メルマガ:タンポポ塾の家造り雑学的総合大学
タイトル:タンポポ塾の家造り雑学的総合大学NO5  2003/01/07


   今週のメルマガ   第 5 号 平成14年10月3 日 発行

   -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-

            タンポポ塾の家造り雑学的総合大学

        建築関係の訴訟・マンション監理・登記実務・家族間の法律等の
      実務事例集と判例解釈のゴチャマガジン。
      全部読んだら、あなたも不動産実務大学の卒業生になれるかも?

    発 行 人    株式会社 ダイヤ設計  建築・行政・法務の総合事務所
                     メール:kdaiya@f7.dion.ne.jp
                              URL:http://www.h3.dion.ne.jp/~daiya  

     発行人ごあいさつ

    下記の項目について、週に1回の割合で発行する予定です。
    実務家が本音と経験事例で語るマガジンを目指します。
    どうぞ、2回、3回と継続して読んでみてください。一味違うはずです。
    又、トピックとして連載文も掲載してます。

  -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-
  -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-

    今週の目次項目 

     ○今週の解説  5回目 ◎代位登記について
     ○本の紹介   めちゃ安で建つ  5回目

      ===================================================================

   今週の解説  5回目 ◎代位登記について
   
   メルマガの読者から代位登記についてメールにて質問がありましたので、メル
   マガ発行の順番を急ぎ変更して、今回はこのテーマについて述べてみます。
   当メルマガはなにしろ「ゴチャマガジン」ですので、これからもこのように基
   本テーマから脱線することも多いと思いますが、宜しくお願い致します。
   
                               発行者 敬白 
   
   
   不動産に関する登記には、表示に関する登記と権利に関する登記に大別されま
   すが、代位登記はこの両方の登記に機能いたします。区別はありません。
   
   通常の登記形態と異なるため、実務上そんなに多い登記ではありません。又、
   この登記と似て非なるものに「代理登記」がありますので、注意してください。
   
   そもそも、この代位登記の申請手続きを登記法上の第46条の2で規定した根
   拠は、実定法である民法の第423条の債権者代位権を受けて、規定されたも
   のです。
   債権者代位権とは、自己の債権を保全するために債務者に属する権利を行使で
   きる。但し、債務者に属する権利は行使できない・・・とあります。
   
   これでは、読者の皆様には解かりづらいので、シンプルな具体例を想定して説
   明いたします。

   代位登記の申請原因は、他には民法以外に特別法によるものもあります。
   しかし、ここでは一例を示すだけにいたします。
   
   例)
   1.貴方が友人にある時100万円の金を貸した。
   2.契約書有り。(金銭消費貸借契約書)
   3.友人は期日がきても100万円を返さない。(弁済期は到来している)
   4.友人には現金や高価な動産は無いが、不動産だけがある。(建物)
   5.しかしこの不動産(建物)は、登記されていない。

   このようなケースをイメージしてください。
   
   貴方としては100万円の債権を回収するために、債務名義に基づく強制執行
   の手続きにより、債権の回収をするとします。
   ここで、契約書だけでは、確かに100万円を貸したという証拠にはなります
   が、債務名義になりませんので、裁判所に提訴して判決正本(確定証明付き)
   をもらい、これを債務名義とします。
   
   しかし、これらの手続き中に、債務者である友人の唯一の財産である未登記の
   不動産が、第三者に売却され登記されたとしたら、債権の回収は事実上困難に
   なります。
   
   そのため、実務上はまず最初に債務者の不動産に、民事執行法による差し押さ
   えの登記か、民事保全法による仮差し押さえ、及び仮処分の登記をすることに
   なります。
   これらの登記は、不動産登記簿の甲区の事項欄になされます。
   
   しかしこの友人は、保存登記はおろか、表示登記さえしていません。
   ここで、この仮差押えの登記をするために、債権者による代位登記の必要性が
   あるといえます。
   
   これは、ようするに代位者が自己に有利な状態を作り出すための基礎としての
   登記である、ということができます。
   そして、この登記自体は被代位者にとっても、登記上は少なくとも従来の状態
   よりも不利な状態になることはなく、むしろより有利にするものであるといえ
   ます。

   それゆえに代位登記は、被代位者=債務者=友人の手続きや関与なしに出来る
   のです。
   
   従って反射的な概念として、ある登記がなされることにより、登記上不利をこ
   うむる可能性のある者=登記義務者の登記申請権を、債権者が代位行使して登
   記することは出来ません。
   これは代位登記のポイントです。
   
   ここからは、具体的な登記の方法の話です。
   
   1.債権者(貴方)が自己の債権(100万円)を保全するため、その債務者
     に属する登記申請権(友人に帰属する登記請求権)を代位行使して、債務
     者のために申請することになる。
   
   2.要件 民法423条の規定によって申請する必要があります。(債務者に
     登記申請権があることと、債権者に対し基本債権があること。この場合1
     00万円。)
   
   3.代位原因証書 
     債権者代位権の発生原因たる基本債権の発生を証する書面(この場合の契
     約書)をいう。登記官が当事者間に基本債権の存在することを確認可能で
     あればよく、公文書である必要は無く私文書でもよい。  

       上記の金銭消費貸借契約書  
       売買契約書
       抵当権設定契約書 等がこれにあたります。
   
   
    ※代位登記で注意する点
   
   この登記がなされた場合、登記済証は債権者(代位者)に交付され、債務者に
   は交付されません。この点が通常の登記と異なります。そして債務者には、登
   記官から登記済みの旨の通知がされます。被代位者が複数の場合には、全員に
   通知されます。

   このことは、被代位者が登記義務者となって他の登記を新たに申請する場合に、
   代位者に交付された登記済証は、被代位者の権利に関する登記済証とならない
   ことに注意してください。
   したがって被代位者が他の登記申請をする場合には、登記済証にかえて「保証
   書」で申請することになります。

   「保証書」については、別の機会に述べてみたいとおもいます。
   

   今週はここまでです。


      ===================================================================   

   トピック 今週の連載文 本の紹介 第 5 回

      「頑丈で快適なわが家がめちゃ安で建つ」 松田源冶著
 
         尚、目次は、第2号に掲載してありますので、ご参照下さい。
   -------------------------------------------------------------------

   
     第四章 頑丈なめちゃ安マイホームは、誰でもできるよ
   
        住宅建築の価格破壊は施主でなければできない
   
   
    ◎無知は恐れるに足りず。恐れるは無知の知ったか振り
   
   住宅建築を「所詮、素人は素人。できないものはできないんだから仕方がない」
   とあきらめてはいませんか。無知は恥ずべきことではありません。大手多国籍
   企業のCEO(最高経営責任者)は、そのほとんどが専属の経営コンサルタン
   トを雇い、心理カウンセラーの世話になっていると聞きます。経営コンサルタ
   ントとは、会社の経営・技術について診断・助言・指導することを業とする、
   つまり依頼人の無知・無能力を補う助言者または代理人のことですが、この世
   に、何でも完璧にできる人など居ません。
   
   個人の持つ能力などほんのわずかでしかないのです。偉大な経営者は、単に、
   自分のもっているほんのわずかな優れた能力を発見することができた人で、そ
   の能力に完璧を求めている自分が完璧ではないことを知っている人なのです。
   だから、彼らにはコンサルタントが必要なのです。もちろん彼らは、そのコン
   サルタントに報酬を与えなければならないこと、そして自分の最大のコンサル
   タントが末端の消費者だということも知っている人なのです。
   
   (わが国の消費者には「コンサルティング=サービス=無料」の意識が未だ根
   強い)。
   確かに「無知」と言う言葉には抵抗はありますが、無知は、恥じたり恐れるこ
   とではもありません。恥じる・恐れるは、無知でない自分を装い、知ったかぶ
   ってしまうことなのです。
   
    あのホンダを「世界のホンダ」にした本田宗一郎と藤沢武夫の話をご存じと
   思いますが、本田宗一郎はモーター技術の能力はずば抜けていましたが、こと
   経営術という点では「良い物をつくれば売れる」という感覚で、むしろ無知・
   無頓着に近かったと言われます。本田宗一郎は、「自分には経営能力がない」
   の自分を素直にさらけ出すことが出来たから、藤沢武夫と巡り会うことができ
   たのです。
   
   つまり、本田宗一郎の素直が、藤沢武夫に「本田さんの技術は世界に通用する。
   ホンダを世界のホンダにしてみせる」を言わせて今日のホンダがあるのです。
   その二人の関係こそがコンサルタントと雇い主の関係なのです。
    そう、無知には無知のやり方が有るのです。
   
   
    ◎「項丈で快適なわが家がめちゃ安で建つ」を全ての施主へ
   
    器用な人が居て、プロでもないのに自分でわが家を建ててしまった施主が居
   ます。また「都会の住宅は高い。都会には自然がない。触れあいがない」など
   と田舎に引っ込んだ人、あるいは、そうしようと真剣に考えている人が居ます。
   しかし筆者は「手作り住宅のすすめ。田舎暮らしのすすめ」などとといったも
   のではなく、全ての施主たちへ、わが家を悪魔のサイクルにしないための家づ
   くりを、極めて常識的な方法で実現させたいと思っているのです。
   
    あなたの周りにも、あなたが信じられないような安い建築費で建った住宅が
   在るはずなのです。もちろん筆者も、総坪数約45坪のわが家を、施工業者・
   職人の工事代金、建築資材や住宅機器の代金、車庫や塀などの外構工事費、設
   計・申請費等の諸費用を一切合切含んで、約坪当たり45万円弱で建ててしま
   っているのです(総工費約2020万円。但し、基礎工事だけは手作り)。
   
    坪45万円と言われてもピンと来ないでしょうが、当時(平成1年=建築バ
   ブルの絶頂期)の町工務店が出した見積額は、設計費用、外部設備費(電気、
   水道、ガスの取り出し工事費)、外構工事費、申請費用などを除いた建物だけ
   の建築費が坪当たり約62万円。住宅メーカーに依頼すれば80〜90万円前
   後、一切合切を含んで坪100万円と言われた時代の坪45万円です。
   
   もっと言えば、この建物を住宅メーカーに依頼した場合の耐久性や維持管理の
   ことを思えば、筆者は住宅メーカーの四分の一以下の建築費で建ててしまった
   かもしれないのです。それは、筆者だからではなく、建築業者の中には、それ
   よりもっと安い建築費で豪邸を建てた人はたくさん居ます。それを建築業者の
   特権と言ってしまえばそれまでなのですが、あなたにだって、坪60万円のブ
   ランド住宅を坪40万円にするぐらいのことは、そう難しいことではないので
   す。
   
    以下は、実際に筆者がわが家を建てた時の工事に着手するまでの設計と準備
     です。
   
   1.敷地の実測図を取得
      敷地図面。測量事務所に依頼。土地の登記済証の書類一式があれば付い
      ている。無い人は、その敷地を管轄する登記所で確認。でなければ近く
      の調査士に依頼。
   2.建築確認申請の依頼
      現住所の地元建築士に依頼。取り敢えず、ここでは依頼を約束し、建ぺ
      い率と容積率を確認した。市役所の建築課に行けば教えてくれる。
   3.基本設計は自分で
      間取り図(一階と二階の平面図)と姿図(立面図)を作成。間取り図は、
      不動産広告のチラシに載ってる程度で十分。
   4.住宅金融公庫の申込みは自分で
      最寄りの銀行などに相談。申込みに建築工事請負契約書が必要だったの
      で、知人の工務店と予定した建築費で契約書を作成(建物のみ。印紙代
      が必要)。
   5.設備図の作成は自分で
      間取り図の写しに、水洗金具の位置、電気のスイッチやコンセット・照
      明器具・エアコンなどの位置を記入した。設備の欲しいところに印を付
      ける(後で、工事業者がプロの目で修正してくれる。スイッチやコンセ
      ット類の詳細な位置は現場で業者と決定する)。
   6.主要構造の伏せ図作成
      知人の建築士に依頼(基礎・床・梁伏せ図、小屋伏せ図、短計図)。
   7.建築確認の申請
      二の建築士事務所に自分の創った間取り図と立面図を提示して依頼(確
      認用の間取り図と立面図を作成し、申請書類に添付する)。
   8.建築資材の拾い出しと見積の依頼(積算の作成)
      ここでは、外部の仕様とインテリアをコーディネートし、各専門業者に
      工事の見積を依頼した。
      資材や住宅機器は自分で拾い出した。
   9.工事請負契約の締結と資材売買契約の締結
      各専門業者ごとに締結(=直営方式、分離発注。工事依頼の約束だけ)。
      4の契約書作成は、あくまでも融資のための仮契約。
   10.地鎮祭
       現住所(建築所在地)の地元神主さんに依頼。
   11.仮設工事の依頼
       電気・水道。もちろん、施工する地元業者に依頼。
   12.基礎工事着手
       敷地造成は専門業者に依頼。やり方工事と基礎工事は自施工。
   
    設計・工事の詳しいことは第11〜15章に譲りますが、上記は8.9.1
   2を除けば「プロでなければ」というものではなく、ただ、施主がそれを知ら
   ないだけなのです。

    と言うと、「また無知扱いをする」と叱られますが、正直、それを教える業
   者は滅多に居ません。でもその前に、あなたたち施主は、初めから「できない」
   と決めつけ、業者任せにして無駄な建築費を支払ってきたのです。当たり前の
   ことですが、住宅建築の主導権は、その全てにおいて施主にあるのです。
   主導権とは、物事の主となって行動できる権利・権力のこと。施主とは、建築
   工事の注文者、依頼人、最高意志決定者、企業で云う最高経営責任者なのです。
   
    建築業者は、教祖様でもドクターでもありません。でも、この国の建築業者
   は、施主を建築素人とみると、教祖様やドクターになってしまい「誰もができ
   る」を教えないのです。つまり業者任せの施主は、業者の言う「あなたは特別
   です。私どもの儲けは微々たるもの」に気を良くし、その本音が「あなたが建
   築に素人なので大変助かります」だということも知らずに、業者ポロ儲けのエ
   サになってしまうのです。そして、後になって愚痴を言い後悔するのです(幸
   か不幸か、気付かないでいる施主も多い)。
   
   
    ◎業者が言う「サービス」は全てが有料
   
    では、なぜそんな風になってしまうのでしょうか。たぶんそれは、未だ日本
   人には「サービス=無料」の思いが根強くあって、建築業者は「施主を煩わせ
   ないこと」を最高のサービスと行動し、施主は、そのサービスを無料と勘違い
   しているからです。しかし、オカシイと思いませんか。利益を目的とする業者
   が、儲からない仕事を請け負うはずがないのです。業者は、施主の「できない」
   を代行するサービスのプロです。
   
   施主はプロのサービスを得たいが為に業者に依頼するのですから、当然其処に
   は、サービスを提供する業者の「報酬を請求する権利」と、サービスを受ける
   施主の「報酬を支払う義務」が発生するはずなのです(その報酬には、サービ
   スを約束し、すでに支払った報酬も含まれる)。現に、働くことによってその
   報酬を得ている人、公務員しかり、工場で働く人も、米や野菜を作っている人
   も、無料サービスと称して点検・修理に来てくれる業者・職人も、専業主婦も、
   全てがサービスの提供者で、そのサービスから報酬を得ている人たちなのです
   (サービスには何らかの利益・報酬が必ずある)。
   
    つまり、施主が、住宅をいかに安く手に入れられるかは、いかにして業者の
   無駄なサービスを無くすかなのです。その為には、施主は、建築実務(業者サ
   ービス)の内容を事前に知る必要があり、業者は、事前にその内容を施主に理
   解されなければならず、住宅の建築費は、サービスの内容を把握した施主によ
   って決定されなければならないのです。
   
    未だわが国では、どんぶり勘定の「坪〇〇万円也」で工事の請負契約をする
   施主が後を絶ちません。
   良いですか。建築業者には、坪40万円の建物を坪60万円と言うこと、ある
   いは、契約した坪60万円の建物を坪40万円にすることなどは簡単なことな
   のです。確かに、施主が「分からない」を理由に業者の言い成りになるのは、
   ポロ儲けを企む業者の思い上がった策略かもしれませんが、同時にそれは、知
   る権利を放棄した施主の無頓着・無責任によるものなのです。
   
   施主の満足は、施主がサービスを知ることからが始まりです。つまり施主が本
   当に満足したいなら、工事請負契約書または売買契約書にサインする前に、建
   築工事(実務)の内容を十分に把握する必要が、例えば、実施工事の基本設計
   図書と工事工程表が契約前に業者から提示される必要があるのです。そして、
   業者が提供しようとしているサービスの内容に、分からない事や不必要があっ
   たら、契約を拒否することだってできるし、サービスを減らして建築費の無駄
   を省くことができるのです。

    正直、ブランド住宅は、メーカーサービスを削除するだけでも3〜4割安く
   なつてしまうのです。
   
    ちょっと寄り道します。こんな風には考えたくないのですが、わが国の病院
   には「病院に掛からないで済む方法は教えない」の姿勢が蔓延しています。し
   かし、いくら診療費が安いとは言え、ドクターに言われるがままに病院通いを
   続ければ、患者負担は間違いなく増えます。アメリカなら一回で済む治療も(
   治療費は相当高いらしい)、わが国では数回が当たり前です。
   
   仮に、一回の治療費が高くても、それで治るなら、数回通って同じ金額を払っ
   て治るよりは、患者の負担ははるかに少ないのです。少なくても、待合室で病
   気を貰う確立は数倍も違うのです(「ここは病院だから安心しなさい」と言わ
   んばかりの病院が多い)。
   
   もちろん「病院やドクターの世話になるな」などと言うつもりは毛頭ありませ
   ん。しかし、病院から与えられた過ぎる薬によって、病院は、治癒力・免疫力
   を失った患者で溢れかえっているのです(子供のアトビー性皮膚炎などはその
   典型)。もしあなたが病院通いの達人なら、もう「病院に行けば病気が治る」
   は程々にして、「自分の身体は自分が治す。人は動物、動かざるして動物では
   ない。人の身体には病気を治す力が元来備わっている(=治癒力、抵抗力)」
   の原点に立ち帰ってみてはどうですか。

   「無責任なことを言うな」とお叱りを受けるかもしれませんが、現に、あなた
   の知るドクターの口癖は「治るも治らないも患者次第」なのです。
   人が病気にならない保証は何処にもありません。人は動かなければ病気になる
   し、動けば動いたで危険だらけの世の中。それを思うと、医療機関の身近な存
   在と健康保険加入の制度は無くてはならないものです。しかし、わが国の国民
   はそれに甘え過ぎてはいないでしょうか。チョッと具合が悪いと過大に反応し
   てしまう患者になってはいないでしょうか。
   
   「保険代を払っているんだから行かなきや損」と言わんばかりの無抵抗力患者
   で病院が溢れています。それは、病院やドクターたちがその様な患者を育て増
   やして保険金の分捕り合戦を行っているからです。もちろん、彼らをそのよう
   に仕立てたのは、彼らを過大に評価し、あるいは崇拝し、自分の無知を等閑し
   た患者たちなのです。その責任は重大です。ドクターの数やドクターに支払わ
   れる報酬はこの不況の最中でも右肩上がりだし、もの凄い勢いで高齢化も進ん
   でおり、国の医療費はうなぎ登りで増え続けているのです。つまり、もしかし
   たら、患者の無知によるドクター任せが、せっかくの健康保険制度を破綻させ
   てしまうかもしれないのです。
   
    とは、健康保険制度が確立したがゆえの心配ですが、生活に絶対不可欠な住
   宅には、健康保険は在りません。にもかかわらず、建築業者は、施主を素人と
   みるや、二・三分診療のドクターと同じようにサービスの具体的内容を教えな
   いのです。それが為に施主は、建築実務など知る余地もなく、恩着せがましい、
   あるいは強引な業者サービスを受けざるを得なくなってしまうのです(その業
   者には、ある日突然やってくる悪徳業者も含まれる)。
   
   もちろん、健康保険制度など住宅には無いのですから、行政を責めても解決し
   ません。保証制度、住宅性能表示、品確法などが有るにはありますが、それら
   は「業者の為」という感が色濃くあつて、健康保険の類にはほど遠いものです。
   つまり、健康なわが家は、施主自身が建築の実務に積極的に参加して、維持費
   の掛からない頑丈で快適なわが家をめちゃ安で建てるしかないのです。「良い
   物をより安く」の価格破壊が市民の力で実現できたように、住宅建築の価格破
   壊も施主の力で実現するしかないのです。それは、施主が本書の提案(第10
   章)を実行することで、間違いなく実現できます。現に、まだ僅かではありま
   すが、その価格破壊を実現させた施主の声も聞こえるようになつて来ているの
   です。
   
   
    ◎建築実務を知って、ゆとりと究極の高齢者福祉を
      (わが家が最高の老人ホーム)
   
    筆者は、「政治の原点は福祉にある。福祉の原点はわが家の暮らしにある」
   と思っています。そして「今、わが国に最も必要なのは、国の支出を減らして、
   ゆとりのない市民の支出を減らすこと」だとも思っています。この実現には、
   評論家たちの難しい解説は要りません。なぜなら、わが国のお偉いさん達に人
   の世の常識が分かれば明日にでも実行できることだからです。もっとも、それ
   を言ったところで彼らには通用しません。彼らは生活苦などは全く縁がなく、
   国民の税金や規制によって徴収した公金から、最高額の年金を貰い、こぼれる
   ほどの大金を手にするのです。
   
    ゆとりのない市民の国への負担増には、それ以上の国の負担が待ちかまえて
   いるだけで、強いては国家崩壊の未来があるだけです。なぜなら、市民の負担
   が増えれば、市民はそれ以上の保護を国に求めてくるからです。もし、それが
   間違いだと言う人は、公共工事に群がり、豪邸に住み、高級外車を乗り回して
   いるゴルフ好きのたかり屋や天下りたちの存在をどう説明するのでしょうか。
   その彼らが得意とする「介護士をたくさん養成して老人ホームをたくさん作る」
   を最高の高齢者福祉だなんて思っているのなら、それはとんでもない勘違いで
   す。
   
   それでは、単に「介護士の養成=老人ホームの増設=痴呆老人の養成」です。
   高齢者福祉に一番必要は、公をこき使って私に殉ずる小人たらんとするマニュ
   アル人間(介護士=資格者は大にして小人に成りがち)の養成ではなく、生活
   者の誰もが介護できるような、あるいは、介護人を手助けできるような環境を
   作ることなのです。高齢者を介護できる最適任者はその家族であり、その介護
   の最適な場所は「わが家」なのです。しかしその家族にはそのゆとりがありま
   せん。
   
   なぜなら教育費や住宅費が生活費の中で大きな負担になっているからです。介
   護までするゆとりはありません。市民にゆとりがあって、地域の元気な人たち
   に介護できる環境が有れば、マニュアル介護の有資格者など、世間が騒いでい
   るほどには必要無いのです。
   
    だがらお願いします。行政には、鉄筋コンクリートの豪華老人ホームを建て
   るお金が有るなら、施主がゆとりある暮らしのできる住宅行政をまず先に行っ
   てもらいたいのです。そして施主には、自分にゆとりがないことを行政や業者
   のせいにばかりしないで、わが家の建築実務に積極的に参加して、建築費の無
   駄を無くしてゆとりある暮らしのできる環境を作って欲しいのです。
   

   
   今週はここまでです。次号をお楽しみに!


   -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-
   -=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-

   発行責任者よりご購読者様へ

   このメールマガジンは、
   『まぐまぐ』   http://www.mag2.com        (マガジンID:0000096702)
   『マッキー』  http://macky.nifty.com     (マガジンID:kdaiya)
      『カプライト』 http://kapu.biglobe.ne.jp/ (マガジンID:6450)
     を利用して発行しています。

      ----------------------------------------------------------------------
     登録・解除は下の説明ページからもできます。
   まぐまぐ   http://www.mag2.com/m/0000096702.htm 
    マッキー  http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=kdaiya
   カプライト http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/6450.html
   ----------------------------------------------------------------------

   このマガジンの登録・解除は 当社ホームページからもできます。
    http://www.h3.dion.ne.jp/~daiya

    次回以降も各テーマについての具体的な解説を掲載致します。

      このメルマガについてご意見、お気付きになった事をお聞かせ下さい。
   取り上げてほしいテーマがありましたら、お知らせ下さい。多数の人の参考に
   なるものであれば、出来るだけ取り上げて見たいと思います。

   ■本通信の記事を許可なく転載する事を禁じます。
   ■掲載情報により生じたトラブルの責任は負いかねます。ご了承ください。
   ■ご相談のメール・FAX等につきましては、当社HPトップページの
     相談受付コーナー内容をご覧の上、そのアドレスよりお願いします。


                株式会社 ダイヤ設計  建築・行政・法務の総合事務所
                    一級建築士 土地家屋調査士 行政書士 目黒碩雄
                             TEL:048-853-3587 FAX:048-855-0360
                                     メール:kdaiya@f7.dion.ne.jp
                              URL:http://www.h3.dion.ne.jp/~daiya
                 〒338-0005 埼玉県さいたま市桜丘1-12-5 ダイヤビル2F

   当社概要

   さいたま市の一級建築士・土地家屋調査士・行政書士の総合事務所です。
   司法書士事務所(合同)。建築・行政・法務の総合事務所です。

   建築設計、監理、構造計算、地質調査、真北測定、住宅の耐震・劣化・欠陥等
   の調査診断、建築訴訟鑑定書作成、マンション監理、土地建物登記、測量、
   法人設立、各種許認可申請等の業務を行っています。

   相談・アドバイスも致します。詳しい内容は当社HPをご覧ください。

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。