メルマガ:凄い少年公判傍聴記
タイトル:凄い少年公判傍聴記08 [02/10/13]00:39Sun  2002/10/13


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凄い少年公判傍聴記08 [02/10/13]00:39Sun
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凄い少年第10回公判報告
投稿者:山本英司 [non hostIP] 投稿日時:2001年12月6日(木)13時25分  削除:

です。遅れて申し訳ありません。

1月17日、1月31日、3月5日、4月25日、6月4日、
6月25日、8月20日、9月17日、10月22日に続いて、
大阪地方裁判所にて、凄い少年の第10回目の公判が開かれました。
アルバイトのため、第5回目・第9回目と同様、今回も中座してしまいました。

それではまずは恒例の概要から。

日時:2001年12月3日(月曜日)15時7分〜(16時過ぎ中座)
場所:大阪地方裁判所第14刑事部 1004号法廷
担当:上垣、岩田、田辺裁判官
内容:
◇ 被告人質問
 前回に引き続き情状関係という趣旨の模様。
 大学生活の続きから、大学を除籍になり、殺人事件前日まで。
 この期日は終始弁護人からの質問で、随時裁判長が介入。
 質問途中で中座。

さて、感想ですが、凄い少年の証言態度、相変わらずです。
ハシモトミモトやカチナカタ(門命半諮堂)などの神(?)が、
(かつてはいたけど)今は「あまり」いないと言うところに、
いかにも凄い少年らしいという印象を受けました。
前回の報告の感想において、凄い少年が沈黙しがちであることについて、
それは彼なりに質問に正確に答えようとするからであって、
そのことを配慮した上で質問がなされることを望むと記したのですが、
今回、弁護人がそのことを相当意識していることがうかがわれました。
あるいはこの掲示板を見て下さっているかしら。

それでは以下、詳報。
例によって口調は必ずしも再現できておらず、
また推測で補った箇所もあることをお断りしておきます。
あと、凄い少年はしばしばうなづくなどのボディランゲージを用いていますが、
その全てを観察しきれなかったこともお断りしておきます。

15時開廷のところ、14時40分頃法廷前廊下に到着。
廊下には誰もおらず、法廷内では前の事件の審理がまだ続いている模様。
ホワイトボードを書き写すなどしているうち傍聴希望者が集まってきて、
やがて前回証言を行った滝本弁護士も姿を現す。しばし言葉を交わす。

前の事件が終わったらしく、廊下に傍聴人らが吐き出されてくる。
本件の傍聴人が入廷したのに続いて、我々2人も傍聴席に入廷。
この時ちょうど開廷予定時刻の15時であったが、
被告人の凄い少年は警備にはさまれて既に着席している。
検察官や弁護人も順次入廷してくる。
検察官が被害者の遺族に柵越しに手紙を渡すのが見える。
若い方のハシグチ弁護人が傍聴席にやって来て滝本弁護士と小話。
前の事件の審理が長引いた後、休憩をしているのか、
裁判官はなかなか姿を現さない。
この時点で傍聴人は18名。
なお、司法修習生の姿は見えず、検察官席にもいつもの男性のみ。

15時7分、裁判官入廷。起立、礼。

被告人の拘束が解かれる。

裁判長(被告人に)「前へ出てきて下さい。座って」

被告人、証言台の前に座る。

裁判長(弁護人に)「書面は何かありますか」

特に無い模様。

前回に引き続きハシグチ弁護人が被告人質問を続行する。

弁護人「弁護人のハシグチです。
前回は大学生活についてお聞きした。
金銭面について。お父さんから仕送りが途絶え生活が苦しくなった?」
被告人「はい」

弁護人「単発的なバイトは?」
被告人(沈黙)

弁護人「じゃあこう聞きましょう。奨学金は? 3万円ぐらい?」
被告人「はい」

弁護人「大学のパソコンを利用してインターネットをしようとしたことは?」
被告人(沈黙)

ここで裁判長が介入。以下、随時介入。

裁判長「パソコンを使ったことはあるんでしょ?」
被告人「はい」

裁判長「メールをしたこともあるんでしょ?」
被告人「はい」

裁判長(弁護人に)「どうぞ」

弁護人「滝本証人の話にもあったように、メールの交換など?」
被告人「はい」

弁護人「メールの交換を一番したのは?」
被告人(沈黙)

弁護人「僕の聞き方悪かった?
ゆきさんやハシシさんや滝本先生とメールの交換をした?」
被告人「はい」

弁護人「他には?」
被告人(沈黙の後)「たくさんいました」

弁護人「たくさん、じゃあどう答えていいか分からなかったと」
被告人「はい」

弁護人「メールや掲示板の書き込みで疎外をされたと感じたことは?」
被告人「はい」

弁護人「それはどういうことか簡単に言っていただけますか」
被告人(沈黙)

弁護人「レスポンスが無いということですか」
被告人「はい」

弁護人「返事が返ってこないということで疎外感を感じていたと」
被告人「はい」

弁護人「メールで攻撃的な表現を使われたということはありますか」
被告人「はい」

弁護人「それは、相手に反応してもらいたくてつい強い表現に
なってしまったとか、何か理由がありますか」
被告人「そういうこと」

弁護人「(そういうことというのは)相手に反応してもらいたくて
ついつい強い表現になってしまったということ?」
被告人「はい」

弁護人「オウム関係の掲示板に書き込みしたことは?」
被告人「はい」

弁護人「平成9年に地下鉄サリン事件とか色々ありましたが
[山本註:明らかに平成7年(1995年)の間違い]、
それで興味を持ったのですか」
被告人「はい」

弁護人「どういうところに興味を持ったのですか」
被告人(沈黙)

弁護人「質問答えにくい?」

裁判長「オウムの何に興味を持ったんですか。
事件を起こしたということに興味を持ったのか、
それとも知的な人がどうして事件を起こしたのかとか?」
被告人「そういうこともあります」

裁判長「そういうこと「も」というと他には? 教義の内容とかは?」
被告人(沈黙)

裁判長「何に興味があったのかな。例えばでいいんだけど」
被告人(沈黙)

裁判長「聞いてることは分かるよね」
被告人「はい」

裁判長「何の興味?」
被告人(沈黙)

裁判長「口に出してくれないと進まないんでね。何でもいいから」
被告人(沈黙の後)「居場所のような気がする」

裁判長「居場所のような気がするということは、
そこにいると落ち着くということ?」
被告人「まあそんなことです」

裁判長「どんな風に落ち着くの?
同じように孤独な人がたくさんいるということ?
同じ悩みを持っている人がたくさんいるということ?
あるいはそこに入っていくと自分の存在感があるということ?
どういうこと?」
被告人「そう言う感じ」

裁判長(弁護人に)「どうぞ」

弁護人「サカキバラセイト(酒鬼薔薇聖斗)の事件については
知っていましたか」
被告人「だいぶ後になって」

弁護人「酒鬼薔薇聖斗事件についても興味は持っていましたか」
被告人「多少」

弁護人「世間の注目を集めてみたいとかいうことは?」
被告人(沈黙の後)「その頃のことはあまり覚えてませんけどね」

弁護人「覚えてない……」

裁判長「ひどいことするなあと思ったかどうかはどうですか。
それとも変わったことするなあと?」
被告人「そう」

裁判長「興味をどの辺に感じたのか」
被告人(うなづく)

裁判長(弁護人に)「どうぞ」

弁護人「平成10年4月に大学に復学されましたね、よろしい?」
被告人(うなづく)

弁護人「その前に心療内科を訪れましたね。
薬とか治療とか、そういうところに(まで)はいかない?」
被告人「はい」

弁護人「それは期待はずれだったということ?」
被告人「はい」

弁護人「その頃両親への遺書を?」
被告人「はい」

弁護人「(精神鑑定を行った)大矢先生にはどうやって(渡した)?
フロッピーの中に入ってた?」
被告人「はい」

弁護人「『近親相姦的衝動』という文書を示します」

と、ファイルを手に証言台に近付く。
その中に『近親相姦的衝動』が引用されている精神鑑定書らしい。

弁護人「この内容について大矢先生とやりとりしたことは?」
被告人「そういうことは無かった」

弁護人「じゃあ中身について聞くんだけどね、
『近親相姦的衝動』っていう題を付けたのは(なぜ)?」
被告人「あまり覚えてない」

弁護人「文章も長いし漢字も多いけど、一気に書いた?」
被告人「何日かかけて書きましたけど、(聞き取れず)」

弁護人「あなたが今目を通されても意味がよく分からないと?」
被告人「はい」

弁護人「一つ聞いておきたいんだけど、(「遺書」の中の)
「酒鬼薔薇聖斗が守備範囲だ」という(表現の意味)のは?」
被告人「よく分からない」

弁護人「意味が分からないということで?」
被告人「それはそうですけど……」

弁護人「この文章に何か特にコメントすることは?」
被告人「ありません」

弁護人「復学してからあなたはアオイセイキョウを作ろうとして
ノストラダムス愛好会というのを作ろうとしたことが?」
被告人「はい」

弁護人「なぜノストラダムス愛好会を作ろうとされたのですか」
被告人「その頃は関心を持っていた」

弁護人「ビラを作りましたね、それは仲間を求めていた(から)?」
被告人「はい」

弁護人「ビラ自体、配ったりされましたか?」
被告人「それは2枚くらい」

弁護人「それは反応は無かった?」
被告人「はい」

弁護人「ホームページを開かれてますね、恋愛相談室とか。
それに反応は?」
被告人「それはありました」

弁護人「それも仲間を求めて?」
被告人「(沈黙の後)ちょっと違う」

弁護人「どういう風に違うか説明できますか」
被告人(沈黙)

弁護人「単純な恋愛相談だったんですか」
被告人(沈黙)

弁護人「質問を変えます。復学してから授業には出ましたか」
被告人「はい」

弁護人「誰か会われましたか」
被告人「しゃべった子はいます」

弁護人「それ以上に友人に発展したのはいなかったですか」
被告人「はい」

弁護人「ハシモトミモトの下敷きを、自分を見失いそうなときに
拝んでいたことはありますか」
被告人「はい」

弁護人「自分を見失いそうなときとはどのようなとき?」
被告人(沈黙)

弁護人「授業中に何か起こるの、現象として?」
被告人(沈黙)

弁護人「質問の趣旨分かる?」
被告人「はい。(沈黙の後)落ち着かない時」

弁護人「他には何かありました?
拝むとは? 口に出して唱えるわけではない?」
被告人「はい」

弁護人「じっと拝むと?」
被告人「はい」

弁護人「それで落ち着いたんですか」
被告人「はい」

弁護人「なぜ落ち着いたんだろう」
被告人「(沈黙の後)分かりません」

弁護人「復学の時、ハシモトミモトとはあなたにとってどういう存在?」
被告人(沈黙)

弁護人「復学の時というのは余計やね(ハシモトミモトは復学後)、
その時以降、ハシモトミモトとはあなたにとってどういう存在?」
被告人(沈黙)

弁護人「質問の趣旨分かる?」
被告人「はい」

弁護人「何かコメントすることある? 無いんやったら別にいいけど」
被告人「(沈黙の後)あまり覚えてません」

弁護人「アオイセイキョウというものを作り出したのはあなた自身ですよね」
被告人「はい」

弁護人「神というものはいるんですか?」
被告人「いたと思います」

弁護人「いたというのは?」
被告人「先程言った」

弁護人「ハシモトミモト?
『いたと思います』という言葉を使われたんだけど、
それは後でいなくなった?
今もハシモトミモトという存在は存在しますか」
被告人「あまりいません」

弁護人「『あまりいません』ということは、時々いるんですか」
被告人(沈黙)

弁護人「あまりいなくなったというのはいつ頃?」
被告人(沈黙)

弁護人「復学してからメールや掲示板にどんどんのめり込んでいったことは?」
被告人「はい」

弁護人「それはおばあちゃんにパソコン買ってもらったことと関係ありますか」
被告人「はい」

弁護人「授業はどのくらいまで行った?
平成10年の前期、夏休みくらいまでは学校に行っていた?」
被告人(うなづく)

弁護人「秋以降は?」
被告人「たぶん行ってません」

弁護人「平成11年3月、お父さんが下宿に来られましたね、
あなたは応対されなかった」
被告人「はい」

弁護人「なぜお父さんと話をされなかった?
どういう心境でしたか?」
被告人(沈黙)

弁護人「特に言えない?」
被告人(沈黙)

弁護人「会わす顔が無かった? それとも反発?」
被告人(沈黙)

弁護人「もうお父さんとは会わないと決めてましたか?」
被告人(沈黙)

このあたりで途中から入ってきた傍聴人、「しゃべらんな」と小声で私語。

弁護人「大学との修学関係はどういう?」

被告人が沈黙していたところ、弁護人が顔をのぞきこむと、
目が合ったのか弁護人がうなづく。

被告人「ちょっとあきらめてました」

弁護人「後期課程に入るとほとんど下宿にいるような生活?」
被告人「はい」

弁護人「外にはいつも出るようにしてましたか」
被告人「いえ」

弁護人「じゃあずっと家にいてパソコンやテレビという生活?」
被告人(沈黙)

弁護人「じゃあこう聞きましょう。このとき食事とかどうしてたの」
被告人(沈黙)

弁護人「ほとんど食べてなかった?」
被告人「1日1食」

弁護人「どんなもの食べてましたか」
被告人「スーパーへ行って安いものを」

弁護人「スーパーは毎日行くの、それとも1週間に何日ぐらい?」
被告人「気が向いたとき」

弁護人「平成の11年の5月くらいに除籍になりますね、学費未納で。
そのことあなたは知ってました? 通知で?」
被告人「はい」

弁護人「生活は変わらない?」
被告人「はい」

弁護人「外界と接触することは? 無い?」
被告人(うなづく?)

弁護人「パソコンやメールの書き込みは?」
被告人「あまりしなくなった」

弁護人「それはなぜ? 相手の反応が無かったから? それとも別の理由?」
被告人(沈黙)

弁護人「レスポンスも少なくなった? 発信することが無くなった?」
被告人「はい」

弁護人「それはなぜ? それとも意識的にそういうことになったんかな」
被告人(沈黙)

弁護人「特にそういうことではない?」
被告人(沈黙)

弁護人「じゃあ、平成11年5月に除籍された以降は
ずっと閉じこもっていてメールや外界との接触は無かったと?」
被告人「はい」

弁護人「その前に4月にお姉さんの結婚式に行かなかったのは?」
被告人(沈黙)

弁護人「行きたくなかった?」
被告人「はい」

弁護人「(その頃)お父さんの仕送りは? 無かった?」
被告人「はい」

弁護人「奨学金は?」
被告人「あった」

弁護人「コナンが好きだった?」
被告人「はい」

弁護人「コナンが好きだった理由は特にありますか」
被告人「いえ」

弁護人「よく寝てました? 1日中寝てるとか?
起きてるのかはっきりしないということは?」
被告人「はい」

弁護人「そういうときに何が現実なのか曖昧だったということが続いていた?」
被告人「今思えばそうです」

弁護人「てるくはのるの事件、(平成)11年の末起こりましたね。
それあなたどういうことで知りました?」
被告人「テレビで」

弁護人「何かあなた感じることあった?
どういう風にあなた思いました? テレビの報道に接して」
被告人(沈黙)

弁護人「第一印象はどんな感じ? 覚えてない?」
被告人「第一印象はあまり覚えてないです」

弁護人「じゃあどういう印象を持ちましたか」
被告人(沈黙)

弁護人「何らかの印象を持ったことはありますか」
被告人「あります」

弁護人「それはどういう印象?」
被告人(沈黙)

弁護人「何か真似したいとかそういう印象?」
被告人(沈黙)

弁護人「質問の趣旨分からない?」
被告人「分かります」

弁護人「何かに対する凄い怒りとかありましたか。
世間や大学とかお父さんとか」
被告人(沈黙の後)「そういうことは無かった」

弁護人「あのね、カチナカタ(門命半諮堂)という神を作り出したのは
平成12年の2月頃と鑑定書にありましたが、
あなたの中で間違いはありませんか」
被告人(沈黙)

15時59分、警備員交代。

弁護人「それはハシモトミモトより後のことですよね。
これは平成12年より後のことですか、それとも時間的なことはあまり?」
被告人(沈黙の後)「12年の2月か3月の頃と思いますけど、
その頃のことはよく覚えてません」

弁護人「カチナカタというのはハシモトミモトとは違うんですか」
被告人「はい」

弁護人「あなたにとってどういう意味、存在なんですか」
被告人(沈黙)

弁護人「カチナカタは今あなたにとってどういう存在? 今いますか?」
被告人「あまりいません」

弁護人「『あまり』という言葉はどういう意味、あなたにとって。
無いというふうに聞いていいですか」
被告人(沈黙)

弁護人「『あまり』という言葉に何か意味があるんだったら教えてほしい。
無ければ(次にいく?)」
被告人(沈黙)

続いて弁護人、犯行時に話を進めようとして、
殺人事件の前日、小学校を狙ったことについて尋ねようとしたところで、
16時過ぎ、私は中座。

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☆於MailuX的編集後記☆

前号の発行部数は9部でした。

中座した後のことについて、小うるさおじちゃんこと滝本弁護士が同じ掲示
板に投稿されていましたので、以下、全文を引用します。

−−−引用開始−−−
凄い少年−高木被告の公判
投稿者:小うるさおじちゃん [non hostIP] 投稿日時:2001年12月4日(火)00時32分  削除:

本日、午後3時から午後4時45分頃までありました。4時ぐらいまでは山本さんもともに傍聴。
前日の小学校校庭への侵入までを弁護側質問。
本来、本日で証拠調べを終えたいと裁判所は言っていましたが、終わらず。

次回は、2002年1月23日午後1時30分から2時間。
−本人質問をしきる。検察官は質問は20分のみ、と言っていました。

次々回が、3月1日午後1時20分から、論告・求刑、弁論

裁判所は、3月末または4月に判決、と言っていました。
以上取り急ぎ。
次回が、実質上本人の言葉を聞ける最後の公判になるかも、と思います。

−−−引用終了−−−

★お知らせ                            ★
★2002年11月12日10時15分 大阪高等裁判所1003号法廷★
★凄い少年控訴審第5回(判決)公判                ★
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