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===================================================== 発行部数 5 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2003/03/06 (Thr) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.木曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 木曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 美女か野獣 局 名 フジ系 放映日時 木曜22時 キャスト 鷹宮真(松嶋菜々子) 永瀬洋海(福山雅治) 久瀬光彦(渡辺いっけい) 戸渡千太郎(八嶋智人) 古袋博(佐々木蔵之介) 白井雪乃(白石美帆) 山本タケシ(永井大) カッチン(パパイヤ鈴木) 秋山富士子(深浦加奈子) 桜木恭一郎(児玉清) 脚 本 吉田智子 あらすじ 月曜日。 鷹宮真(松嶋菜々子)は、編成会議で、"Evening News"を3月末で打ち切り、 4月からその枠で現在関西で放映中のバラエティーを流す、と言われ る。 ただし、"Evening News"が今週一週間、平均視聴率13%を越えれ ば、4月以降の継続もある、と言われる。 真は"Evening News"の視聴者の傾向を分析して貰う。コアは35歳 以上の女性。政治経済ネタになると、チャンネルを変えてしまう。 13%という数字は、ダイヤモンドテレビの『ニュース・ファスト』 の平均視聴率。真はマーケット分析をさせる。 そして、今週は女性視聴者に的を絞った放送と決める。視聴率のい いのは、ラーメン特集なので、今週はラーメン特集を放送。50位か ら始めて、毎日10位ずつあげていくことに。 永瀬洋海(福山雅治)は、ニュースは情報を提供するんだから、ラ ーメン特集もいいんじゃない?と言う。 古袋博(佐々木蔵之介)は、まだどこの局にも出ていない激ウマの ラーメンの話をする。 「とにかく、今週はなりふり構わず数字を取りに行きます。いいで すね!」と真。 永瀬、白井雪乃(白石美帆)、山本タケシ(永井大)で、ラーメン を食べに行く。50位のラーメンだが、おいしい!! 久瀬光彦(渡辺いっけい)は、ラーメンのはしごで苦しい。 戸渡千太郎(八嶋智人)と秋山富士子(深浦加奈子)は寒風の中、 行列に並ぶ。 古袋は自分でネタを提供した『井戸水ラーメン』の取材に行くが、 閉店している。井戸の水の味が変わってしまい、今はもう作れないの だという。 古袋が『井戸水ラーメン』ある春川村の人たちをJBCに連れてくる。 井戸水が悪くなったのは、上流に金属工場が操業したからだと、村の 人たちは言う。古袋は、番組でこの件を取り上げて、工場の操業を阻 止したいと言ったのだが、真は今週、そんなことをしている余裕はな いから、と春川村の人たちを引き取らせる。 番組は、『ニュース・ファスト』を抜くべく、モニターで"Evening News"と両方を並べて比較し、ラーメン特集を出すタイミングを計る。 永瀬がCMあけまで視聴者を引っ張る手法ならお手の物、と腕前披露。 火曜日。 昨日の平均視聴率は12.1%。最高視聴率は16%で、ラーメン ・ランキングの時。これで平均視聴率は先週より約%上昇。 春川村の村長がまた、受付に来る。真は永瀬に断りに行かせる。村 長たちは、春川村に一度来てくれれば、と粘り、永瀬には断り切れな い。 水曜日。 星野編成部長(中村育二)もラインから外れまいと必死になってい るのを永瀬は見てしまう。 真はラーメンのおいしさが視聴者にも伝わるようにと、みんなに細 々と指示する。 また春川村村長が来る。 真は自分が行って断って来るという。そして永瀬とハイヤーで春川 村に向かう。 春川村の人たちは、工場ができてから、水がまずくなり、体調が悪 くなった。土曜日には第二工場まで操業を開始するから、テレビで取 り上げて阻止して欲しいと言う。 「お力にはなれません。他の方法をお考えください」と真。「本当 に、行政ってのは、人が死なないと動かない。テレビも同じだな」と いう声が村民からあがる。 永瀬は道の真ん中で荷崩れた軽トラックに荷物を積み直すのを手伝 い、終わった後、そのまま川原に降りる。真も仕方なく降りていく。 その小川で真は、腹を上にして流されていく死んだ魚を見つける。 上流を見上げると、工場から排煙が立ち上っている。 久瀬と戸渡も自棄のように、視聴率が0.1%でも上がるのならば、 と派手な演出に凝る。 古袋が暗い。「これでいいんですかね」と古袋。「やっぱり、春川 が気になるんですね」と永瀬。戸渡も久瀬も富士子も同感。だが、数 字を取らないことには、チームが解散してしまう。 「来週じゃ遅いんです」と古袋。「でも、数字取らないと、チーム 解散になっちまうんですよ」と山本。 木曜日。雨。 みんな、明日放送予定のトップ10のラーメン屋の取材に向けて張 り切る。 トップのラーメン店・末廣は山本が取材する。だが、嵐気味の雨に、 行列はおろか、店内にもお客さんがいない。 番組終了後、富士子が電話を取ると、末廣から、エキストラが携帯 を忘れていったという連絡だった。 永瀬は山本を呼び、怒る。山本はいつも行列ができているのに今日 だけできていなかっただけだから、いいじゃないか、と反論。「行列 演出するのは、仕込みとは言わないんだよ。ヤラセって言うんだよ。 金払や、万引きの瞬間、撮らせてもらえるのかよ!援交撮らせてもら えるのかよ!!まだ、店、やってるだろ。撮り直して来い!!」と永瀬は 言い、山本と一緒に撮り直しに行く。 古袋は1人、河川汚染のビデオを調べていた。真がそれを見かけ、 「放送しないって言ったでしょ」と声を掛けるが、古袋は何度も謝り ながら、「ボク、報道だから。要領悪くて、みんなみたいに割り切れ なくて」と言う。 久瀬の机の上には、政治資金規正法関係の資料。戸渡の机の上には ゴミ不法登記問題の資料。鶴巻幸雄(志賀廣太郎)の机の上には野鳥 の図鑑..... 金曜日。 昨日の視聴率は13.3%。星野の機嫌がいい。 だが、真の姿が見えない。 真は春川村の井戸水ラーメンの店の脇の井戸水を出していた。 そこに亭主が来て、その井戸水にはジクロベンタ−−金属物質の洗 浄で使う薬品で発ガン物質−−が含まれていたという。昨年の調査で は、有害物質は検出されなかったのだ。亭主の幼なじみがその工場に 勤めていて、教えて貰ったのだという。 亭主は真を裏山に案内する。そこでは木の葉の先が枯れ始めていた。 今は井戸水を飲まなければいいかもしれないが、やがて畑の作物や家 畜を侵していくのではないか、と亭主。 「なんで、証拠があるのなら、法的手段に訴えないのですか?」と 真。「裁判は、膨大な金と時間がかかる。その間にも工場は動く。だ からあんたたちに頼るんだ。オレたちは田舎ものだから、テレビは正 義の味方だと信じてるんだ」と亭主。 真は工場へ行き、有害物質が流れているようだが、と工場長にただ すが、工場長は、そんなことはない。春川村の大半の世帯は、工場の おかげで潤っているのだ、と強気。 帰りがけ、真は古袋があの井戸水ラーメンの店の横の井戸で水を採 取しているのを見かけ、声を掛ける。古袋は大学の研究室に残ってい る友人に分析して貰うつもりだが、10日はかかるだろうから、明日 の操業阻止には間に合わないが、と言う。 真はその水を3時間で分析させると言って受け取る。 編成会議。"Evening News"も視聴率13%取れそうなことに役員は さすが真だとニコニコ顔。 会議の途中で真は席を立つ。分析結果を伝える電話がかかってきた のだ。基準値を大きく上回る有害物質が検出されたという。 真が報道センターに入ってきて、「仕事を止めてください」と言い、 みんなの意見を聞きたいと言って、春川村の話をする。「報道まであ と一時間。今ならラーメン特集を止めて、この問題を追求することが できます。でも、そうすれば番組が打ち切りになるかも知れません」 と真。「チーフはどうなんですか?」と永瀬。「春川村をやりたいと 思います。でも、この番組はみなさんの番組でもあるんですから、わ たしの一存では決められません」「異論なんて、あるわけ無いでしょ。 オレたち、報道なんだから」「救いようの無い人たちね」 真はみんなに指示を与える。 "Evening News"は、春川村の水質問題から始まる。 "Evening News"終了後もサブ(副調整室)に1人残っている真のと ころに永瀬がビールを持ってきて、「ああいうの、報道バカって言う んですかね。鷹宮さんから見れば二流の人間ばかりかもしれないけど、 なかなか立派ですよね」と言うと、1人で乾杯!と言って一口ビール を飲む、と出て行く。 真もビールを飲む。 金曜日の視聴率が出る。10.2%。「やっぱりダメか」と戸渡。「い いんじゃないの、やるだけのことやったし」と久瀬。「とりあえず第 二工場の操業もストップしたし」と戸渡。 古袋の携帯に井戸水ラーメンの亭主から電話がかかってくる。井戸 水が復活したら、1杯目のラーメンは古袋に食べて欲しいと言う。 「必ずかけつけます」と古袋。 真は個室を出ると、「お疲れ様」とみんなに言い、会議に出る。 「約束は覚えているよな」と役員。「はい」と真。「3月一杯で番 組は打ち切り。番組契約の君にも辞めてもらうがいいかね」「はい。 失礼します」と出ていこうとするまことに役員は、「金曜日、なぜラ ーメン特集やめたのかね?」と聞く。「視聴率を取ることも大切です。 でも、報道には、時として、それよりももっと大切なことがあります。 それを彼らに教えられました」と真。 寸 評 今回の真の選択は、自己満足の範囲を抜けていない気がします。 性急に、真が視聴率だけを追い求めるのではなく、真の報道マンに目 覚めた、というのを表そうとしただけと見えます。ここまで、毎回毎 回真の向かう方向の変化を丁寧に見せてきたのに、今回はがっかりで す。 視聴率が下がったら番組存続の危機に立つ、というなら、「指揮官」 としては、番組存続を追求することは、決して責められることではな いと思います。経営陣の1人として、視聴率という売り上げを伸ばす ことは、求められていることでしょう。 ただ、一方でその日に放送しなければならないテーマがある。その 決断の時、どうして、真には二者択一しか無かったのでしょう。 しかも金曜日はランキング10位から1位の発表。当然視聴者はそ れを見ることを期待して、チャンネルを合わせるわけです。それが、 テロや戦争、台風や地震のような大規模な事件が発生したわけでもな いのに、突如予告無く中止されていたら、視聴者は裏切られたと思い、 今まで以上に視聴率が下がると思います。 このときに、本当に真に求められた技術は、春川村の問題を取り上 げても、ラーメンランキングもきっちりと放送する、ということでし ょう。この難題を時間内に納めてこそのチーフであり、プロデューサ ーだという気がします。春川村の問題を取り上げました。だから、視 聴率を取れるはずのラーメンランキングをやめますというのでは、彼 らがいる価値がないと思います。脚本に、もう一ひねり欲しいと思い ました。 ところで、先週、アイドル歌手役を神田うのと書きましたが、違う のではないかとのご指摘をいただきました。ホーム・ページ上は、セ リナ役の人の名前が無かったため、確認出来ませんでしたが、どなた か、セリナ役の女優さんが誰だったか、覚えている方はいらっしゃい ますか? 執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 最近、某週刊誌に連ドラの批判が書いてあるのですが、先週は、同じ時刻に 放送している「美女か野獣」と「年下の男」を取り上げ、「年下の男」の主役 の稲森いずみは、ドラマの視聴率でも負けたし、反町隆史を「美女か野獣」の 主役の松嶋菜々子と争って、やっぱり負けている。と書いてありました..... 主役同士の争いもありますが、今回、ヒットメーカーの脚本家もふるわない のでは、と感じます。「年下の男」の内舘牧子も、「週末婚」を書いていた時 ほどの意外性を出せていないし、「高校教師」の野島伸司も10年前の衝撃が ありません。「高校教師」は、今回、藤村先生が、丸くなりすぎています。あ と残りわずかですが、藤村先生の狂ったところは見られるのでしょうか?今回 の脚本で怖いもの見たさで引っ張られるのは、悠次ですね。 前回の「高校教師」では、赤井英和が演じていた役がほっとさせる役でした が、今回は特にそういう人がいない気がします。そこが、ドラマのふくらみを 少なくしているようにも感じるのですが.....(鈴木) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |