%に低下。経常利益は68%増の31億
円。


◆マツダ(7261)
高級車市場から撤退。「ミレーニア」の生産を年内に中止し、販売も来年中に終了。
高級車市場の縮小を踏まえ、強みを持つ中・小型車とスポーツカーに経営資源を集
中する。筆頭株主である米フォード・モーターの世界戦略の一翼を担う狙いもある。
マツダは新経営計画の一環として、中型乗用車「アテンザ」と小型車「デミオ」、
スポーツカー「RX-8」を昨年から相次いで発売した。今後も新型車は、ミニバン
を含めて中・小型に絞っていく方針。すでに軽自動車はスズキからOEM調達して
いるうえ、トラック生産も完全に外部委託する計画。自社での開発は中・小型車に
集中する。フォードがアテンザのプラットホームを自社製品に使うなど、マツダは
フォード・グループの中・小型車戦略の中核となりつつある。三菱自動車工業が最
上級車種だった「ディアマンテ」を含むセダン二車種を統合する方針を打ち出すな
ど、下位メーカーは高級車事業の縮小・再編を迫られている。


◆ホンダ(7267)
SARSの影響で延期していた中国・広東省への社員の出張を再開する。世界保健
機関(WHO)が同省への渡航延期勧告を解除したことを受けた措置。6月1日以降、
同省広州市の合弁工場へ約50人が出張し、新型小型車「フィットサルーン」の立ち
上げなどを手掛ける。


◆ヤマハ発動機(7272)
大規模洪水に見舞われたスリランカ政府に、船外機10台を贈ったと発表。漁業など
の業務用エンジンとして使われている機種で、「洪水被害者の救助や復興支援に役
立ててほしい」。


◆三城(7455)
5年後をメドに全店舗の77%をFCにすると発表。主に小型店や不採算店を従業員ご
と本体から切り離し、2003年3月期で62.3%だった販管費比率を17%に下げる。加納誠
治社長(56)は販売不振の責任をとって代表権のある副社長に降格、多根裕詞会長
(72)が社長を兼務する。同社の店舗は3月末時点で1045店あり、今期はまず35店を
FC店に切り替える。その後、店舗のFCへの転換を進め、5060人の社員の過半数
が5年後までにFC店のオーナーや従業員となって退社すると見込む。社員を独立さ
せるのれん分け方式のFC制は、1998年に赤字店対策として導入。これまでに年商
4000万-5000万円規模の小型店を中心に108店をFCに転換した。
2003年3月期の連結決算は、若年層を中心に顧客が安売り店に流れた結果、売上高が
12%減の740億円。既存店売り上げが16%減、客数も9%減と大きく落ち込み、89店の新
規出店でも補えなかった。


◆コジマ(7513)
2003年3月期の連結決算は、経常利益が前期比7%増の21億円。メーカーから受け取る
販促協賛金が増加したことが寄与。ただ不採算店の退店に伴う損失がかさみ、純利
益は9%減の2億5500万円。連結売上高は前期比2%増の5034億円。新規出店の効果が出
たが、既存店ベースでは9%の減収。DVDレコーダーの値下がりや液晶テレビ・プ
ラズマテレビの需要拡大を背景に映像商品の部門別売上高は12%増加したが、パソコ
ンなどの新家電用品部門は「OSの需要が低下している」(小島章利社長)ことから
5%減少。営業損益は59億円の赤字。新規店舗の賃借料がかさみ、2期連続で赤字と
なった。
2004年3月期の連結業績見通しは売上高が前年同期比3.5%増の5207億円、営業損益が
41億7000万円の赤字(前期も赤字)、最終利益が同6.2倍の15億8500万円。競合他社と
の販売競争激化で、販管費を前期比ほぼ横ばいの863億円計上するとしており、4期
連続の営業赤字を見込む。経常利益は、同約1.8倍の39億5000万円。


◆星医療酸器(7634)
臨床検査受託のファルコバイオシステムズと業務提携したと発表。ファルコの子会
社の在宅酸素事業の営業権を取得、従来手薄だった関西での営業を加速する。ファ
ルコの子会社で食品メーカー向け検査事業を手がけるファルコライフサイエンスか
ら7月1日付で、在宅患者用酸素機器のレンタル事業の営業権を取得する。同部門の
年間売上高は約1億5000万円で、関西地方の小規模医療機関が主な顧客。在宅酸素事
業は昨年春の薬価引き下げで価格競争が激化、採算が悪化していた。関東地方が地
盤の星医療はファルコ社との提携を足がかりに全国展開を加速する。2004年3月期の
在宅酸素事業の売上高は前期比約3割増の18億5000万円を見込む。


◆長野計器(7715)
12月をめどに、カーエアコン用の極小精密圧力センサーの量産を始める。新たに生
産ラインを増設し月8万個を生産、年間5億円程度の売り上げを見込む。長野計器の
精密センサーは高圧力への耐久性が求められるエンジンやブレーキ用では実績があ
り、日欧の自動車メーカーが採用していた。エアコンの高性能化に伴い、センサー
のエアコンへの転用を求める引き合いが増えている。


◆サンリオ(8136)
2003年3月期の連結決算は、最終損益が193億円の赤字(前期は24億円の黒字)。主力
のギフト事業やテーマパーク事業が振るわなかった。加えて株式市場の低迷で約40
年間続けてきた株式投資を中止し、3月までに全株式を売却。この結果、銀行株を中
心に有価証券整理損151億円を特別損失に計上したことが響いた。売上高は14%減の
1095億円。主力のギフト事業の売り上げは個人需要の落ち込みを受けて、14%減の
977億円。営業利益は67%減の20億円。経常損益は9億5300万円の赤字(前期は1億6800
万円の赤字)になった。
2004年3月期の連結売上高は前期比3%減の1062億円、最終損益は25億円の黒字を見込
む。国内事業は減収を見込むものの、商品調達費や経費を削減。前期に計上した投
資有価証券の整理損がなくなるのも寄与。1株当たり年10円に復配する予定。
同社は同時に資本金を368億円から183億円に減資すると発表。発行株数は変えず、
資本を減らす。単体ベースの資本の欠損に56億円を充てて一掃し、「残りの129億円
を剰余金として自社株買いなどに使い株主へ利益を還元する」。

新型肺炎の影響で今年2-5月の同社テーマパークの外国人入園者数が、前年同期比
25%程度減少したことを明らかにした。

減資、2003年8月1日付で現在の資本の額368億円を185億円減資。新資本金183億円。


◆三越(8231)
夏場の電力不足に備え、日本橋本店で実施していた外壁イルミネーションを中止。


◆岩谷産業(8288)
液体水素や産業用ガスを製造する新会社を2005年中に大阪府堺市に設立。ロケット
燃料などに使用されている液体水素は燃料電池車向けでも需要拡大が見込まれてい
るため、生産体制を整える。新会社は半導体、医療など幅広い分野向けガスの大型
製造拠点としても活用し、主力事業の収益力向上を目指す。新会社はLNGを扱う
堺エル・エヌ・ジーと共同出資で設立。資本金は約5億円の予定で、出資比率は岩谷
産業が80%、堺エル・エヌ・ジーが20%の見通し。液体水素の製造プラントや低コス
トで生産できるLNG冷熱法を利用したガスプラントを、約100億円を投じて新設。
稼働は2006年を見込む。


◆三菱東京FG(8306)
2003年3月期連結決算は、最終損益が1614億円の赤字(前期は1523億円の赤字)。業務
純益は横ばいだったが、株価低迷で保有株の減損や売却損など株式関係で4880億円
の損失が発生。普通株の年間配当は前期と同じ4000円とする。2004年3月期は株式関
係の損失が縮小し、連結最終損益は1900億円の黒字を見込む。東京三菱銀行と三菱
信託銀行を含む連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)は前期比横ばいの7642億円。
貸出金の減少で資金利益や信託報酬が減少。子会社の三菱証券の営業費負担が増え
たが手数料など役務取引等利益や債券トレーディングなど国債等債券関係損益の増
加で吸収した。預金残高は62兆6243億円と個人を中心に5%弱増えた。
一方、株式売却損2196億円や含み損処理3487億円など株式関係で4880億円の損失(前
期は2248億円の損失)を計上。不良債権処理損失は32%減の4923億円と業務純益の範
囲内にとどまったが、経常損益は3602億円の赤字(前期は2893億円の赤字)。特別利
益に償却債権取り立て益442億円を計上したうえ、法人税等の戻り(法人税等調整額)
が2370億円あり、最終赤字は経常赤字より小さくなった。期末の不良債権残高は2兆
6152億円と9月末より1兆597億円減少。整理回収機構の活用などで下期に1兆1391億
円をオフバランス化し、貸出金に占める比率は5.3%と半年で2ポイント低下、「不良
債権処理はピークを超えた」(三木繁光社長)。持ち合い株売却は日銀への売却約
2000億円を含め1兆2800億円弱に上った。自己資本比率は10.84%と1年間で0.53ポイ
ント上昇。
今期は業務純益が前期比8%減の7000億円(東京三菱銀行単体は6%増の5400億円、三菱
信託銀行単体は10%減の1600億円)、経常損益は3700億円の黒字を見込む。信託報酬
の減少が続くが、グループ一体型店舗でリテール戦略を強化するほか、「株式の下
落リスクが減った」(三木社長)ため株式関係の損失が縮小し、不良債権処理損失も
3550億円に減りそう。持ち合い株の売却は7500億円を予定。普通株は4000円配当を
計画している。

個人向け業務の強化・効率化に向け、傘下の東京三菱銀行、三菱信託銀行、三菱証
券が提供するサービスを1カ所で受けられる営業拠点「MTFGプラザ」を創設する
と発表。一体的な戦略・運営を通じてグループとして総合金融サービスを提供する
体制を整備。年内に具体的な計画を詰める。


◆UFJHD(8307)
2003年3月期の決算は、連結最終損益が6089億円の赤字となった。DCF法を基にし
た査定の厳格化で、不良債権処理損失がかさんだほか、株価下落で株式関連損失が
膨らんだ。2004年3月期は連結最終黒字1500億円への転換を見込む。また今期無配の
普通株式の配当を1株あたり2500円に復配する予定。前期の不良債権処理損失は
UFJ銀行とUFJ信託銀行、UFJストラテジックパートナーなど子会社2社の合
計で8204億円。株安に伴い株式売却損など株式関係損失が6177億円と、前期比て
3952億円拡大。実質業務純益は7601億円と、前期比14.1%増加したものの、カバーで
きなかった。
一方、金融再生法開示基準の不良債権額は4兆1635億円と、9月中間期末との比較で
8545億円減少。前期末の自己資本額は4兆6173億円、自己資本比率は9.96%だった。
繰り延べ税金資産は前期比4.5%増の1兆5223億円を計上。
また前期の持ち合い株式売却額は1兆4438億円で、今期は8000億円を予定する。また
不良債権処理損失は4450億円を見込む。


◆りそなHD(8308)
2003年3月期決算は、連結最終損益が8376億円の赤字(前期は9318億円の赤字)。貸出
債権の査定を厳しくしたのに伴い、不良債権処理損失は5544億円(同1兆84億円)にの
ぼった。監査法人から税効果資本の減額を迫られ、繰り延べ税金資産の取り崩しに
伴う損失は3007億円に拡大。この結果、自己資本比率が3.78%と国内基準行の達成基
準となる4%を割り込んだ。普通株の配当は無配とする。
30日までに予定している公的資金の注入申請に合わせて経営改善計画を発表するた
め、今期の収益見通しは明らかにしなかった。実質業務純益(5行合算)は3073億円と
6%減となった。資金利益や信託報酬など国内・国際の業務祖利益が7610億円と5%
減った。人件費を197億円削減するなど経費削減につとめたが補えなかった。株式売
却損で242億円、含み損処理で3133億円など株式関連で3121億円の損失が発生。
不良債権処理を進めたことで同残高は2兆9063億円となり、2002年9月中間期から
2421億円減少。繰り延べ税金資産は8326億円から5229億円に減少、自己資本は1兆
375億円。一方で株主資本は3108億円となったため、繰り延べ税金資産をのぞくと実
質的に債務超過になる。
経営改善計画に盛り込まれる見込みの人員削減数などについては、決算発表会見で
は明らかにしなかった。
傘下の近畿大阪銀行もボーナスを支給しない方針を表明。これにより、りそな、埼
玉りそな、りそな信託、近畿大阪のグループ4行とりそなHDの約1万9千人が対象に。
りそなHDの試算では夏と冬のボーナスをなくし、さらに月収の7%カットにより3割
減が達成出来るとしている。


◆三井トラスト・HD(8309)
2003年3月期連結決算は最終損失が967億円と、前期の2779億円の赤字に比べて縮小
した。株式関連の損失や不良債権処理損失が減ったのが主な要因。しかし、2期連続
の最終赤字となったため、普通株は無配とする。国が保有する優先株の配当は維持
する。実質業務純益は中央三井信託銀行と三井アセット信託銀行の合計で1893億円
と前期比16%増えた。だが、不良債権処理損失1215億円や有価証券の減損処理698億
円のほか、繰り延べ税金資産算入額を441億円減額したことに伴う損失計上が響き、
最終損失は従来予想(500億円)より467億円拡大。自己資本額は6891億円で、うち繰
延税金資産は3427億円。自己資本比率は7.50%だった。
今期の不良債権処理損失は460億円を想定。実質業務純益は2000億円を見込む。また
持ち合い株売却は今期4000億円を計画(前期実績は3104億円)。普通株は1株当たり
2.5円への復配を予定。
グループ首脳の後退を発表。中央三井信託社長に田辺和夫三井アセット信託社長が、
三井アセット信託社長には中央三井信託の川合正取締役専務執行役員が就任。就任
は6月26日。また村本久夫三井トラスト会長は退任。就任は6月27日。


◆三井住友FG(8316)
2003年3月期の決算は連結最終損益が4653億円の赤字となった。政府方針に沿って
「割引現在価値」DSF方式で査定した結果、不良債権処理損失が膨らんだうえ、
株式の減損処理など株式関係損失もかさんだ。普通株式の配当は1株当たり3000円と
する。三井住友銀行単体は業務純益が1兆1136億円と前期(旧三井住友銀行と旧わか
しお銀行の単純合算)に比べ6%減った。国内・国際業務で資金利益が減少。人件費な
どコストを削減したが、補えなかった。連結ベースの不良債権処理損失は1兆2009億
円で、前期比て5024億円減少。株式関係損失は6215億円とほぼ前期(6037億円)並み。
特別利益に法人税の戻り(法人税等調整額)2251億円を計上したものの、最終赤字は
前期(4638億円)よりも若干拡大。
不良債権のオフバランス化を進めた結果、3月末残高は三井住友銀行単体で5兆2613
億円と1年間で6590億円減少。企業との持ち合い解消を進め、1兆1000億円の株式を
売却した。自己資本は5兆9789億円でうち繰延税金資産は1兆9122億円。前期末の自
己資本比率は10.10%だった。
今期の連結最終損益は1500億円の黒字を見込む。株式関係の損失が一巡するほか、
不良債権処理損失も6500億円程度にとどまるとみている。


◆横浜銀行(8332)
2003年3月期の決算は、連結最終益が前期比15%減の168億9600万円。株安で保有株式
の減損処理額が膨らんだ。2004年3月期の最終利益は約1.8倍の315億円を見込む。
前期の単独の実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前)は1048億円と前期比3%減少。資
金運用益の減少が響いた。また株安で保有株式の減損処理が約2.5倍の332億2200万
円に膨らみ、利益を圧迫。持ち合い株の売却額は簿価ベースで148億8200万円。

退職金の算定で、年功序列的な要素を基本的に廃止し、7月から仕事の難易度や実績
を基にした実力主義の制度に切り替えることが明らかになった。三井住友FGや
UFJグループなど大手銀行は、既に退職給付制度を実力主義に変えているが、地
銀の導入は異例。デフレで金融機関の経営環境が厳しさを増す中、実力本位で退職
金を算定し行員の士気を高めようとする動きが、地方金融機関の間でも広がりそう。
横浜銀行は従来、入行年次など年功序列的な要素で退職金の給付額を決めてきたが、
新制度では勤続年数に関係なく、仕事の専門性や難易度を重視。支店長や部長と
いった役職ごとに「ポイント」を付与。ポイントの積み重ねで、退職金や年金の給
付額を決める。


◆住友信託銀行(8403)
2003年3月期連結決算は、最終損益が729億円の赤字(前期は424億円の赤字)。連結最
終赤字は2期連続。不良債権処理損失は859億円(単体ベース)と19%減ったが、株安で
保有株の減損処理や売却損が膨らんだ。年間配当は3円と前期より2円減らす。赤字
決算を受け、役員報酬を5%削減し、従業員の賞与削減も組合と交渉中だ。2004年3月
期は株式関係の損失が減り、連結最終損益は440億円の黒字を見込む。年間配当は4
円を予定。前期の業務純益は1561億円とほぼ前期と横ばいだった。外貨を中心に単
体ベースの資金関係収支が1531億円と42%増え、国債等債券損益の悪化を吸収した。
一方で単体ベースでの株式の減損処理が1009億円、持ち合い解消などに伴う売却損
410億円が発生。連結ベースでは株式関係で1279億円の損失を計上し、経常損益は
661億円の赤字(前期は567億円の赤字)。特別損失は退職給付信託設定損を中心に630
億円に上った。
金融再生法開示基準の不良債権額は4021億円(単体ベースの銀行勘定と信託勘定の合
計)で、9月末に比べ1780億円減少。貸出残高に占める比率は3.6%と1.5ポイント低下。
前期末の自己資本比率は10.48%と1年前より0.38ポイント低下。
今期の単体の業務純益は前期比9%減の1450億円を見込む。「マーケットの収益予想
を固めに見積もった」(田辺栄一取締役専務執行役員)といい、不良債権処理損失は
600億円を見込む。前期に3253億円実施した持ち合い株の売却は今期は1500億円の予
定。優先株など国からの出資2000億円は再来年3月末までに返済する計画。


◆みずほ信託銀行(8404)
2003年3月期の連結決算は、最終損益が1043億円の赤字(前期は旧みずほアセット信
託銀行分のみで1791億円の赤字)。不良債権処理損失は431億円と76%減少したが、株
式関連で計1123億円の損失を計上。2期連続の最終赤字で、3期連続で配当を見送る。
旧みずほアセット信託と旧みずほ信託銀行を合算した最終損益は1361億円の赤字(前
期の合算は1852億円の赤字)。業務純益は2行単体の合算で前期比実質10%減の762億
円(旧みずほアセット信託は793億円の黒字、旧みずほ信託は30億円の赤字)。旧みず
ほアセット信託は貸出金利息や有価証券利息配当金が減少し、資金運用収益が800億
円と25%減った。経常損益は2行合算で916億円の赤字(前期は1733億円の赤字)。うち
600億円の経常赤字となった旧みずほアセットは臨時損益段階で株式売却や減損処理
に伴い756億円の損失を計上。期末の株価が取得価格から30%以上下落した株式につ
いて減損処理を実施し、特別損失に368億円を計上。繰り延べ税金資産の計上基準厳
格化に伴い、175億円分を取り崩したことも最終赤字拡大の要因となった。
金融再生法開示基準の不良債権残高は3112億円と、9月末に比べて1405億円減少。下
期に1381億円をオフバランス化したためで、貸出残高に占める比率は7.14%と9月末
より2.7ポイント低下。連結ベースの自己資本比率は11.25%となった。
今期は単体ベースの業務純益で680億円、経常損益は370億円の黒字を目指す。株式
関係処理損失が減るほか、不良債権処理損失が200億円と大幅減を見込む。前期に約
2100億円実施した持ち合い株の売却は500億円程度を予想。配当については「200億
円の最終利益を達成してから考えたい」。

取締役会で資本準備金1172億円のうち1049億円と、利益準備金9000万円の全額を取
り崩すことを正式決定したと発表。いずれも、損失処理に充当する。


◆福岡シティ銀行(8539)
四島司頭取は、経営再建中のダイエー(8263)の「福岡3事業」をめぐる地元3行と大
手3行との協議について、「東京の3行はダイエー本体のことを、地元行は福岡3事業
のことをそれぞれ主体に考えるので調整に時間がかかる」との見通しを示した。


◆セントラルリース(8599)
UFJ銀行の連結子会社であるUFJビジネスファイナンスと両社のリース事業統
合の検討を始めたと発表。2004年4月1日をめどに統合する予定。2社の営業拠点や顧
客層を補完しあうことで競争力を強めるのが狙い。統合はUFJビジネスのリース
事業部門を分割し、セントラルリースが吸収する予定。統合後の本店は名古屋市に
置く。UFJ銀行は統合に先立ちセントラルリースの持ち株比率を現在の4.97%から、
グループで20%程度に引き上げる。この結果、セントラルリースはUFJ銀行の持ち
分法適用の関連会社。セントラルリースは大企業から中小企業までで約3万9000社を
顧客に持つ。東京や大阪の大企業を中心に約2000社を顧客に持つUFJビジネス
ファイナンスとの統合で、顧客層に厚みが出る。加えて両社で審査ノウハウなどを
共有することや、重複する部門の合理化も狙う。


◆東京急行電鉄(9005)
2003年3月期の連結純利益が前期比71%減の34億円になったと発表。従来予想は20億
円。東急文化会館の土地の売却益で特別損益が見込みよりも改善。前期の連結売上
高は前期比31%増の1兆3850億円。連結子会社の東急建設の開発物件の販売が今期に
ずれ込み、予想を150億円下回った。経常利益は2.8倍の519億円を確保したが、持ち
分法投資利益が見込みより減った。従来予想は536億円。東急文化会館の売却益は
255億円。ゴルフ場など事業投資損失引当金繰り入れや、三菱東京FG、みずほFG
株の評価損で特別損失が予想よりもかさんだが、売却益で相殺した。


◆京王電鉄(9008)
2003年3月期の連結決算は、純利益が前期比59%増の147億円で過去最高となった。バ
スの分社化など人件費削減を柱にした合理化が寄与し運輸、流通など主力事業の収
益が拡大、特別損失も前期を下回った。配当を50銭増配し年6円とする。売上高は1%
減の4199億円。旅客運輸収入は定期券以外の利用者が伸び前期を若干上回ったが、
百貨店の外商が苦戦した流通業、レジャー・サービスが売り上げを落とした。経常
利益は12%増の296億円で過去最高となった。特別損失は43%減の69億円。前期はバブ
ル経済期に購入したビルなど不動産の評価損を計上したが、それが一巡し特別損失
が大幅に減った。
2004年3月期の売上高は前期比2%増の4290億円、経常利益は9%減の271億円、純利益
は3%減の144億円の見通し。ショッピングセンターの出店やホテルの新規開設に伴う
経費がかさむ。設備投資額は前期比190億円増の535億円の予定。


◆近畿日本鉄道(9041)
2003年3月期連結決算は、保有資産の評価損で特別損失がふくらみ、最終(当期)損益
は過去最悪の504億円の赤字(前期は345億円の赤字)で4期連続の最終赤字、2期連続
の無配となった。近鉄不動産を吸収合併したことなどで、営業利益は同4.6%増の385
億円。
2004年3月期の連結予想は、鉄道収入は減収するものの不動産業で分譲マンションの
売り上げ増が寄与し、売上高は前期比2.0%増の1兆3300億円を見込む。遊園地志摩ス
ペイン村の償却費や支払利息の負担が減り、経常利益も同65.4%増の220億円。

役員の退職慰労金制度を廃止すると発表。年功的要素が強い同制度を廃止すること
により、成果主義を鮮明にし、業績回復につなげたい考えだ。現任役員については6
月の株主総会の承認を得て支給金額を50−60%減額、新任役員からは支給を打ち切る。
また執行役員制度を導入、取締役を25人から19人に減らす。取締役の任期も2年から
1年に短縮する。


◆名古屋鉄道(9048)
2004年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.2%減の7891億円、経常利益が同2.8%減
の232億円となる見通し。最終損益は、前期に資産の償却を特別損失に計上した反動
から、80億円の黒字(前期は473億8500万円の赤字)への転換を見込む。単独の配当は
2円50銭の復配を予定。


◆JAL(9205)
人気バンドのサザンオールスターズと共同企画を行う契約を結ぶと発表。新型肺炎
の影響で落ち込んでいる海外旅行需要を盛り上げるため、今年でデビュー25周年を
迎えるサザンとイベント活動を展開。


◆NTT(9432)
NTT西日本と松下電器産業(6752)など4社は、飲食店や小売店向けに、NTT西の
インターネット接続サービスを利用し、従来のバーコードより多くの情報を書き込
める「2次元バーコード」を取り入れたASPサービスを今月末から試験提供すると
発表。


◆日本テレコム(9434)
固定電話事業の売却について、「リップルウッド社と議論を続けているのは事実。
両社の議論は最終段階に近づいているが、現時点でどのような結果になるかは未
定」とのコメントを発表。24日付の日経新聞は、携帯電話大手の英ボーダフォンが、
傘下に抱える日本テレコムを、米投資会社リップルウッド・HDに約2600億円で売
却することで折り合い、6月に譲渡契約を結ぶ方向で最終調整していると報じていた。


◆関西電力(9503)
屋上緑化商品を生産・販売する子会社「モスワークスかんでん」を設立したと発表。
社員の提案を受けて事業化した会社で、ヒートアイランド現象が都市部で進行して
いるため、屋上緑化市場が拡大すると判断。


◆松屋フーズ(9887)
2003年3月期連結決算は、経常利益が57億円と前期比30%増となった。新規出店によ
る増収効果に加え、原価削減が寄与し、連単とも過去最高益を更新。期末に記念配
当として3円増やし、年27円配とする。
売上高は16%増の507億円。新規出店は81店。既存店売上高は7%減と振るわなかった。
一方、原料の牛肉の価格が前期より下がったほか、中国での生産委託も進み、売上
高原価率が31%と約2ポイント低下、営業利益は31%増の58億円。2004年3月期の連結
売上高は前期比12%増の570億円、経常利益は7%増の61億円を見込む。新規出店は120
店、既存店売上高は3%減の見通し。


◆スズケン(9987)
アスティスと、業務提携契約書に同日調印したと発表。顧客の新たなニーズに迅速
に対応するため、経営資源やノウハウを相互に活用し、新たな機能の構築を共同で
進める。(1)仕入れ・品ぞろえの強化(2)情報システムの共同利用(3)営業力強化(4)
新規事業(5)従業員の教育・研修(6)経営資源の有効活用-について協力していくこと
にしており、詳細は今後委員会を設置して検討。




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