メルマガ:仮想力線電磁気学
タイトル:仮想力線電磁気学  2003/05/24


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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第1回 概要(その1)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

第1回目の今回は、仮想力線電磁気学の概要について説明します。

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1.仮想力線電磁気学を提唱する理由
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このメールマガジンで解説していく『仮想力線電磁気学』という理論は、定説と
なっているマックスウェル電磁気学に代わる、新しい電磁気学理論として考案さ
れたものです。

といっても、マックスウェル電磁気学が、全くダメになるというわけではありま
せん。
なぜなら、仮想力線電磁気学では、ある種の限られた問題・現象において、マッ
クスウェル電磁気学が近似的に成り立つ、としているからです。

つまり、仮想力線電磁気学は、マックスウェル電磁気学を包括する理論と言える
のです。

それでは、なぜ、そうした新理論が必要なのかというと、マックスウェル電磁気
学には、欠陥や矛盾があるからです。
たとえば、マイケルソン・モーレーの実験や、黒体の熱輻射の問題などが、そう
です。

従来の科学者たちは、相対論や量子論といった新理論によって、それらを補おう
としてきました。
しかし、これらの新理論では、あまりにも常識離れした、無理・無茶な考え方を
強いられます。
また、相対論と量子論は、水と油のように相性が悪く、両者を統一することは、
未だに成功していません。

仮想力線電磁気学は、このような周転円的な論法を捨て、電磁気学理論そのもの
を作り直そうという立場に立って、提唱されたものです。
これにより、従来、マックスウェル電磁気学によって説明されてきたことはもち
ろん、相対論や量子論によってしか説明できなかったことも、電磁気学的現象と
して統一的に説明できるのです。
つまり、相対論や量子論が不要になるわけです。

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2.仮想力線電磁気学の二大特徴
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では、なぜ、仮想力線電磁気学は、それほど多くのことが説明できるのでしょう
か?
それは、この理論が、

  (1) ファラデーの力線の理論をもとにしている

  (2) 遠隔作用の理論である

という、二つの特徴を有していることに由来します。

実を言うと、(1)の特徴は、マックスウェル電磁気学にも、ある程度言えるこ
となのです。
ただし、それは、静電場や静磁場といった静的釣り合いの問題に限られており、
誘導によって生じる電磁場のような動的な問題には適用されていません。
興味深いのは、マックスウェル電磁気学が十分な成功をおさめているのは、ファ
ラデーの力線の理論の考え方を取り入れた、静的釣り合いの問題において、なの
です。
逆に、ファラデーの力線の理論の考え方を導入しなかった動的な問題では、電磁
波の存在の予言など、一部で成功をおさめてはいるものの、一方で、マイケルソ
ン・モーレーの実験のような運動の問題において、様々な矛盾が生じるのです。

そういうわけで、仮想力線電磁気学では、動的な問題においても、ファラデーの
力線の理論の考え方を継承しています。
この理論の名称に『力線』という言葉が含まれているのも、そのためです。
また、先の話になりますが、力線の理論からマックスウェル方程式を導くことも
可能です。
つまり、力線の理論でも、電磁波の式(解)を導くことが可能なのです。

これが、仮想力線電磁気学がマックスウェル電磁気学を包括する理論と言える理
由の一つなのです。

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3.力線の理論の利点
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マックスウェル電磁気学が、運動の問題を苦手にするのは、この理論の中核をな
すマックスウェル方程式に、速度のような運動を表す項が無いためです。
このため、運動の扱いが非常にあやふやで、それ故、運動の問題をうまく扱えな
いのです。
事実、ローレンツ力(電荷が磁場を横切ると生じる力)という現象は、マックス
ウェル方程式では説明できません。

これに対し、力線の理論には、速度の項が存在するので、運動の問題もうまく扱
えるのです。
上で述べたローレンツ力も、説明できます。
これが、力線の理論の長所といえるでしょう。

逆に言うと、これがマックスウェル方程式の欠点なのです。
ところが、科学者たちは、その欠点を認めようとはしませんでした。
このため、この欠点を補うために、相対論が必要になったのです。
力線の理論の考え方を用いれば、マックスウェル電磁気学で説明できることはも
ちろん、相対論を用いなければ説明できないことも、説明できるのです。
仮想力線電磁気学は、この力線の理論の考え方を継承しています。

               * * *

さて、仮想力線電磁気学には、ファラデーの理論とも異なる特徴があります。
それは、ファラデーの理論が、力線を実在性あるものとしているのに対し、仮想
力線電磁気学は、力線を仮想的なものとしかみなさないことです。
ファラデーの理論では、力線は、(電気や磁気の)力を生じさせる源、とされま
す。
これに対し、仮想力線電磁気学では、力線は、流体力学における流線や、運動学
や力学における座標軸のような、思考のための道具でしかないのです。
つまり、それは、実在する『もの』ではないのです。
力線の理論でありながら、名称の中に『仮想』という言葉が使われているのは、
このためです。

こうした相違が根本的に何処から来るのかというと、マックスウェル電磁気学や
ファラデーの理論が近接作用の理論であるのに対し、仮想力線電磁気学は遠隔作
用の理論であることに由来します。

この、仮想力線電磁気学のもう一つの特徴である遠隔作用については、次回、説
明いたします。

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