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============ドブ色“hitomi”================ 彼女は昔から怪しげな雰囲気を持ってる人でした。 私は特別仲良かったわけじゃないけど、学生の時電車通学の方向が 一緒で途中まで一緒に行ったりして、いつも自慢話を聞いてた・・・ 特に男の自慢話・・・そんな彼女が18歳でお腹に赤ちゃんが出来、 そのまま結婚した。それから再会したのは、8年ほど前、 私の家の近所で犬の散歩をしてる彼女に出会った。 「あれ〜〜〜久しぶり!!こっちに帰ってきたん??」 「そうやねん!!近くで店出したから、一回来てな!!」 でも、気まぐれな彼女は、店を開けてたり、閉めてたりで、 繁盛するわけがなかったんです。近くに住んでるのに、 全然会うことがなくなって、そうだなぁ・・・ 1年ほど前にまたバッタリと再会しました。 その時の会話も・・・ 「お店暇やねんから、遊びに来てやぁぁ〜〜」まだお店やってたんだ(笑) あまりにひつこく誘われたから、久しぶりにお店に行ってみたんです。 まず・・・なんて趣味の悪い、怖い絵をドアに自分で書いてるんです。 ドアを開けて一歩入ったとたん・・・・猫の霊が私に向かって寄ってきました。 その霊も1匹、2匹じゃないんですよ。 何十匹やったんです。思わず速攻で印を切ってた私でした。 それと、霊体が沢山居るときの独特の臭いが立ちこめてました。 その日も、彼女は男の自慢話をしてました。 途中で、(彼女には私の仕事の話しはしてありました)彼女に聞いてみたんです。 その会話・・・ (Y=yumi H=彼女) Y「ねぇ??最近、ネコになんかした??」 H「別になんもしてへんけどな??」 Y「そうなん??でも、異常に猫の霊体が集まってるんやけど(^-^;」 H「あっ!!この前、川に捨てたからなぁ」 Y「へ??捨てた??どうやって??」 H「家のネコが勝手に子供作ってきて産んだんやんかぁ、 処分に困ったからダンボールに子猫入れてそのまま、川の真ん中に橋の上から落としてん!! 良いことしたと思えへん??」 Y「そうなんや・・・苦しむって思わなかったん??」 H「どっちにしても、苦しむんやから何でもいいやん(笑)」 Y「そんなんしてたら、ネコだって怒るよ(^-^; 自分にふりかかってこなくても、家族に何かあるようになるよ」 H「自分に来なかったら別にいいわ(笑)」 Y「なんちゅうやっちゃ(^-^; でも、最終的に自分に来るからね」 H「あははは!!私はドブに住むフナみたいなもんやから、何があっても平気やねん!!」 その日はそれで帰りました。 また、お店に行かない日々が続いてましたが、彼女から時々電話かかってきてました。「yumi、パチンコ行くねんけど、何番台座れば出る??」とかそんな電話・・・ でも、いつまでも、自分中心に回るわけがなかった。 まず、彼女は離婚することになった。 次に、彼氏が出来たんやけど、持ってる物殆ど吸われてしまった。 子供が二人(男の子)居てるんやけど、どっちともが高校を中退してしまった。 小さいときからずっと仲良かった親友に、縁を切られてしまった。 そして、ある日耐えかねたのか、電話がかかってきた。 「yumi・・・・もうどうしたらいいかわからん・・・」 久しぶりにお店に行ってみた。彼女はめっちゃ泥酔してました。 話しの内容は・・・・彼女には、離れて暮らしてるお父さんが居てます。 そのお父さんが病気が見つかったらしいです。病名は・・・・末期のガンだったそうです。 それで、お父さんを大阪に連れて帰りたかったらしんですが、お父さん自身がイヤがり、 結局自由に動ける彼女とお母さんがお父さんの今、 住んでる土地に行くことになったんです。 それと、もうひとつ、彼女の上の息子さんができちゃった結婚をしたんです。 息子さんはまだ19歳・・・その息子さんのあかちゃんなんやけど、 女の子やってんね。生まれた時はわかんなかったらしいねんけど、 目がちゃんと見えてくる時期に変だと思ったらしく、病院に行ったら、 目の周りの神経が麻痺してて、自分で瞬きとかが出来ないらしいんです。 それで、絶えず目薬を点眼しないとダメなんだって。その時に始めて彼女の口から・・・・ 「yumiこれってyumiが前に言ってた、周りに次々影響出てくるって話しの事かなぁ・・・ お父さんは仕方ないとしても、赤ちゃんが可愛そうや!!変わってあげたいよ・・・」 だからって私にどうしたらいいの??とは絶対に聞かない彼女なんですよね。 5月3日に彼女は長年住んでるこの土地を出ていきました。 新しい土地は、日本海が目の前の空気の美味しい温泉街・・・・ 彼女はこう言い残してったそうです。 「私はドブに住むフナやからな!!新しい所でまた店やって、 おいしい男見つけたらくらいつくわ・・・」 ============ドブ色“hitomi”================ |