メルマガ:月刊小説メールマガジン『君が好き!』
タイトル:月刊小説メールマガジン『君が好き!』  2003/04/02


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月刊小説メールマガジン         2003年4月1日 発行
『君が好き!』   増刊号vol.35
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 こんにちわ、篠原です。
 いやあ、戦争ですね。いつも、198円で売っている5個入りティッシュペーパー
が、なんと238円に値上がりしてました!
 とうとうきたかオイルショック?!
 それよりも、戦争が長引くとそのぶん日本がお金を出すので、消費税率upが
気になるこの頃です。

 今回、篠原の作品はリアル事情により、とっても短いです。すみません…
 か、書けないんです。メンタル的にダメで…

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増刊号 今月のラインナップ  
●愛の寸劇劇場 【ちょっとおかしな二人の話《再会編完結》】瀬乃美智子
●『聖獣戦記』第9章 篠原美姫緒
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     【ちょっとおかしな二人の話《再会編完結》】
                           by瀬乃美智子


「夢見たいです隊長ー!」

翌日出勤してきたカミアは、部室中に響き渡る声で隊長へとのろけていた。

「よ、よかったな…。」

昨日から散々同じ台詞を聞させていた隊長は、うんざりといった表情で笑顔満
面のカミアを見上げた。

とにかく何がなにやら分からない。
昨日、やっと処置室に通ることを許された二人だが、相手の青年は顔を合わす
なりカミアを将来の嫁扱いしたのだ。

そのひと言で、カミアはのぼせ上がるし、周りの皆は固まるし…。
そんな彼らにお構い無しに、私にはこちらに身寄りがないので入院中の面倒を
見てもらってよいですかと勝手に言い出す彼に対して、カミアはもちろんです!
と元気に答えたのであった。


「お前は休んで看病に行かんでいいのか?」
「いいんです!仕事はちゃんとしていいと、彼も言ってくれたので♪」

すっかり彼女気分なカミアは、それでも仕事はする気満々らしい。
というか、仕事も恋愛も絶好調でこわいぐらいだ。


「お前、本当にあいつと付き合う気なのか? お前も変わってると思ってたが、
あいつはそれに輪をかけてかなりいっちまってるぞ?」
「どうしてですか? 別に普通の人ですよ?」

想いがかなって絶好調なカミアには、どこが可笑しいか分かっていないらしい。
だって、普通会うなり嫁さんよばわりせんだろうと言う隊長に、あらそうです
か?とカミアは首を捻った。

「会った瞬間、あ!この人と結婚する!って分かる人もいるって言うじゃない
ですか〜。」
「それともちょっと違う気がするんだよな、やつの場合」

奴奴って言わないで下さい、彼には“レイモンド”っていう、ちゃんとした名
前があるんですからと、カミアは隊長に食って掛かる。
そんな彼女に、まぁ、お前が幸せならいいんだがなと、隊長は溜め息混じりに
答えたのであった。



「病院食ばっかりだとあれかと思って、差し入れ持って来ました」
夕方、今日は何事もなく終わって夕食の時間に間に合ったカミアは、レイモン
ドの特別病室にいた。

「ああ、そんな心配しなくてよかったのに。特別に計らってもらって私には特
別料理が出てるんですよ」

しかしそういう割りには運ばれてくる様子がない夕食にカミアが首を捻ってい
ると、レイモンドは笑って来ませんよと言った。

「今日はあなたが差し入れを持ってきてくれると分かっていたので、夕食はキ
ャンセルしておきました」


彼の言葉に、警護役の黒服は肩をすくめる。
…あぁ、言っておくがカミアとレイモンドは二人きりなどではなく、病室には
情報部から派遣された警護の者たちが3名ほど詰めていた。ちなみに、廊下に
はもう2名。

急に夕食はいらないといいだすのでなんだと思ったらこういう事だったのかと
…、その常識ハズレな彼の予知能力ぶりに、警護役たちは肩をすくめたのであ
った。

「よかった。でもまだあまり食べちゃいけないのかと思って、中華街に寄って
中華粥を買って来たんですけどこれじゃあ…。」
「中華粥? ああ、好きですよありがとう」

にっこり微笑まれて、カミアは嬉しそうにベッドの上の簡易テーブルに買って
きたものを並べた。


「でもお粥だけだとと思って、他にも2品買ってきたのでどうぞ」
「ああ、ありが…っ。」

…とう、と言いかけたレイモンドの笑顔が固まる。

テーブルの上には、中華粥と、ちまきと、チャーハン。
どこをどうとってみても―――。

(…全部、米だろこれ)

心の中で激しく突っ込みつつ、ひとしきりそれらを眺めた後、レイモンドはカ
ミアを見上げた。
彼女が夕食を持ってきてくれる事までは予知したが、その品まではさすがに…。


「カミア、君って…。かなり予測不可能な人だね」


予知に関して、初めて敗北の二文字を感じたレイモンドであった。



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      『聖獣戦記』            篠原美姫緒


   第九章 聖戦



「なんで…?! あイタタタタ」
 咲羽は、右腕をさすった。Tシャツの袖口から大きな青あざが見える。
「すごい痣だなぁ。大丈夫か?」
 アレリニオが咲羽の腕に手を伸ばした。咲羽は左手でそっと手をはらう。
「いつものことだから、すぐ消える。」
 咲羽は、はぁっと大きなため息をつくと、怖い顔をしてうつむいてしまった。
「咲羽、おまえの中にもう一人居る。その人がわれわれをここへ運んだのだ」
 愛くるしいほどの顔をした麒麟に宿るイアンは、咲羽の心の内を察して言っ
た。
「イアン様?」
「おまえ、北殿に行ったのか? セイヤの匂い… いやセイヤとは少し違った
北の匂いがする」
「いいえ 私はアレ以来、メール山やリヒトにも行っていません。私…」
 咲羽の頬に涙がつたう。
「イアンさま。星がいなくなってから、だんだん力が強くなってきています。
私は、私、側に星がいないと力が使えなかったんです。いえ、使えないと思い
込んでいました。でも、でも…! 逆だったみたい。」
「逆?」
 アレリニオは、仲良く写っている咲羽と星の写真を手にとった。
「星がいるから、私、普通の人間でいられたの! アレリニオとイアンさまが
ここに居るの、やっぱり私が連れてきてしまったんだ!」
「咲羽… そんなにティーアであることを気にしないでも」
「ティーア、か。この、星って奴もティーアなんだろ?」
「………そう。朱雀に選ばれた人間。私が彼に憑いていた朱雀を封印したの。」
 咲羽の衝撃の告白に絶句するイアンとアレリニオであった。
 当時たった10歳の女の子が、フラメの守護神である朱雀を封印したというの
だ。
「テレビに映っていたオーカス将軍の姿を、見様見真似でやってみたら、本当
にタイタンが現れてしまった。あのとき、それはもう大騒ぎだった」
 5年ほど前、メール山を超えて異国が攻め入ってきたことがあった。そのと
き、ヒンメルの召喚士であるオーカスが聖獣タイタンを呼び出し、追い払った
のである。その模様は全土へ中継された。その直後、フラメでもタイタンが現
れたのである。
「あ、あれは咲羽、君が呼び出したのか?!」
 オーカスが恐れていたタイタンを呼び出したフラメの召喚士が、咲羽だった
という事実にアレリニオはさらに驚いた。



                              《続く》


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 あとがき
 増刊号のはじめとあとがきが、すっかり篠原の愚痴トークで定着してしまい
ましたね(汗)
 いや、話題がないんですよ話題が…。
 戦記ものばっかり書いている篠原ですが、イラク戦争はいかんね。アメリカ
の欲とお家騒動と宗教が見えてなりません。ストーリー的にそれだけで成り立っ
てしまいます(笑)やっぱり戦争はいけません。平和だから戦記物が書けるの
です。今回の戦争で日本国民がアメリカに資金提供する額は、国民一人当たり
(年寄りから赤ちゃんまで)100万くらいになりそうです。ふざけるなよ!
アメリカが勝手に戦争してるんじゃないかぁ!なんで私が100万も出さないとい
けないんだぁ! と、篠原の心の叫びでした。

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 月刊小説「君が好き!」メールマガジン  2003/4/1 増刊号
 発行責任者 :篠原美姫緒  kimigasuki@1-emishop.com
 Webページ:http://kimigasuki.hp.infoseek.co.jp/
 発行システム:『まぐまぐ』『melma!』『Mailux.com』『E-Magazine』
 マガジンID:0000025584 m00012567 ms00000142  loveyou
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