メルマガ:『テーマパークは私の学校』
タイトル:【テーマパークは私の学校】No.033 2003/5/5  2003/05/06


■ ■ ◇                       テーマパークが私の学校
■ ■ ■             「そうか!! 教育って、そういう事だったんだ」
■ ■ ■                       . . .2003.5.5  No,033
----------------------------------------------------- http://www.shuu.co.jp/
 
==[▼ご挨拶]================================================================

  お待たせしました〜ぁ!! 皆さんこんにちは!!
 【テーマパークが私の学校】の香取です。
 
 前号では、シュウ研究所に入社して、オリジナルでプログラムを開発することが
 どれだけ厳しいものなのかをしった私でしたが、今回はそれを回るプロの仕事の
 厳しさを体験することに……
 
 それでは早速、第33話行ってみよう!!
 
================================================================[▲ご挨拶]==

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第33話:「プロのお仕事(後編)」
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何とかみんなで考え、上司の内藤さんのOKをもらったプログラムですが、開催予定
まで残り1週間というところで、練習をしてそのプログラムを実際にやってみせOK
をもらわなくてはならなくなった宇田さん、竹本さん、私の3人がまずは練習をする
ことに……。
 
しかし、練習でお金をもらうことはできないということで、みんな勤務が終了した後
に残りそれぞれ担当するパートを練習しあいます。3人集まって練習をするのですが
、とにかく練習やチェックをもらうことが嫌いな私は練習中も文句ばっかり……。
 
「ちっ!! 内藤さんのあれさぁ、俺たちのこといじめてんだよ!!
 だいたい、なんでやってみせなきゃいけないわけ?ありえねぇーよ!!
  練習だってさぁ、何で勤務時間中にやっちゃいけねぇーんだよ!!矛盾してんよ!!」
 
「もう、香取さぁ文句ばっか言ってないで練習しなよ!!
 あと1週間しかないんだよ!!」(宇田さん)
「香取さん頑張ろうよ!! これで頑張ればきっと認めてもらえるからさぁ、ねぇ!!」
 (竹本さん)
「はぁ〜い」
 
まずはクラス1回目の練習です。
最初のパートは私が担当するので私がインストラクターとして前に立ち、他の2人が
受講者役。そしてそのパートの練習が終わるたびに3人で振り返りです。
 
お互いにフィードバックをしあって、インストラクションを見直します。そして数回
それを繰り返し、全員が納得できたところで内藤さんにOKをもらうことに……。
 
「ひとおり見たけどさぁ、最初の香取のところ!!
 表現力を豊にする為にするやるクラスなのに、お前の表情が固いんだよ!!
 全然表現力が豊じゃねーよな!!ここはまだ練習しないとだめ、やり直し!!」
 
「えっ!!やり直しですか?」
「そう!!、でっ次に気付いたろころはさぁ……」
 
こうして、やり直しの日々が続きます。
練習が始まってまだ1日しか経過していないのに、もう私の飽きっぽさが表に出てき
ます。
 
「ねぇ、まだ練習すんの? もう、夜中の11時だよ!!眠みーよぉ……」
「ほら、文句言ってないで、もう一回最初から通すよ!!」
「えぇ〜もういいよぉ〜。
  次の2日目の練習しようよ!!同じこと繰り返していても煮詰まっちゃうよぉ」
「ダメ!! 早く、アンタのパートを完璧にしないとOKもらえないんだからね!!」
「はぁ〜ぃ」
 
そんな調子で2日目の練習を終え、家に着いたのは朝の3時……。
 
-そして翌日-
 
「急遽、東京での会議があるから、今日の夜東京に帰るけど、ちゃんと練習しておけ
  よ!!」
「ハイ、でっ内藤さんいつこっちに帰ってくるんですか?」
「多分金曜日までには戻れると思うなぁ」
「了解しました。気をつけて行ってきて下さい!!」
 
その日の勤務が終了し、内藤さんは東京へ。
そしていつものように3人での練習が始まります。当然、練習嫌いの私には内藤さん
がいないことで、またしても練習をサボろうとする私でしたが……。
 
「ねぇ宇田さん、俺さぁ研修の時に流すBGMを隣の部屋で考えとくよ!!」
「えっ、あぁそういえばBGMとか考えてなかったね。OKじゃぁ私と竹本さんはこ
  っちで3週目の部分のパートを練習してるから、それ終わったらこっちに合流して
 よ!!」
「OK!!じゃぁっまた後で!!」
 
私はBGMを簡単に決め、すぐに合流する言いながら寝てしまおうと考えていました
。しかし、BGMを決めてコーヒーでも飲んでから寝ようと思いコーヒーを買いに部
屋を出ると、隣の部屋から練習をしている2人の声が聞こえてきます……。
 
そっとドアをあけて部屋の中を除いてみると、宇田さんがインストラクションを行い
、それを受講者役として、竹本さんが演じています。ひとつのクラスが2時間のでプ
ログラムされているわけですから、練習といっても合わせてやれば丸々2時間がかか
るわけですが、すでに2回目の練習が終わり、3回目の練習になっていました。
 
ドアの外でサボろうとしていた私ですが、さすがに2人の姿をみて練習をしていない
ことへの不安を感じ中へはいることにしました。
 
「遅くなってごめんね、今BGM終わったよ!!」
「そう、良かった。それじゃぁ香取さんをいれてもう一回最初から練習しよう!!」
「えっ、でも、2人はもう充分練習したんだし、俺の練習に付き合ってたらまた遅く
 なっちゃうじゃん」
「何いまさら言っての、あんたのところがあって初めて完成でしょっ!!
 それに、1人で練習するより皆でやったほうが気付きも増えるじゃん」
「うん、ありがとう!!」
「よし、じゃぁはじめようっかぁ!!」
 
私自身はどうにかして練習をサボろうということばかりを考えていましたが、あの2
人は自分達の練習を終えた後にもかかわらず、同じテンションで私の練習にも付き合
ってくれます。
 
どうしてそこまでと思いましたが、2人の先輩からはやると決めた以上、何度でも練
習する、それが私達が伝えようとすることだということを体現していたのだと思いま
す。そして、練習は翌朝まで続けられました。
 
金曜日になり、内藤さんが東京からもどり、またまたチェックが入ります。
そして一通りを見て、内藤さんから3週目までのプログラムのOKをもらえました。
 
「よし、良くここまで持ってきたなぁ!!
 時間も完璧だし、板書の字の大きさも、BGMの選曲もタイミングもOKだな!!
 これなら、受講する方もわかりやすくて楽しい内容になっているよ!!」
「ヤッター!!」
「後は、期間中毎日繰り返しの練習を必ずすること、そうしてはじめて前に立ってイ
 ンストラクションする資格があるからな!!」
 
とりあえず、3週目までのプログラムにOKをもらった「Movement studio」がスタ
ートしました。初日のクラスは大盛況で、それがまたやりがいにもつながり、日々の
練習もサボることなく、毎日深夜まで続けていました。
 
しかし、4週目のクラスを実施する数日前になって、練習を見ていた内藤さんから意
外な発言が……。
 
「うーん、この内容で、本当に毎週表現力が豊かになるのかなぁ……」
「へっ!?」
「うーん。なんかただプログラムをこなしてるだけで、本当に表現力が豊かになるよ
 うには思えないんだよなぁ」
 
「えっでも、もう時間ないじゃないですか? 今さらどうするんですか?」
「やっぱりプログラムを変更しよう!!」
 
「絶対無理ですよ!!
 明後日ですよ明後日……。もう時間がないじゃないですか?」
 
ここから明後日のスタートまでの時間はもうありません。
でも内藤さんに納得してもらえなければできなくなるわけで……。
そして真夜中まで、プログラムをめぐって論議が続きます。
 
そして深夜をとっくに過ぎたころ内藤さんが話し始めます。
 
「うん、わかった。
 心で感じて、表情を練習しても、うまくそれを出せないのは恥ずかしいからなん
 じゃないか?なんで恥ずかしくなるかがわかれば……。そのことを見つけられた
 らうまくいくな!!」
 
そして後半3クラスで恥ずかしさはどこからきて、何で恥ずかしいのか、でも俳優
や女優さんはなぜ演技ができるのかをみんなで考え、プログラムの中にその部分を
追加することになりました。
 
そして練習が終了したのが明け方の6時を回った頃でした。
いったんみんな家に帰って、休むことに……。
私も家につくと死体のように布団に転がり込みました。
 
そして気がついたのは会社からの宇田さんからの電話でした。
「香取さん、今何時だと思ってるの?」
「へっ、今ですか……わぁ!! ごめんなさい今から行きます」
 
そうです、やってしまいました。電話があったのは出勤時間をすぎた朝の9時30
分でした。急いで着替えて常駐先の会社につきましたが、時すでに遅し大遅刻でし
た。
 
「……すみません。寝てしまいました」
「お前なぁ、今日はインストラクターはやっちゃだめだ!!
 お前は今日のトレーニング中、ずっと後ろで見てろ!!」
「まっマジっすかぁ……」
 
「宇田、竹本、今日香取は遅刻したからインストラクターはさせないからな!!
 香取は前に出る資格なし(怒) 後ろで立ってろ!!香取の担当だったところは二人
 がカバーしろ!!」
「いや、でも、練習もしてないし……」
「だめだ。言い訳は聞かない」
 
最初はいくらなんでもまったく出られないというのはないだろうと思っていました
が、トレーニング中どんなに苦しくなっても、私がインストラクターをさせてもら
えることはありませんでした。
 
私の担当のところを宇田さんが行います。しかし、練習もしていないため、なかな
かうまく行かず、そこにそのパートでアシスタントだった竹本さんが助けに入った
りもしますがうまくかみ合いません……。
 
前でインストラクションしている宇田さんの目からは、「香取、なんで肝心な時に
遅刻するんだよ」と聞こえてきそうなぐらいでした。そして私も宇田さんが進行に
詰まって沈黙になるたびに、申し訳なさがこみ上げてきます。
 
そしてどうにか私の担当するはずだったパートが終わり、昨日プログラムを変更し
た個所もなんとか終え、クラスが終了します。

そしてトレーニング終了後の振り返りミーティングで……。
 
「宇田、竹本どうだった?」
「やっぱり、練習もしてないし無理でした……すみませんでした……」
(えっすみませんでしたって、俺が悪いのに……)

「遅刻した張本人の香取は?」
「本当にすみませんでした。俺が遅刻したばっかりに……」
 
「うーん、お前達の練習はそんなモンか?
 俺たちはお金をもらってやってる以上プロなんだよ。今日はたまたま、香取が遅
 刻したからだったけど、もし誰かが倒れてしまったらクラスができなくなってし
 まうような練習の仕方をするな!!
 
 もしこれが舞台でお前たちが役者だったとして、自分に与えられた役だけを練習
 していたんじゃ、主役をやらせて欲しいって思ってたって、主役が倒れてから練
 習したとしても、舞台は動かないんだゾ!!
 
 そしたら、その舞台を観に来たゲストにお金返すのか?そんなのプロのやる仕事
 じゃねーだろ!!」
 
内藤さんが言う通り、他のメンバーのパートを覚えようと言う練習はしていません
でした。しかも自分の失敗が原因でメンバーまでも叱られることになってしまい深
く反省したのと同時に、そのレベルまでしなければならないという、クォリティー
と責任を痛感しました。
 
この事件で仕事に対する真剣さを心から感じ、改めてプロというお仕事と、インス
トラクターという役割の深さを思い知ることができました。
 
次回は、5月19日の予定です。どうぞお楽しみに!!

■編集後記****************************************************************■
 お掛け様で、先週無事に!?OFF会が終了しました。参加してくださった皆さん
 本当にありがとうございました。

 3次会に行ったもんじゃ屋さんで、某旅行会社勤務のKさんと、OFF会に参加
 してくださった皆さんとで盛り上がり、どうせ、OFF会をやるなら、目標を大
 きくして、ロスのディズニーランドにみんなでツアー組んで行ってみよう!!とい
 うことになりました(笑)

 さらに、夢を実現する男佐賀屋さんもいたため、彼の友人のスコット夫妻がいる
 し、案内もしてもらえるから絶対おもしろいよということになり、盛り上がっち
 ゃいましたが本当に行けるように頑張らねばと思いました。

 OFF会の内容は、号外で発行する予定ですので楽しみに待っていてくださいね!!
 さて、今月は31日に日ごろお世話になっている愛知県の蒲郡「ラグーナ蒲郡」
 にあるテーマパーク「ラグナシア」で行ってみようということになりました。

 今週末には皆さんにもお伝えできると思いますので、お近くに住んでいる方がい
 らっしゃいましたら、是非参加して下さいね!!
 
 今後何か、ご意見やご質問、聞いてみたいことなどありましたら何でも結構です。
  お気軽に下記までご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いします。
  
 mailto:shuu@aurora.ocn.ne.jp
 URL http://www.shuu.co.jp/Guestbook/Guestbook_frame.htm

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 『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』
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◆SHUU研究所の発行しているMailMagazineです********************************◆
 隔週 月曜日発行 【テーマパークが私の学校】
 隔週 金曜日発行 【レジャー施設ウォッチング】
           弊社研究員にが、実際に行って見てきたこと、感じたこと、
           隠れた楽しみなどをお伝えします。
 
 それぞれのメールマガジン紹介とバックナンバーはこちらです。
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■このメールマガジンの楽しみ方********************************************■
 筆者である私は、恥ずかしいのですが、中学・高校時代は「ヤンキー」でした。
 そんな私でも、テーマパークでアルバイトをするようになり、そこでの教育や指導
 をとおして、現在レジャーサービス業で教育や運営などのお手伝いをしている株式
 会社SHUU研究所に勤務することが出来ました。
 
 現在の自分がこうしていられるのも、その時の上司や先輩から受けた教育や指導、
 時には愛の鉄拳(笑)が私を育ててくれたからだと思います。
 
 現在お仕事などで部下を持つ上司の方や、これから部下を持つ方、また、教育のご
 担当の方やお子さんをお持ちの方などに、教育といってもたくさんのアプローチが
 あることが紹介できたらと思います。
 
 ちなみに本メルマガに登場する人物の名前はすべて仮名です。
 (似てるけど……笑)
 
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