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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ シナリオ大好き!〜書きたい人のためのお役立ちマガジン〜vol.5 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ --------------------------◆ 目次 ◆-------------------------- ◆エッセイ 「思いやりのシナリオ」 ◆ロケハンしな松 今回のロケハンは「カルティエ・オキナワネーズ」大阪大正区です。 ◆おすすメディア ----▼エッセイ▼-----「思いやりのシナリオ」---------- 「思いやり」を辞書でひきますと、「自分の身に比べて人の身につ いて思うこと、相手の立場や気持ちを理解しようとする心、同情」 の意味です。「想像」と云う意味も含まれているそうです。 ところで、想像すると云うことは、今の時代、欠けているのではない でしょうか? テレビからは急ピッチの乱暴さでビジュアルが投げつ けられ、インターネットからはその場で役立つ情報と知識が。それら を大急ぎで吸収して、明日も仕事があるからとベッドに就く日々。愛 する友人や恋人、家族の心を姿を想像しながら、音もない夜気の中、 幸せを願う時間はあるでしょうか? 愛する人と別れたあと、一人に なったその人の心の光と影を想像するゆとりはあるでしょうか? 日ごろの生活の中で、身近かな人の心を思いやり、それを脳裏で絵に してみてはいかがでしょう? 一人になったその人は、寂しい顔をし ているでしょうか? いい顔をしているでしょうか? なにか動作を しているでしょうか? 動作をしながら心はどこに? 心がそこにあ るのなら動作にどんな特徴が? バックはどんな背景でしょう? ど んな背景がその人の心を表すのに一番ふさわしいでしょう? その人 を愛して、いいシーンを探ってみましょう。その人を思いやって、い いシーンを捻出してみましょう。大急ぎでシナリオを仕上げず、日ご ろからそんなシュミレーションを生活の中に取りいれてみては? 思いやりのシナリオへ…。 ----▼ロケハンしな松▼----------------------Vol.0000006---- 「カルティエ・オキナワネーズ」 大阪大正区 青い空、青い海、白い砂浜、心地よい三線(サンシン)のメロディー、 香り高い泡盛、長寿の島など沖縄を彩る言葉はさまざまです。 かつては最も近い異国情緒のある島のビーチリゾートを楽しむという のが沖縄旅行の目的であったようですが、岡田先生の「ちゅらさん」 やBEGIN、夏川りみなどの音楽に触発されて、さらなる興味を持 たれた方も多いのではないでしょうか? しな松が初めて沖縄を訪れたのは約10年前ですが、それ以前から沖縄 出身の友人がいて彼らに教えてもらった料理や酒が大好きだったこと、 あるいはネーネーズや大工哲郎の島唄に夢中だったこともあり、自分 の中ではとても身近な存在でした。 ところで、大阪に沖縄の町、通称「リトル沖縄」があることはご存知 ですか?環状線大正駅の近くに沖縄料理店が多く集まっていることは グルメガイドなどでよく紹介されていますが、さらに南に車で5分ほ どにある平尾、恩加島に行くと、家の玄関先にはシーサーという沖縄 の獅子が置かれていたり、三線をつまびく音が聞こえたりします。 この辺りが「リトル沖縄」なのですが、リトルという語感がしな松は余 り好きではないので、敢えて「カルティエ・オキナワネーズ」と勝手 に名づけた次第です。 平尾商店街近辺には沖縄ならでの食材、皮つきの豚、サータアンダギ ー(沖縄のドーナッツ)、フーチバ(よもぎの一種)などを売る食料 品店やソーキ(沖縄)ソバを食べさせてくれる食堂がたくさんあり、 沖縄舞踊や島唄を聞かせるライブハウスもあったりします。 現在大正区には人口の1/4、約2万人近くの沖縄出身の方が住んで いらっしゃいます。なぜ一箇所にこんなにも多くの人が住むようになった かというと、第一次大戦後の不況が砂糖産業に依存していた零細な沖縄 の農業に大打撃を与え、ハワイや中南米への海外移住と共に紡績業を 中心に工業地帯として発展していた大阪への出稼ぎが多かったためだ そうです。そしてもとより地縁、血縁を大切にする沖縄の人たちが当 時は湿地帯であった平尾、恩加島あたりに居を構え始めたのがこの町 の起こりです。 今では沖縄は美しい島(チュラ島)としての印象が強い沖縄ですが、 大正区に移住した沖縄の人たちは1970年ぐらいまでは生活習慣の 違いからか「琉球人」として韓国・朝鮮人と同じように差別され、本 名や出身地を隠したり、布団にくるまって三線の練習をするなど、辛 くて悲しい歴史があったのは決して忘れてはいけない事実です。 ************************************************************** 大正区の沖縄について http://www.u-r-u-m-a.co.jp/internet/topic/taisho/ リトル沖縄について http://www.okinawatimes.co.jp/spe/mind20020114.html 大阪近辺の沖縄料理店 http://www2.osk.3web.ne.jp/~jinta/oki-fds2.html ※大阪校のすぐ近くのお店も紹介されていますよ! ----▼おすすメディア▼-------------------------------- ★みなさんおすすめの「映画」「映画館」「テレビドラマ」「書籍」 「漫画」「音楽」「Webサイト(ホームページ)」等々を紹介するコーナー です。 ◆オダンゴおばさんのおすすめサイト 『森茉莉浪漫館』http://morimari.net/ 小説家の森茉莉さんに関するwebサイトです。 ご存じ、森鴎外のお嬢さまですが、毒舌がおもしろいです。 世の中、こういう人も減りました。 毒舌の人がいるとお金儲けのための毒舌であったり… 笑顔もお金儲けのためであったり… 天然の個性的な人が減りました。 もちろん耽美で浪漫チックな森茉莉さんの小説の世界も のぞけます。 ◆“アタマはいつも右往左往”さんおすすめの作品 『人生に奇跡を起こすノート術』きこ書房 トニー・ブザン著、田中孝顕・訳 シナリオを学んでいく上で、左脳と右脳それぞれの働きについて目にする (耳にする)機会があると思います。 左脳は知識や理論を司り、右脳は感性や創造性を司る働きがあるそうで す。つまり、言葉を考えたり書いたりするのは左脳。映像を浮かべるのは右 脳。シナリオを書くというのはその両方の働きが必要ということです。 本書は、左脳と右脳を同時に働かせて、ノートを取ったり、プランを考え たりする「マインドマップ」について書かれています。「マインドマップ」 とは、絵や言葉で思考プロセスを描きとめていく方法で、すでに欧米のビジ ネス社会では企業や大学で取り入れられている脳力開発法。脳の力を最大限 に発揮するためには、上下左右、縦横斜め、現在過去未来、知識、体験、感 性、光、色、等の全方位態勢で思考する“放射思考”を身につけるべきだと 書かれています。 つねに「どこで、誰と誰が何をしているか」を映像で考える必要のあるシ ナリオライターにとっては、その思考プロセスは役に立つかも知れません。 ★☆編集後記★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 「幻の司馬文学、復刊」という帯のキャッチコピーにつられて司馬遼太 郎さんの『大盗禅師』と、ついでに読んでいなかった『梟の城』を買った のですが、一気に読んでしまう面白さは、みなさんもご承知のとおり。も ちろん小説ですから「映像にならない文学的表現」でいっぱいなのです が、登場人物の迷いや葛藤、気性からその人物ならではのセリフ。もうそ の人物のイメージがたやすく浮かんでくる描写はさすがです。 司馬さんの執筆は、ち密な取材に基づいて書かれているのは有名です が、時代物の作品において、その日雨が降っていたと書くのは、実際に過 去のデータから調べて雨が降っていたからだそうです。 つまり、本当のことだからリアリティがあるのかというと、そうとは限 りませんが、裏付けのある事実と創作を巧みに使うことで圧倒的な説得力 を持たせているのです。 かつて『竜馬がゆく』に対して、「本当の“龍馬”は、北辰一刀流の長 刀の達人であった」とか「“薩摩の要望”で薩長同盟を画策した」だなど とやっかみ(?)とも思える言論がありましたが、読み手としてはたとえ 事実がどうであろうとそれだけが問題ではない。それよりも、司馬作品の “竜馬”のキャラクターに惚れて、セリフや行動に感情を移入、共感して いることの方が、創作する者にとっては大切なことだと思います。 『バガボンド』や『修羅の刻(修羅の門〜外伝〜)』という大人気のマ ンガがあります。これらも宮本武蔵やあるいは新撰組、果ては源九郎義経 と武蔵坊弁慶などなど歴史上有名な人物が登場しますが、みないきいきと 活躍しています。それが事実かどうかはともかく、創作する側としては、 おおいに見習うものがあるのではないでしょうか? ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Information ・メールマガジンの情報を許可も得ずに他に転載することは禁止していま す。 ・このたび発行人、しな松りお左衛門にハンドルネームを変更いたしました。 ホームページもようやく開設することができましたので、これから、 どんどんとみなさんと交流をとっていければよいなと思っておりますの でよろしくお願い申し上げます! ・このたび、私、しな松、ホームページを立ち上げました。 まだまだ発展途上のサイトですが、よかったら、覗きにきてやってください。 http://www1.ocn.ne.jp/~scenario/ ・皆さんからの情報・創作に関するネタ、疑問など募集しております。 映画・ドラマのレビューも大歓迎! もしもいただけるなら、こちらへ → hideosakajp@yahoo.co.jp それではまた来月! 発行者:しな松りお左衛門 |