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今週のメルマガ 第 17 号 平成14年12月25日 発 行 タンポポ塾の家造り雑学的総合大学 建築関係の訴訟・マンション監理・登記実務・家族間の法律等の 実務事例集と判例解釈のゴチャマガジン。 全部読んだら、あなたも不動産実務大学の卒業生になれるかも? 発 行 人 株式会社 ダイヤ設計 建築・行政・法務の総合事務所 メール: kdaiya@f7.dion.ne.jp URL: http://www.h3.dion.ne.jp/~daiya 発行人ごあいさつ 下記の項目について、週に1回の割合で発行する予定です。 実務家が本音と経験事例で語るマガジンを目指します。 どうぞ、2回、3回と継続して読んでみてください。一味違うはずです。 又、トピックとして連載文も掲載してます。 -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*- -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*- 今週のメルマガ 第17号 平成14年12月25日 発 行 今週の目次項目 ○今週の解説 NO.17 ◎建築敷地の二重使用の場合 及び 建築判例 ○本の紹介 めちゃ安で建つ 今週はお休みです。 =================================================================== 今週の解説 NO.17 ◎建築敷地の二重使用の場合 及び 建築判例 ●ポイントの整理・以下の順で解説致します。 【A・建築確認における建築主事審査の対象範囲について】 【B・敷地の二重使用について】 【C・行政指導の限界】 【D・最後に】 【E・判例】 今回のメルマガの記事は少し専門的になりますが、建築実務家にとっては大変 興味深く又、<法>というもの特に<行政法>というものの基本的な考え方に 親しむためには、大変よい判例とおもいます。 一般の読者にとっては、行政法が親しみのある民法と若干異なる解釈をしてい る点(まあ、それは法の目的と趣旨が異なるため、当然といえば当然ですが) に興味をもって頂ければと思います。 最新の建築判例ですので紹介することに致します。 しかしこの判例と同趣旨の判決は、平成4年9月21日に東京地方裁判所から も出ております。 従って、今後類似の事例については裁判所の見解は定着しているもの、と考え てよいと思われます。 ここで確認申請とは、建築主が法(建築基準法第6条)に指定された建築物を 建築する場合には、その工事計画が条例等の定めに適合しているものであるこ とについての確認の申請書を、建築主事に提出して確認を受けなければならな いことになっている、この申請をいいます。 ●この判例のポイント 【A・建築確認における建築主事審査の対象範囲について 】 1.建築主事の審査対象に申請敷地の使用権原(権限ではありません。法律 用語で、ある法律的行為を正当とする法律上の原因をいいます。)まで は含まれないとしている事。 2.その敷地の外形的(物理的)な事項の審査で足りる事。 3.その権利も義務もないこと。 その理由 私見ですが、<建築主事>という資格の取得は建築基準法に定められいますが、 一級建築士の資格に、都市計画法と消防法を追加上乗せした形式でおこなわれ ます。 従って、純粋に技術的な資格であること。 民法や不動産登記法等の財産権や所有権等物権法の法的な知識は、その資格の 取得時から持ち合わせていない、ということに尽きると考えます。立法者はそ の様に考えたのだと思います。 そういえば、建築確認申請を役所に提出した人は思い当たるはずです。 建築地の土地の地番は記載事項ですが、その土地の所有者や、土地に関する民 法上の権利の内容については、一切記載する欄が無いことからも理解できます。 【B・敷地の二重使用について 】 最近はあまり見られなくなりましたが、高度成長期の時代、悪徳建売り業者が 使った手口です。 例えば、100坪の土地に建ペイ率50%として、理屈の上では50坪の土地 が空地として残ります。その建物の完成後に、その内の30坪をつぎに建てる 建築の敷地として再利用するわけです。明らかな、脱法行為です。 この様な建売を購入した人は、建替えの時期が到来しても建築確認が取れない 為、安く買い叩かれたりするとになります。 しかし、本件の場合は路地上部分の二重使用の問題です。 上記で述べた事例と本質が異なります。Bで述べたような明らかな脱法行為と は違います。 このような事例は、実務上以前はよくありました。 行政側も路地上部分の土地利用権の法律判断はできませんので、敷地の重複使 用は建築確認の対象事項にならないということで、その部分を苦肉の策として <道路位置指定>をとるように、行政指導をして切り抜けているようです。 【C・行政指導の限界 】 ここで行政指導とは、法的強制を伴わない手段で一定の政策目的を実現するよ うに申請人等に促すことをいいます。 ある行政目的を達するために、行政機関が業界や下級行政機関に対して勧告・ 助言などをしますが、法的強制は伴ないません。 <行政手続法>は平成5年に公布された比較的あたらしい法律です。 行政指導に関する部分のみ抜粋しますので、参考にして下さい。 この法律の全文を読みますと、各種の申請をする国民=申請人に対し、いかに 行政側にこの法律が味方をしているか、よくわかります。(本当に立法者の心 意気に悲涙合掌の想いがします) 以下<行政手続法>の抜粋です。 第4章 行政指導 (申請に関連する行政指導) 第33条 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指 導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもか かわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げ るようなことをしてはならない。 (許認可等の権限に関連する行政指導) 第34条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する 行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない 場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行 使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀な くさせるようなことをしてはならない。 (行政指導の方式) 第35条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨 及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。 2.行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前項に規定する 事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、 行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。 3.前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。 1.相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの 2.既に文書(前項の書面を含む。)によりその相手方に通知されてい る事項と同一の内容を求めるもの (複数の者を対象とする行政指導) 第36条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対 し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事業に応じ、こ れらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を定め、かつ、行政上特別 の支障がない限り、これを公表しなければならない。 抜粋ここまで。 【D・最 後 に 】 この例に見られるように、法律的には敷地を二重使用することにより建築確認 を受けることは、法律的には可能といえますが実務上はまず不可能といえます。 そのような建築確認申請の業務を引き受ける建築事務所が、まず居ないこと。 行政側でも、一度確認をおろした敷地はチェックしておりますので、簡単に確 認申請を受け付けません。 法的限界が行政指導にあるとしても、行政訴訟でも提起しない限り無理があり ます。 又、最近では金融機関の抵当権設定登記時の審査が、以前と異なり大変厳しく なり、この様な物件には融資をしなくなっています。 社会的な存在としての金融機関(そういえば、我々の税金が○兆円も注入され ましたっけ)が、Bでのべたような建物に融資をすることは、社会正義にも反 することになるからです。 【E・判 例 】 下級裁判所 ◆H14. 9.19 津地方裁判所 平成14年(行ウ)第10号 建築確認申請却下処分取消請求事件 主 文 1 被告が原告に対し平成12年10月16日付けでした「建築基準法6条 5項の規定による適合しない。」旨の通知処分を取り消す。 2 被告が原告に対し平成12年11月13日付けでした「建築基準法6条 5項の規定による適合しない。」旨の通知処分を取り消す。 3 訴訟費用は,被告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告 主文同旨 2 被告 (1)原告の請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は,原告の負担とする。 第2 事案の概要 本件は,被告が,【1】平成12年10月16日付けで,原告に対し,原 告が平成12年9月19日付けでした建築基準法6条1項の規定に基づく建築 確認申請(以下「本件確認申請−1」という。)について,「当該確認申請の 申請敷地には既に使用されている建築敷地が重複して存しており,建築基準法 43条1項の規定に適合しない。」として,「建築基準法6条5項の規定によ る適合しない。」旨の通知処分(不適合処分)をし(以下「本件不適合処分− 1」という。),また,【2】平成12年11月13日付けで,原告に対し, 原告が平成12年10月25日付けでした建築基準法6条1項の規定に基づく 建築確認申請(以下「本件確認申請−2」という。)について,「当該確認申 請の申請敷地には既に使用されている建築敷地が重複して存しており,建築基 準法43条1項の規定に適合しない。」として,「建築基準法6条5項の規定 による適合しない。」旨の通知処分(不適合処分)をした(以下「本件不適合 処分−2」という。)ことから,原告が,本件各不適合処分は違法であるとし て,これらの処分の取消しを求めた事案である。 1.前提となる事実(証拠を掲げた事項以外は当事者間に争いがない。) (1) 本件確認申請−1及び本件不適合処分−1 原告は,別紙目録記載(一)の土地(以下「本件土地」という。)及び同目 録(二)の土地の東南部分を建物建築敷地として,平成12年9月19日付けで ,既存建物を取り壊し新たに建物を建築するために建築基準法6条1項の規定 に基づく建築確認申請をした(本件確認申請−1)。 被告は,平成12年10月16日付けで,原告に対し,本件確認申請−1 について,「当該確認申請の申請敷地には既に使用されている建築敷地が重複 して存しており,建築基準法43条1項の規定に適合しない。」として,「建 築基準法6条5項の規定による適合しない。」旨の通知処分をした(本件不適 合処分−1)。 (2) 本件確認申請−2及び本件不適合処分−2 原告は,今度は「取壊し」ではなく「増築」として,本件確認申請−1と 同様の土地を建物建築敷地として,平成12年10月25日付けで,建築基準 法6条1項の規定に基づく建築確認申請をした(本件確認申請−2)。 被告は,平成12年11月13日付けで,原告に対し,本件確認申請−2 について,「当該確認申請の申請敷地には既に使用されている建築敷地が重複 して存しており,建築基準法43条1項の規定に適合しない。」として,「建 築基準法6条5項の規定による適合しない。」旨の通知処分をした(本件不適 合処分−2)。 (3) 本件各不適合処分の具体的理由 上記「既に使用されている建築敷地が重複して」いるというのは,訴外a(以 下「a」という。)が,平成4年4月6日付けで同人の所有地である別紙目録 記載(三)及び(四)の土地上に建物の建築を企図して本件土地をも建物敷地とし て建築確認申請をなし,平成4年4月18日付けで建築確認を受けているとこ ろ,本件土地の幅員が3メートルしかないため,本件各確認申請においては, aの受けた建築確認の内容と接道が重複するということである。 (4) 各審査請求及びこれらに対する裁決 原告は,津市建築審査会に対し,平成12年12月15日付けで,本件不 適合処分−1につき,平成13年1月12日付けで,本件不適合処分−2につ き,それぞれ,審査請求をした。 津市建築審査会は,平成13年12月7日付けで,上記各審査請求を棄却 する旨の裁決をした。 2.争点 本件の主たる争点は,「当該確認申請の申請敷地には既に使用されている建 築敷地が重複して存しており,建築基準法43条1項の規定に適合しない。」 旨の理由で不適合処分をなすことが適法であるか否かという点と,本件におい て,原告に対し,被告が本件各不適合処分をなすことが信義則上許されず,権 利濫用に当たるか否かという点である。 3.争点に関する当事者の主張 (原告の主張) (1) まず,別紙「概略図面」を用いて本件の経緯について説明する。 ア 原告は,原告所有の既設建物の存在する建物敷地(原告所有地A−1部 分)の建物建築のため,本件土地(b部分)の幅員3メートルの2分の1(本 件土地は,共有土地であり,原告の持分は2分の1である。)を,その接道と して,昭和45年3月24日付けで建築確認申請をなし,建築基準法に適合す るものとして建築確認を受けていた。 イ aは,昭和61年9月25日,a所有地(B部分)にa所有の建物建築 のため確認申請をし,建築確認を受けた。この際接道の競合問題がどのように 事前に検討されたかは明らかでない。しかし,この建築確認がなされてaが工 事を始め,これを知った原告が行政機関に抗議したため,三重県はaに対し, 接道の競合を理由に工事の中止を命じ,aもこの建物建築を断念した。 ウ aは,平成4年4月6日付けで,再度a所有の土地(B部分)に建物建 築を計画し,行政関係者らと事前に協議し,建築確認申請をなし,建築確認を 受けた。上記建築確認申請書には,接道が重複することになる本件土地は,地 番表示においても,図面においても,全部aの単独所有地であるかのような記 載がなされているが,aは昭和55年に原告以外の者から本件土地の共有持分 2分の1を取得したにすぎず,本件土地は原告との共有であった。 原告は,事前に,原告が既に使用している2分の1の接道部分が重複するから 建築確認を認めるのは違法である旨建築主事らに指摘してきたが,建築主事は 権利の重複等私権の存否については調査する権限も義務もないとして建築確認 をした。 エ そこで,原告は,将来原告が既に建築確認を得て既設建物を建築してい る建物敷地(A−1部分)について,建物の増改築や建替え等の際に,「本件 共有地」を接道として当然に利用できると考え,平成12年9月19日付け及 び同年10月25日付けで,A−1部分を建物敷地とする増改築や建替えにつ いての建築確認申請をした(本件各確認申請)。しかし,本件各確認申請は, 既にaが建築確認を得ているa所有地(B部分)の接道部分と重複するから法 に適合しないとして却下された(本件各不適合処分)。 (2) 上記のように,原告が,法に従って,既に接道義務が満たされている ということで建築確認を受けていた建物敷地の建物を建て直すに当たって,敷 地の重複が認められなされたaの得た建築確認と敷地の重複があるからとの理 由で本件各確認申請が却下されたことは到底容認できない。 仮に,aが,三重県の土木職員であっても,また,仮に建築が許されることを 前提とした内容の仮処分決定を利用したとしても,到底許されるものではない。 このような行政処分が恣意的に相手によって不利不当に差別することは到底許 されない。法の下の平等の至上原理に反する。 (3) 被告は,申請書以外の事実から確認申請を却下することは違法でない との学説を引用するが,原告の既得の建築確認を,その後のこれと重複するa の受けた違法というべき建築確認によって,消滅させることができるのか,そ れが許されるか論じないで,aの接道を是認しこれを前提に原告の本件各確認 申請を認めなかったことは許されない。 (4) よって,「当該確認申請の申請敷地には既に使用されている建築敷地 が重複して存しており,建築基準法43条1項の規定に適合しない。」旨の理 由で不適合処分をなすことは違法であり,仮に,一般的にはこれが違法ではな いとしても,本件において,被告が本件各不適合処分をなすことは,信義則上 許されず,権利濫用に当たる。 (被告の主張) (1)敷地の重複使用については,「既にA建築物の敷地とされている土地の 一部を新たに別個のB建築物の敷地として確認申請があった場合・・・一建築 物一敷地の原則が建基法の大原則である以上,既にA建築物の敷地である土地 を敷地とした確認申請はそれ自体建基法に違反するものであり,そのことが判 明している以上確認すべきでない(少なくとも確認しなくてよい)ことは明ら かだと思われる」(梶原茂・楠本安雄共著「建築紛争処理の法と実務」ぎょう せい・61〜63頁)とされており,原告の本件各確認申請は既にaの建物の 敷地とされている本件土地を新たに原告が建てる建物の敷地として重複使用す るとしてなされたものであり,被告のなした本件各不適合処分は違法でない。 (2)信義則違反,権利濫用との旨の原告の主張は争う。なお,aの受けた建 築確認は,被告ではなく,三重県建築主事がなしたものである。 第3 当裁判所の判断 1 建築基準法(改正前。以下同じ。)6条1項に規定するいわゆる建築確認 は,申請に係る建築物の計画が当該建築物の敷地,構造及び建築設備に関する 法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築関係規定」という。) に適合していることを公権的に確認する行為であり,申請書を受理した建築主 事は,申請に係る建築物の計画が建築関係規定に適合しているか否かを審査す べきものとされている(同法6条3項)。 2 ところで,<1>建築確認は申請人が当該申請にかかる建築物の敷地を使用 し得る私法上の権利を有するかどうかとは無関係に行われるものであり,建築 主事の審査すべき対象事項の中には,建築予定地たる申請敷地に対して当該建 築主が真実所有権や賃借権等の実体上の使用権を有しているか否かは含まれて いないから,建築主事は,ただ,申請敷地が存在するか否か,公道が存在する か否か,申請敷地が接道義務を満たしているか否か等の外形的事項について審 査すれば足り,申請敷地の使用権の有無まで審査する義務や権限はないと解せ られること,<2>そもそも,建築確認がなされたからといって当該建築主にそ の申請敷地に対する実体上の使用権が発生するわけではないこと,<3>そして ,建築関係規定中には,ある土地をある建物の敷地とする建築確認がなされた 場合に,後にその敷地の一部を他の建物の申請敷地とする建築確認申請(敷地 の重複申請)及び上記のような申請に対する建築確認(敷地の重複確認)を直 接禁止する規定がないこと,以上の点を考慮すると,建築主事は,当該建築確 認申請が敷地の重複申請に当たるか否かまで審査する義務はなく,また,たと え何らかの事情により当該申請が敷地の重複申請に当たることを知ったとして も,そのことについて行政指導をするかどうかはともかく,最終的にはこれを 考慮することなく,当該申請に係る建築物の計画が建築関係規定に適合するか どうかを審査すれば足り,当該申請が敷地の重複申請であることを理由に不適 合処分をすることは許されないものと解するのが相当である。 しかるに,本件各不適合処分は,対応する確認申請(本件各確認申請) が敷地の重複申請に当たるとの理由でなされたものであるから,いずれも違法 であるといわざるを得ない。 この点,被告は被告の主張(1)のとおり主張しているところ,なるほど建 築基準法施行令1条1号は,敷地につき「一の建築物又は用途上不可分の関係 にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。」と定義して,「一建物,一 敷地の原則」を定めており,この規定によれば,建築基準法は同一敷地を異な る建築物が重複して使用し,既存の建築物の違法化を招くことを容認しない建 前を一応とっているとはいい得る。しかし,この規定は,直接には個々の建築 物について独自の敷地が成立するという原則を規定したもので,敷地相互間の 関係について規定したものではないこと,現行法上建物とその敷地との関係を 公示する制度はなく,建築確認の申請書の保存期間等についても何らの規定も 設けられていないこと,土地の利用関係に関する私人間の紛争は最終的には民 事裁判によって確定されるべきものであることからして,この規定をもって, 敷地を二重使用することとなる建築確認が重複的に行われることが許容されな いとするまでの根拠とすることはできない。したがって,同被告の主張は採用 できない。 4.結 論 よって,原告の請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり 判決する。 津地方裁判所民事部 裁判長裁判官 内 田 計 一 裁判官 後 藤 隆 裁判官 大 竹 貴 (別紙目録及び概略図面は省略しました) 判例はここまで。 今週の解説は以上です。 =================================================================== トピック 今週の連載文 本の紹介 今週はお休みです。 「頑丈で快適なわが家がめちゃ安で建つ」 松田源冶著 尚、目次は、第2号に掲載してありますので、ご参照下さい。 ------------------------------------------------------------------- -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*- -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*- 発行責任者よりご購読者様へ このメールマガジンは、 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com (マガジンID:0000096702) 『マッキー』 http://macky.nifty.com (マガジンID:kdaiya) 『カプライト』 http://kapu.biglobe.ne.jp/ (マガジンID:6450) を利用して発行しています。 ---------------------------------------------------------------------- 登録・解除は下の説明ページからもできます。 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000096702.htm マッキー http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=kdaiya カプライト http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/6450.html ---------------------------------------------------------------------- このマガジンの登録・解除は 当社ホームページからもできます。 http://www.h3.dion.ne.jp/~daiya 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