hebdofrance 07042003 2003/04/07

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タイトル：hebdofrance 07042003 2003/04/07

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Davide Yoshi TANABE vous presente 　　　　　　　　　　　　　　≪週刊フランスのＷＥＢ≫ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第166号 Tokio, le 7 avril 2003 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Index (目次）１．手話２．盲導犬３．蚤の市４．シャンソン　ピアフ「サン・トゥアンとクリニャンクールの間で」５．忘れられたフランス人パレ　「近代外科の祖師」６．あとがきフランス語のサイトの文字化けは表示＞エンコード＞西ヨーロッパ言語の順で選択すれば修正することができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　　　　　　　　　　　　　　１．langue des signes 　　http://mickybadia.free.fr/lsf/ 　本誌98号（2001年11月5日）のJean Itard「野生の少年」の項で、手話の発明者聾唖教育者ド・レペー司祭Charles Michel de l'Epeeについて若干触れた。また、点字の発明もフランス人Brailleであることを本誌77号（2001年6月4日）で述べた。　手話もフランス語の手話、日本語の手話がある。ある程度エスペラントのような世界共通語があってもよさそうであるが、フランス、日本、アメリカ等々それぞれの文化があるから、手話も結局文化そのものである言語それぞれに固有の表現となって分化している。サイトでは先ずアルファベットが示される。スクロールしていくとbonjour, ca va?なども紹介されている。しかし、このアルファベットも他の言語では異なってくる。たとえば、american sign language (ASL) は次の様である。 http://www.masterstech-home.com/ASLDict.html 　専門用語の手話辞書として次のサイトがあった。 http://www.lsf.univ-nancy2.fr/index2.asp ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝２．chien-guide de non-voyant 　　http://195.146.220.66/FFAC/Site/Page.php 　サイトはフランス盲導犬協会である。近時日本でも盲導犬に、あるいはそのオーナーに対する理解が深まっているかにみえる。大体の交通機関を盲導犬を連れた盲人aveugle（これは差別用語ではない、盲（めくら）も同様だが、コンピュータでは漢字変換出来なくしている、愚かしいことだ）も利用可能になった。しかし、まだまだ偏見が多い。　フランスの全盲人口は55.000人、日本は120.000人と統計に出ている。全ての全盲者が盲導犬所有を希望しているわけではないが、盲導犬の数は、フランスも日本も、アメリカや英国に比して圧倒的に少ない。フランスでも、盲導犬の取得申請を協会にしてから1年ないし2年待たなければならない。盲導犬取得は日本もフランスも無料である。但し日本では、協会からの「貸与」ということになっている。これはスイスも同様で、貸与か所有かはあまり問題ではないようだ。むしろ、盲導犬とオーナーとの心理的関係が問題となりそうだ。　サイトで、どのような犬（わん）ちゃんが盲導犬として訓練されるか、それには幾ら経費がかかるか、何年くらいの訓練を必要とするか等々の質問に答えてくれる。統計もある。　ここで取り上げたいのは、盲導犬のアクセスである。冒頭に交通機関では受け入れられるようになったと書いたが、タクシーなどはどうだろうか。2002年10月 1日に施行された「身体障害者補助犬法」第４章によれば、タクシーは盲導犬の乗車拒否が出来ない。また同法に従えば、レストラン、ホテルも、盲導犬を拒否してはならない。これは1988年に出た厚生省の通達などから比べると大変な進歩である。　ところが、この法律に違反しても営業停止や罰金等の規定がない。せっかく盲導犬を「拒否してはならない」と明示しているにも拘わらずである。さらに住宅入居等については「努めなければならない」という努力目標を上げているに過ぎない。これではザル法なのである。　フランスの場合は、さすがなんでも法律に規定してしまう国民性もあるだろうが、厳しい罰則規程がある。即ち1987年7月30日の法、第88条を補足修正する 1993年1月27日の法、第77条である。 http://www.chien-guide.org/rep14.htm これは、その後「家族・社会行動法code de l'action sociale et des familles」に統合されたらしい。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝３．Marche aux puces 　　http://www.parispuces.com/fr/home.asp 　パリの蚤の市は有名だろう。僕も数回クリニャンクールでメトロを降りて見に行った記憶がある。丁度今回のitem4のピアフの歌でこの市（いち）が出てきたので、サイトを訪問する気になった。　このサイトをみると、「蚤の市」の起源は数世紀も遡るということだが、実際「蚤」などという言葉が冠されるようになったのは20世紀始めの頃のことであるようだ。当時の印象として、こまこましたガラクタがいっぱい売られていることを云ったのである。今でもそのとおりだと思う。骨董というほど価値のあるものが置いてある店はそうない。観光客としていくと、なにやら騙されそうな場所である。　蚤puceは小さな昆虫だが、最近ではマイクロチップのことも指すようになった。蚤は虱（しらみ）とともに、日常極めてポピュラーな虫であった。幸いなことに、フランスでも日本でも珍しい存在になった。スペインやイタリアで蝿をみつけると、「スイスじゃ、蝿は博物館に行かないとみられない」と悪口を言ったものだが、蚤も博物館行きになっている。もっとも東京ではかわってダニがいるそうだが。いずれにせよ歓迎されない昆虫である。ダニ研究で有名な青木淳一先生によると、ダニは昆虫ではないのであるが（足が8本ある）、蚤は昆虫である。　それはそれとして、パリの蚤の市とはいうものの、場所はパリの郊外サン・トゥアンSaint Ouenである。クリニャンクールまでがパリ。 http://www.st-ouen-tourisme.com/fr/la_ville/la_ville_les_armes.html 聖ウアンは7世紀の聖人で、ルーアンの司教Audoenus Dadon。Audoenusのフランス語がOuenだそうである。何故聖人となったのか調べたが良く分からなかった。ともかく聖人の数が多すぎる。　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝４．Edith Piaf 　　Entre Saint-Ouen et Clignancourt Paroles: M.Aubret. Musique: A.Sablon 1933 J'ai vendu des fleurs aux terrasses Quand j'avais dix-sept ans Mais la roue tourne, le temps passe : J'ai du fric, a present. Eh bien ! Malgre mon compte en banque, Ma bagnole, mes bijoux, Certains jours quelque chose me manque. J'ai l'cafard tout a coup. テラスで花を売った　17歳のとき　定めはまわり　時はすぎ　今や　小金ができて　銀行にも預金があって　車も宝石もあるけど　ときどき何か足りないの　気がめいる cafardとは「ゴキブリ」だが、語源はアラブ語のkafir（不実な）らしい。これがどう「ゴキブリ」と結びつくのか、全く不明。辞書で別建ての見だしになっていないのだから、不思議である。 Entre Saint-Ouen et Clignancourt, De temps en temps faut qu'j'fasse un tour Sur la zone. Je r'trouve alors tout mon passe, Le ciel si doux, les durs paves, L'herbe jaune Et, pataugeant dans les ruisseaux, Des bandes de gosses moitie poulbots, Moitie faunes, L'odeur de frites et de lilas. En frissonnant je r'trouve tout ca Sur la zone. サン・トゥアンとクリニャンクールの界隈（かいわい）を　時々歩きまわりたくなる　するとわたしの過去を思い出す　穏やかな空　硬い石畳　黄色い草　どぶの中を歩く　半（なか）ば浮浪児半ば牧神の仲間　フレンチ・ボテトとリラの香り　震えながら　このあたりのことを思い出す poulbotとはFrancisque Poulbot (1879-1946)の好んで描いた「モンマルトルの子供たち」のデッサンから、転じて貧しい子供たちを指す。いまでいえばストリート・チルドレンに近いといえようか。Poulbotはいつもポケットに子供たちにあげる飴やお菓子を用意していたと言う。このPoulbotについては、 http://perso.wanadoo.fr/j.bailly/fr/apoulbot.htm A mon avis, les gens du monde Ne sav'nt pas fair' l'amour. Au moment critique ils abondent En bobards, en discours, Alors cell's qui, comm' moi, connaissent C'que c'est qu'un male, un vrai, Cell's 'la s'dis'nt : un mec, en vitesse Et je me rattrap'rai. 世間のひとは　愛し合うことを知らないのよ　大事な時に諦めてしまう　嘘で　おしゃべりで　わたしのように　知っている女たちは　男　ほんとの男を　彼女たちは言う　口早に　イロと　そしてわたしがつかまってしまう通常faire l'amourはもっと直接的行為を指すのだが、ここではその意味も含めているだろう。 mecとイロ（色）としたが、江戸趣味かな。 Entre Saint-Ouen et Clignancourt, De temps en temps faut qu'j'fasse un tour Sur la zone. On s'envoie chez le gros Leon, Tandis que chant' l'accordeon, Un vieux Beaune. C'est le printemps et c'est le soir. Calmes et forts, devant l'comptoir, Des gars tronent Et dans l'tas on n'a qu'a choisir Pour apaiser tous les desirs Sur la zone. サン・トゥアンとクリニャンクールの界隈を　時々歩きまわりたくなる　デブのレオンの家でやる　アコーデオンをききながら　いいワインをいただいて　春　まさに暮れ時　静かで強い　カウンターの前で　野郎どもが君臨する　大勢の人の中に選ぶしかない　欲望という欲望を鎮めるために　この街で Quelquefois mem' le coeur s'en mele Et pour entendre mieux, La voix qui dit : "Mom' c'que t'es belle" On ferme les deux yeux Mais on n'vit d'amour et d'eau claire Que dans certains romans, Alors, bien vite, on s'fait la paire Sans rever plus longtemps. 時折心が口出しをする　「お姉さん、綺麗だね」という声をよく聞くために　　目を閉じて　恋や澄んだ水が見えるのは　物語のなかだけ　だから　すぐに　番（つがい）になる　もっと長いこと夢を見ないで Entre Saint-Ouen et Clignancourt Je suis rev'nue hier faire un tour Sur la zone. Quel chang'ment alors j'ai trouve : On demolit de tous cotes. Quel cyclone... Plus d'bosquets, plus d'baraqu's en bois, Plus d'ces chansons qu'etaient pour moi Une aumone Et devant mes souv'nirs detruits, Tout' seul' j'ai pleure dans la nuit Sur la zone. サン・トゥアンとクリニャンクールの界隈を　時々歩きまわりたくなる　なんて昔とは変わったのだろう　いたるところ壊されて　なんていう暴風、、、木々は倒され　ほったて小屋もない　わたしのためだった歌もない　壊れてしまった思いでの前に　この街の夜に　たったひとり泪にくれる　1933年という時代のSaint Ouenは、第一次世界大戦後に、シトロエン、マルティーニ、トムソンなどのの工場が進出してパリ郊外の一大工業地帯となっていた。一方、隣国ではナチが台頭してきて、世情は不安なまた不穏な頃であったと思われる。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝５．忘れられたフランス人　　Ambroise Pare' 1510 - 1590 　　http://ambroise.pare.free.fr/ 　アンブロワーズ・パレは近代外科医学の始祖である。フランスの歴代の王、アンリⅡ世、フランソワⅡ世、シャルルⅨ世そしてアンリⅢ世の外科医でもあった。　ロワール地方メイエンヌ県のラヴァルLaval近くの村で生まれた。父親は床屋。といってもbarbierだから顎鬚（あごひげ）を整えるのが本来の仕事だろうが、接骨医を兼ねていたらいい、ま、床屋の息子として生をえたのである。上記サイトでは、これを否定して木箱細工師coffretier（この単語はロベール辞典にもなかったが）だったという。読み書きは、当時のことだから教会で習った。しかし、どうもラテン語も、ギリシャ語も出来なかった。24歳になってはじめて医者になることを志す。1533年のことである。この年代については、実は定かではない。というのは、1509年あるいは1517年生まれという説もあるからである。　いずれにせよ、パリで修行の後、1537年にはイタリア戦線で軍医になっている。そこで、火器で負傷した兵士に画期的な処方を発明するのである。1540年に「床屋・外科barbier-chirurgien」の資格をとっている。外科医になったとはいえ、なにしろ「たたき上げ」のお医者さんである。従来の理論・手術の方法に囚われず、戦場で、なんと卵黄（卵の黄身だ）とテレビン油と薔薇油とをまぜて傷の手当てに使ってみたというのである。すると患者は痛みを感じなかった。また、塗り薬として「小犬の油」も発明した。にわかにはしんじがたいのだが、百合の油で生まれたばかりの小犬を煎じて松脂（まつやに、テレビン）とミミズをくわえるというのだから、なにやらこうなると錬金術師の処方かともおもわれる。　ともかくも、イタリアからパリに帰り、再びスペインとの戦線（ペルピニャン）でも、手術の実践を続ける。手足の切断amputationもした。その後も、オーストリアとの戦争、そしてプロテスタントとの長い宗教戦争があって、そのたびにパレは戦線に呼ばれた。そんなことが1974年まで続いた。「たたき上げ」といったが、経験に基づいた臨床外科手術に関する著書を多く残した。　ところで、パレの9番目の子供は1581年生まれである。これもたいしたものではないか。　外科というのは大工みたいなもので、いまだってそうかわっているとはおもわれない。いくつかのパレの発明した手術方法は今日でも採用されているという。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝６．あとがき　武器製造業者は戦争を歓迎しているに違いないが、一体具体的に誰が作ったミサイルなのか、爆弾なのか情報がない。国家秘密なのか。　アメリカ製品をボイコットしようという。過日日比谷公園のデモでみたリストにはマイクロソフト、アップルが入っていた。ボイコットの実現性があるのか疑わしい。コンピュータのOSは既に米国企業の寡占で、たとえば僕はwindouwsを棄てることができない。コカコーラ、マクドナルドを避けることは容易だ。保険会社Alico、Axaもリストに載っていた。AlicoはAmerican Life Insuranceだからアメリカの会社だろう。だが、Axaはフランスの会社である。スターバックスはシアトル出身だからアメリカだろうが、ネスレはスイスである。もっともアメリカの会社でなくても、いわゆる多国籍企業郡だからその企業のオリジンは問わないとすればリストに載ってしまうのもわかる。しかし、それでは巨大日本企業はどうなのだ。アメリカのミサイルに搭載されているICの多くは日本製である。では NEC、日立等を何故リストにあげない？　島津製作所、三菱重工は戦争と無関係？　こうしてみると実際、リストは膨大なものになってしまう。だから、贖罪山羊として一部をリスト・アップしたのか。僕はリストを作る意味はないと思う。実効性がないからである。それよりも、対象を一つに絞った方がいい。たとえばマクドナルドだけにすれば効果があるかもしれない。　いずれにせよ、僕はコカコーラを飲まない。例外はラムをコーラで割るクバ・リーブレを飲む時だけである。ベトナム戦争に反対した時から飲まないことに決めた。一人でマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンに入ることもない。ハンバーガーを食べないことはないけれども、挽肉は、肉屋で目の前で僕の指定した場所を、大抵はentrecoteを指定するが、挽いてもらう以外買わない。特に日本のスーパーでは、何が挽肉の中にあるのか分からないこと、マクドナルドと同じだから買わない。　かといって、僕は反米主義者ではない。アメリカも好きだ。アメリカ人も凡そ単純で、フランス人よりも付合い易い。しかし、あまり類型化したくない。しないように努めている。　「デカルトの数学思想」（佐々木力著）が東大出版会から2月末に出た。この出版社が企画している「コレクション数学史」の第一巻目である。序文によれば、佐々木教授が1988年プリンストン大学で博士号を受けた時の論の増補版だそうである。本文が500ページもある。　7.400円もする。余りに高い。世田谷区の図書館で予約してほぼ1ヶ月待って借りることが出来た。デカルトは17世紀の人である。丁度今僕が興味ある時代なので、借りたわけである。ところがである。読み始めのところ、まさに序文で、本誌111号（2002年2月11日）で僕が噛みついた「方法論序説・叙説」に行き当たった。佐々木教授は「序説」を採用しているのである。ご本人が英語で書いた論文の日本語訳がこの「数学思想」なのだが、「序説」とは参りました。Discours de la Methodeのdiscoursは「叙説」とすべきである。または単に「方法論」としなければならないと考える。 http://members.tripod.co.jp/davidyt/log111.htm とても大部である「デカルトの数学思想」の全部を読む勇気は僕にない。デカルトとイエズス会の関係を知ることができれば当面充分なので該当個所を拾い読みしようと思っている。神学で秀でていたドミニコ会のことが出てくればさらにありがたい。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝発行者：田邊　好美（ヨシハル）　　　　〒　157-0073　東京都世田谷区 e-mail: davidyt@m2.ffn.ne.jp 郵便振替口座　名称　HEBDOFRANCE　番号　00110-2-314176 成城学園前郵便局当ＭＭのホーム・ページは http://members.tripod.co.jp/davidyt/hebdofrance.index.html 次ぎの２サイトをミラーとします。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/9981/ http://davidyt.infoseek.livedoor.com/hebdofrance.index.html ここからＭＭ発行所にリンクし、解除手続きができます。解除は各人が購読を申し込んだ発行所、まぐまぐ、Pubzine等から行ってください。eGroupを除いては僕が管理人ではないため、解除手続きが出来ません。悪しからずご了承お願いいたします。過去ログ(archive)も上記ホーム・ページで全てご覧になることができます。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

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