メルマガ:『テーマパークは私の学校』
タイトル:【テーマパークが私の学校】No.029 2003/3/24  2003/03/25


■ ■ ◇                       テーマパークが私の学校
■ ■ ■             「そうか!! 教育って、そういう事だったんだ」
■ ■ ■                       . . .2003.3.24 No,029
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==[▼ご挨拶]================================================================
 
 お待たせしました〜ぁ!! 皆さんこんにちは!!
  前回お休みして申し訳ありませんでした。香取貴信ですm(_ _)m

  メルマガや本の読者の皆さま、そして講演会などで知り合った方々から「なぜ、
 香取はあんなにも良い先輩や上司の方々に出会え、素晴らしい指導を受けれるの
 か?」との質問などを受けることがあります。

 今回はその秘訣!?と言うか、キッカケと言うかを教わった時のお話しです。
 それでは早速、第29話行ってみよう!!


================================================================[▲ご挨拶]==
 
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第29話:「有言実行」
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今回は高校を卒業しお城の騎士になってからまもなくたった時のお話しです。

夜のパレードのお仕事から憧れの町丸さんと生重さんが所属するお城の中を案内する
アトラクションに配属させてもらい、きっといつかはあの人達のようにと思って仕事
をしていました。

当時の私の目標は、いつか町丸さんや生重さんのようなパレードの責任者のお仕事を
任せてもらうこと!!

その責任者になるためのステップでは、アトラクションの新人スタッフを教育するト
レーナーにならなくてはならず、毎日どうしたらトレーナーになれるのかを考えてい
ました。

当然トレーナーになるためには、アトラクション全てのことを理解し、他のスタッフ
の見本にならなければいけないわけですから、覚えることもたくさんありました。そ
してトレーナーは「他のスタッフの見本に……」と言うところを勘違いをしてしまう
のです……。

一緒に配属されたお城のスタッフはみな、舞浜の巨大リゾートでアルバイトをするの
がはじめてなわけですから、高校生からアルバイトをしている私と比べれば、多少色
々なことを当然知っているわけです。

そんなこともあり、新規スタッフがトレーニングを終了してデビューするといつも寄
っていって、自分の知っていることをこれ見よがしに押し付けます。

「お早よう!!」
「あっお早ようございます」
「君、今日からデビューだよね?」
「あっハイ!! 茂本って言います。よろしくお願いします!!」
「よろしく!! 俺の名前は香取って言うんだ。そう言えば今日のポジションは外のポ
 ジションだけどわかる?」

「……はぁ、今日がはじめてなんで……」
「そうだよね、じゃぁ俺が教えてやるから、何でも聞いて?」
「ハイ!! お願いします」

とにかく私は、新しく入った新人を見つけては自分の子分のようにして振舞います。
あの当時は、スタッフの見本になることは、子分をつくることのように錯覚していた
のだと思います。

そして、何かイレギュラー(トラブル)があると首を突っ込みます……。
例えば、アトラクション入り口でのチケット紛失によるトラブルが発生すると……。

「おぉ、佐賀屋、どうした?」
「あっ香取、ゲストがパスポート無くしたみたいだから、遺失物センターに問合せよ
 うと思って!!」
「おぉ、それだったら、俺がやってやるよ!!そのゲストはどこだ?」

「いやぁ、大丈夫だよ自分でできるから……。それにゲスト待たせてるし……」
「遠慮すんなって、俺がやっといてやるから、連れの人のパスポート番号教えてみろ
 よ」

「……あっ、うん、わかったこれに書いてあるから……。ゲストは入り口で待ってる
 4人連れの家族だから……」
「OK!! 任しとけ!! じゃぁ、佐賀屋はもう自分の持ち場に帰って良いぞ!!俺やっ
 とくからよ!!」
「……うん……」

別に佐賀屋君でも誰でも充分に対応できることなのですが、当時の私は何とか自分の
手柄を立てて、認められたいと勘違いをしていました。

さらに迷子を連れているスタッフを見つけると……。

「おぉ、太ちゃん、どうしたぁ?迷子かぁ?」
「あっ香取くん、この子のお母さんが居なくなっっちゃったんだよねぇ……」

「はぁ?お母さんが居なくなったんじゃなくて、こいつが迷子になったんだろ、よー
 し、おれが探してやるよ!!」
「こっこいつってぇ……。いやぁ……大丈夫だよ、香取君ポジションもどんないと…
 …」

「んなこと気にすんなって、俺が探してやっから!!
 なっ!! ぼくぅ、迷子かぁ、お兄ちゃんが一緒に探してやっからよ!!大丈夫、任し
 とけって!!」

今考えても感じの悪いスタッフだったと思います。しかし、当時の自分は早くトレー
ナーになりたくて仕方ありませんでしたから、ちょっとでもイレギュラーを対応して
いるスタッフを見つけては、余計なことばかりしていました。

しかし、自分ではわからないイレギュラーが発生した時のことです。
ガイドが終わり休憩していると、お城の中で通常地下をガイドするのに6分間かかる
のですが、城内でトラブルが発生し7分かかることにという連絡が……。

実はお城のアトラクション、私達スタッフがゲストの先頭に立ちガイドをするのです
が、地下で1分長くなると、アトラクションの入り口では、通常と同じタイミングで
ツアーが出発するため、地下で前後のお客さんが見えてしまうということになってし
まいます。

そこで地下と入り口のタイミングを合わせるために、入り口で数分伸ばしストップウ
ォッチを持ってガイドをしながら、地下で時間を合わせて脱出する手順があります。

普段の合図とは全くあわなくなるために、通常であればこのような立て直しは、アト
ラクションを良く理解しているトレーナーが行うわけですが、この時間に限りトレー
ナーがいませんでした。

「城内のガイドペースが遅れたんだってなぁ!!
 しょうがない、俺がやっかぁ!!」
「……えっ、香取やり方知ってんの?」
「当たり前だろ、そんなのわかるって!!まぁ、みんな見とけよ!!」

とは言って見たものの、実はそこまで勉強しているわけでもない私は、その手順と仕
組みさえしりませんでしたが、これを立て直せばきっと、認めてもらえるかも知れな
いと考えた私は、当日アトラクション責任者の砂糖さんには内緒で、ストップウォッ
チを持ってツアーに出ることにしてしまったのです。

「香取くん、本当に大丈夫なの?」
「古田、大丈夫だってまかしけよ!!」
「でも、砂糖さんに言ってからの方が良くない?」
「うるせーなぁ〜。いいんだよ、ほら早くゲスト入れろよぉ!!」

頭ではなんとなくわかっていたつもりでも、いざはじまって見ると、スタートさせた
はずのストップウォッチは止まっているし、本当は1分間入り口で延ばしてから出発
するはずの手順なのに、通常通りスタートしてしまい、ものの見事にガイドペースを
めちゃくちゃにしてしまう羽目に……。

ガイドが終わりお城を出た先でまっていたのは、当日責任者の砂糖さんの雷でした。

「香取(怒)、お前何勝手なことしてんだ!!」
「スッすみませんでした」
「余計なことするから、ペース立て直すのに一回アトラクション止めなきゃなんない
 んだぞ(怒) どうすんだ、並んでくれてるゲストは!!」

「……ちょっと失敗したみたいで……」
「もう余計な真似すんな(怒)、わかったかぁ」
「……はい……」

その日終礼後、たっぷり絞られてトボトボと帰る私のところへ生重さんが……。

「香取っ!!」
「あっ、生重さん……。俺、また勝手なことして……」
「あぁ、お前聞いたぞ。何やってんだ!!」
「すみませんでした……」

「でっ、なんでまた、あんなことしようと思ったんだ?」
「……うまくできたら、認めてもらえてトレーナーにしてもらえるかと思って……」
「思ってって、お前にあの手順教えてなかったろ。誰かに教えてもらってたのか?」

「いやぁ……まあ大丈夫かなぁって思ってて、それに教えてもらわなくてもできたら
 すげぇーかなぁって……」
「ふーん、そりゃぁすげーかも知んないけどなぁ……。お前自分で勉強したのか?」
「いや、してません……」

「それじゃぁ、無理だろ。ったくお前はなぁ……
 確かに、つい最近入ったスタッフには難しい手順ってのも問題あるけど……」
「……」

「あのなぁ、香取、お前が早くトレーナーになって、パレードの責任者になりたいの
 もわかる。それには、みんなに認めてもおうと言うのもわかる。それは悪いことじ
 ゃないな。

 だからといって、他人の手柄を横取りしようとしたり、わからないのにわかる振り
 してやってみたりってしてても、それは見破られるしボロがでるんだよ!!
 お前の向上心は認めるけど、やり方がお前にはあってねぇなぁ……」

「やり方……ですかぁ……」

「うん、お前さぁバカだし、勉強も嫌いだろ!!」
「はぁ……確かに」
「今のやり方はちょっと格好つけすぎなんだよなぁ……。
 不言実行って知ってるか?」

「はい、何も言わずに実行してみせるってやつですよね」
「そうだよ、お前には不言実行は似合わないんだよ。俺と一緒で、勉強嫌いのバカな
 んだからよ……」

「はぁ……」

「一番いけないのは、知ったかぶりなんだよ。きょうのだって、知ったかぶりでやっ
 ただろ、俺とかお前みたいな奴はさぁ、常に有言実行だよ」
「有言実行……ですか?」

「うん、まずはわからないことは知ったかぶりをしないでどんどん聞くこと!!」
「え?でもそれじゃぁこいつは何にも知んないんだって思われるじゃないっすか?」
「いいんだよそれで!! 格好つける必要ないの!!
 いいか、お前はまずはトレーナーになりたいんだろ、町丸さんみたいになりたいん
 だろ?だったら、そうやって普段から言いふらせ!!」

「……でも、俺みたいな奴がそんなこと言ったら無理だって言われるじゃないですか
 ?」
「そうだよ、それでもいいの!!
 でも、そうやって常になりたい自分を言いふらせば、間違ったことした時にはみん
 なが教えてくれるだろ、『香取君、そんなことしたらトレーナーになれないよ、そ
 れじゃぁ町丸さんにはなれないよ』ってアドバイスしてくれるだろ!!」

「おぉなるほど」
「そうやって、普段からなりたい自分をみんなに言う事で、アドバイスがもらえるか
 らそれを素直に受け止めて、きちんとやっていけば必ずなりたい自分になれるんだ
 よ!!

 いつか、皆がおどくようなことを黙ってやろうとしても、香取がなりたいものがわ
 からないから誰もそこにアドバイスはしてくれねーんだよ。
 だから自分で勉強できるようなタイプじゃない俺たちはいつでも有言実行なんだよ
 !!」

 こうして、生重さんが教えてくれた「いつでもなりたい自分をみんなにアピールす
 る」ということをするようになり、格好つけずにありのままで色々な人から教わる
 ことるいことができたんだと思います。

 これが私が上司や先輩そして友達からアドバイスをもらえる秘訣なわけです(笑)


 次回は4月7日発行予定です。どうぞお楽しみに!!

■編集後記****************************************************************■
 
 先週の水曜日に私の尊敬するメルマガの巨匠【日刊!!頑張れ社長! 今日のポイン
 ト】、そして『経営の教科書』の作者、武沢信行さんにお逢いすることができま
 した。

 自分がメルマガやHome Pageを担当することになった時、どうやって良いのかわ
 からずに悩んでいたとき、上司の斉藤さん「これ凄げーぞ!!」って見せてくれた
 のがあのメルマガでした。

 そして、武沢さんのマネ(一応断ったんですよ)をしてはじめたあの人に逢える
 なんてと夢にも考えていませんでしたので、もう嬉しくって週末も興奮が冷め遣
 らないほどに……。

 読者のみんさんの中でも知っているかたも多いと思いますが、きっと毎日役立つ
 ことがあるはずです。皆さんも読んで見てください!!超お勧めです!!

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 そして、明日はいよいよナリミヤインターナショナルの新入社員研修にエンター
 テインメントサービスの講師として参加することに……。今から緊張、ジャング
 ルクルーズうけるといいなぁ〜(笑)

 さらに夜には第二回のOFF会が決定!!読者の皆さんの所へ、新米研究員の野口さ
 んからメールが届いたと思いますが、今後とも宜しくお願いします。
 ついに読者の皆さんの前に町丸さんが登場ということで、ちょっとドキドキの私
 ですが、読者の皆さんの反応が楽しみです!!怖いよ〜(笑)
  
 今回もメルマガを読んでくださって本当にありがとうございました。また、感想
 やご意見のメール返信が遅れてしまったこと申し訳ありませんでした。今後もま
 たご意見やご質問、聞いてみたいことなどありましたら何でも結構です。お気軽
 に下記までご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いします。
  
 mailto:shuu@aurora.ocn.ne.jp
 URL http://www.shuu.co.jp/Guestbook/Guestbook_frame.htm
 
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 『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』
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 隔週 月曜日発行 【テーマパークが私の学校】
 隔週 金曜日発行 【モーニング娘で考えるテーマパークの運営】
           現在大人気のモーニング娘を題材に、テーマパークの運営
           考えていきます。
 
 それぞれのメールマガジン紹介とバックナンバーはこちらです。
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 筆者である私は、恥ずかしいのですが、中学・高校時代は「ヤンキー」でした。
 そんな私でも、テーマパークでアルバイトをするようになり、そこでの教育や指導
 をとおして、現在レジャーサービス業で教育や運営などのお手伝いをしている株式
 会社SHUU研究所に勤務することが出来ました。
 
 現在の自分がこうしていられるのも、その時の上司や先輩から受けた教育や指導、
 時には愛の鉄拳(笑)が私を育ててくれたからだと思います。
 
 現在お仕事などで部下を持つ上司の方や、これから部下を持つ方、また、教育のご
 担当の方やお子さんをお持ちの方などに、教育といってもたくさんのアプローチが
 あることが紹介できたらと思います。
 
 ちなみに本メルマガに登場する人物の名前はすべて仮名です。
 (似てるけど……笑)
 
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