メルマガ:月刊小説メールマガジン『君が好き!』
タイトル:月刊小説「君が好き!」メールマガジン2001/6/15 17号  2001/06/17


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
月刊小説メールマガジン         2001年6月15日 発行
『君が好き!』  vol.17
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
こんにちわ〜♪ 篠原です。
 6月ですねぇ。先日、篠原のネットの友人が結婚しました♪ おめでと〜♪
ジューンブライドだ!! 
このカップルは、ネットの某所にて知り合ったのだけれど、ネット仲間として
ネットで友達になって、そしたら、あれよあれよという間に、ネットカップル
へと進展! そのうち、遠距離ネット恋愛から一気に同居! まじかよ〜って
思っていたら、3月頃に6月に結婚するんだ〜って報告があって、この間入籍
したそうです。その間わずか半年…。見事なまでのネット恋愛スピード婚でし
た。自分の身近でもあるんだぁ、とびっくりです。

HP&夏コミ更新情報
瀬乃の創作室更新しました♪
夏コミは8月12日(日)東5 フ 03a です。
一応、篠原が新刊を出す予定。。
======================================================================
今月の目次
▼宇宙刑事モザイク!   陵 しお
▼ドラゴン ラヴァ・15  瀬乃美智子
▼春秋左慈伝      篠原美姫緒
▼あとがき
======================================================================
       宇宙刑事モザイク!    陵 しお

 下を見ると、魔法陣が描かれ、その中央から青白い炎が上がっていた。何か
の儀式のようである。
 キメラは、彼女達を背中から振り落とすと、すぐさま、洞窟へと逃げて行っ
た。沙明たち一行は、空中へ放り出され、落下した。
「いやああああ! 助けて〜!」
 この中途半端な高さでは、マインのパラソルも開かない。
 沙明らは、儀式の中央にある、魔法陣の炎目掛けて落ちる!
 魔法陣の炎は激しく燃え上がった。その時! 
 魔法陣から現れたのは、悠輔・恭彬・ダイヤ王女である。
「ゆーすけみーっけ♪」
 その声に、悠輔は上を見上げると、ナナカと沙明とマインが降ってきた。
 ドッシーーーン
 大きな音とともに、ナナカたちは悠輔と恭彬の上に落ちた。お約束ではある
が、悠輔と恭彬は下敷きである。
 魔法陣の青白い炎は、白い煙となって消えていった。
「なんでおまえが空から降ってくるんだよ!」
「悠輔つれないなぁ。ナナカ、折角悠輔助けに来たのに…」
「嘘こけ! つか、俺がおまえら助けに来たんじゃい!」
「あ、そっかぁ♪」
「なぁ沙明、マイン、ちょっとどいてくれないか…」
「あ、ごめんなさい! 恭彬もいたのね」
「いたって…、沙明こそなんでここに来たんだ?」
「え? あたしたち、ナナカを追ってここにきたのよ。恭彬こそなんでここに
いるのよ」
「あ、うん。なんかね…」
「ねぇねぇ、ここって敵さんの本拠地みたいだけど」
 マインがさりげなく突っ込んでみた。
 はたっと我に返り、周りを見回してみる。
 魔界の者たちが、魔法陣を囲み、戦闘体制になっていた。
「貴様らが噂の銀河連邦宇宙警察とかいうやつらか」
 司祭らしき男が言った。
「おまえがシバだな」
 悠輔は起き上がった。
「人間の生き血を吸って、魔界の頂点に立とうなんざふてい野郎だ」
「この銀警特別部隊モザイクが、いじとメンツにかけて世界の平和を守る!」
「装着!」
 恭彬と悠輔は同時に、右手のこぶしを挙げた。一瞬、光が彼らを包んだかと
思うと、二人は戦闘スーツに身を包んでいた。
 それは、特殊魔法でコーティングされた、魔法除去のボディースーツである。
 二人は敵の群集の中に飛び込んだ。
 次々に襲いかかる敵をばったばったとなぎ倒す。
「えらくはりきってるねぇ」
 ナナカ、沙明、マインの三人は、マインが作ったバリアの中で優雅に戦闘を
見物している。
「くぅ! 人間の分際で!! ええい! アレを出せい!」
 シバは群集に怒鳴った。
 すると、洞窟内に大きな地響きがする。
 宝石をちりばめた巨大な戦車が出現した。
「これで、地球上の核施設を狙ってやる!」
 シバは、大砲に指令を出した。
 巨大な大砲の銃口に、まばゆいばかりの光が集まってきた。その時!

                                                        ≪続く≫
======================================================================
                               ドラゴン ラヴァ・15
                                                        by瀬乃美智子

「お前は、絶対俺が守るよ。…その為には、絶対、俺は生き続けなければなら
ないんだ!」
 それが、死を覚悟していた海里を、今、これほどまでも生に執着させる理由。
「リスニー、君が残してくれた命は絶対守ってみせる…っ!」
 海里は、しとしとと振り出した雨の中、卵を守るように自分の胸の中に抱き
しめた。


 リスニーが亡くなる少し前。
 彼女の体力は突然急激に失われていった。海里はその原因を掴もうと奔走し
たが、原因が判明したのは、結局、彼女が死ぬ間際であった。
「どうして子供なんか!!」
 彼女はその体内に、宿していたのだった。
 …子供を卵で産み落とす竜族は、妊娠してもその体の大きさから外見で判断
することは困難なのである。
 彼女は海里に内緒で子供を作り、産もうとした。しかし、海里が予想してい
た通り、彼女の体力は持たず、今こうして、その命は尽きようとしていた。
『…っクゥ…ヴゥ…っ』
 責めるような海里の口調に、リスニーはぐったりと横たえられた体を少しだ
け起こす。
 彼女は、海里に生きて欲しかったのだ。自分が死んでも、生き続けて欲しかっ
た。
 …しかしどんなにあがいても自分の命はあと数十年。自分が死ねば、冷酷な
飼い主は海里を許さない。自分が死ぬせいで、彼が死ぬ、…それだけは我慢で
きなかった。
 彼を死なせたくない! その為なら、自分の命を削る事を彼女はいとわなかっ
た。
 リスニーは、少しだけ持ち上げた頭を、傍らにひざまずく海里の膝の上に横
たえる。
 竜が欲しいのなら、自分の身代わりは自分で産めばいい。自分をこんなにも
慈(いつく)しんでくれた彼のために最後の力を振り絞り、彼女はその体内に命
を宿した。…いや、本当は最初から子供を産みたかったのだ。
 彼の事が大好きで。その愛は、彼女に子供を産ませるのに充分なものだった。
しかし、その体力が自分にもうない事は分かっていた。子供より共に生き続け
る時間を求める彼に、一度は子供を産む事をあきらめかけていたリスニー。そ
の彼女を再び決意させたのがあの残酷な飼い主の存在だったというのは、まさ
に運命の皮肉というものだった。
 彼女は彼の命の為と、そして、彼女自身の望みを為に、自分の分身を宿した。
…そして、…そして彼女は、その命を宿したまま彼女は息を引き取った。
「リスニー…っ!」

 海里は彼女の死後、極秘裏に彼女の体を開腹し、まだ暖かさが残る卵を取り
出した。
 …母親の手によって産み落とされる事のなかった卵が、無事命を宿している
かは分からなかった。しかし、その殻の内部から仄かに伝わってくる体温に、
海里は最後の望みをかけたのだった。


「お前をあいつなんかに渡すものか!」
 あれほどまでに自分の主を恐れていた海里が、強い口調で毒づく。
 海里は決して、自分の命乞いの為に卵を渡すような事はしなかった。この子
は俺の子だ。自分が愛した竜が、自分の為に残してくれた命だ。
 海里は、卵の存在を隠した。しかし、自分も死ぬ事は出来ない。この子の為
に、生き続け、そして、隠し続けなければならない、この卵の存在を!
 それが海里の父親としての意地。どんなにみっともなくとも、生き続ける理
由であった…。

               第4章『ドラゴン・ラヴァ』

(どうしよう……。)
 降りしきる雨に、海里は思わず身震いする。
 ウェストの行動のあまりの不気味さに思わず飛び出してきたものの、ここか
ら逃げ出す事も出来ず、かといって彼の待つ部屋に戻る事も出来ず……、途方
にくれ出していた。
 ひとまず、鞄を開き、胸の中の卵をその中に収める。ここに来て以来ずっと
鞄から出せずにいてかわいそうだが、この雨の中では自分に抱かれているより
は雨の冷たさから守られるだろう。
 海里は卵を収め終わると、少しだけ鞄の口を開けたまま、名残惜しそうに卵
の表面を撫でていた。
「あら、かわいい坊やね!」
「っ!?」
 当然かけられた声に、海里はびくりと顔を上げた。
 そこには、見覚えがある顔をした一人の少女が、にっこりと海里へと微笑み
かけていた。
「卵が濡れたら大変だわ…。」
 そう言うと、彼女は自分がさしていた傘をスッと海里に差し出した。海里は
彼女の突然の出現に、まだ呆然としている。
「なんてかわいいのかしら…! 私の旦那様になる人も、こんなかわいい卵を
早く産んでくれるといいのだけれど」
「…太刀見…っ。」
 我に返った海里の顔が、一気に蒼白へと転じる。
 薄いブルーのワンピースを身につけた目の前の少女は、普段自分が知ってい
る着物姿のそれとは違っていたが、その顔は間違いなく…!!
「…太刀見……浅月!!」
 卵の入った鞄を強く抱きしめた海里は、秘密を知られてしまった事に、しば
しの間、その場で凍りついたのであった……。

                               《続く》

======================================================================
             春秋左慈伝     篠原美姫緒


「ぶっわははははははははははは!」
 豪快な笑い声が左慈の部屋に響く。
 曹操が官渡に帰ってくると、すぐさま、左慈は曹操に官渡へくるようにいわ
れた。表向きは袁紹との戦に備えての人事ではあるが、実際は、曹操お気に入
りの武将、関羽の接待相手である。関羽は、碁が好きだとうので、それなら、
と左慈を呼び寄せたのである。もっとも、左慈が本陣にいれば、許都との連絡
にも不自由ない。
 曹操は、関羽を編将軍に任命して手厚く遇した。
「髯公、見事な飲みっぷりじゃのう〜」
「いやいや、元放老師もかなりの飲みっぷりですのう」
 曹操らとの会食も終わり、飲み足りなかった二人は、左慈の部屋で飲んでい
た。
「髯公がこのように愉快な方だとは知らなんだ。ささ、飲みなされ飲みなされ」
「おっとと」
 器いっぱいに注がれた酒を関羽は一気に飲み干した。
「いや〜、曹公にこのように手厚くもてなされ、ほんとにありがたい。なにか
恩返しをしなければ」
「やはり、劉備殿のほうがよいかえ〜」
「私は二君に仕える気はありません。とはいうものの…」
「劉備殿には天子の相が出ておるのう」
「なんと!!」
「お主の目に狂いはなかろう」
「老師…。閣下に仕えながらそのようなことを申しては」
「なあに、孟徳とはよい好敵になる。…よい意味でな」
「はぁ。」
 関羽は酔いが回ったのか、身の上話を語りだした。
「私はその昔、ある一人の女性を救うために、県令とその妻の兄を殺して逃げ
ていた。」
 関羽の原姓は馮(ふう)、名は賢、字は寿長という。
「私は旅をしていた。」
 心の宿を求め、修行の旅をし、ときには戦に巻き込まれ、つねに危険と隣合
せであった。
 後に史書には、馮賢は義侠心に富み、権力をかさに着る者を畏れなかったと
記されている。
「ある村で、一人の女性に命を助けられたのだ」
 その女性は、貧しいながら、傷ついた関羽を精一杯看病し、もてなしてくれ
た。
「私は、その女性と結婚してもよいと思っていたが…」
 村一番の器量で美人とあれば、ほかの男も放っておくまい。土地の県令に目
をつけられていたので、日々、その女性は嫌がらせを受けるようになっていっ
た。
「このままでは、私はいけないと思ったのだ!」
 彼女を自由にしてやりたい!
 県令とその妻の兄を殺し、追われるようにして他郷まで逃げた。
 潼関(とうかん)まで逃げたとき、官憲の追及が厳しいため、黄河の水をす
くって顔を汚し、見分けがつかないようにした。そして、関所役人の尋問に会
うと、口から出任せに関(所)を指して姓としたという。
「はははは、このことは玄徳も知らぬ。そのあとだ。兄者(劉備)と出会った
のは。兄者と呼んではいるが、実は、私は玄徳よりも一年年長だがの」
 関羽は豪快に笑った。左慈は、関羽の器に酒が無くなると、「ささ、どうぞ」
と注ぎたした。
「兄者は今ごろどうしておられるか…」
「心配なのは玄徳だけではあるまい。女子(おなご)も心配であろう。どれ、
特別に占ってしんぜよう」
 左慈は酒をめいっぱい注がれた杯に向かって呪文を唱えた。
「むむむ。劉備は袁紹のところにおるようじゃのう」
「ををを! そうですか」
「そなたの気になっておった女性は……。幸せになっているようじゃのう…。」
 関羽は安心したのか、深い眠りに落ちていった。大男が無防備に寝ている姿は
なんとも豪快である。
 左慈はそばにあった着物を関羽にかけた。
「虎も眠ればただの猫じゃ」
 左慈は部屋を出ると、扉の脇に曹操が立っていた。
「役得だな。じじい」
「ふぉっふぉっふぉ。『道を得れば羽化し、長生不死となる』。無駄じゃ。あ
の者はここには居着かん」
「雲長の気がかりの女子は、死んだのか?」
「徐州で、殺されたらしいのう」
「………。わしは敵というわけか。因縁か…」
「さぁ? さてさて、酒をもらいにいかねばのう」
「兵糧が乏しいんだ。ほどほどにしておけ」
 曹操は、左慈の持っていた酒壺を没収すると、自室へと帰っていった。
「お主は、因縁に憑かれておるぞ、孟徳。良い方へ導くのは、自分しだいじゃ。
本能を信じるがよいぞ」
 本人がいないところで言っても、どうしようもないか。と、左慈は笑った。

                           《続く》
======================================================================
あとがき

 増刊号の時、篠原のパソがクラッシュしたという話をしました。その続きで
す(笑)
 一応、ハードは自分で入れ替えたのだけれど、周りから聞かされていたより
も簡単に入れ替えができたので、あっけなく終わってしまいました。ところが、
問題は、それから先で、98から2000へのアップは簡単にできたのだか、一部の
ファイルに98と2000の互換性がないことが判明! また2000にしてからLINUXを
入れようと、お馬鹿なことを考えていたのだが、それもできない。しかたなく、
98からまたインストールしなおしたりと、結局、何度も初期化してインストす
るという行為をした(爆)しかも、また大きなミスをおかしてしまったので、
このメルマガが書き終わったら、また、初期化してインストしなおし〜(涙)
いつになったら、98/2000/Linuxのマルチブートができるのだろう。。。

君が好きはリンクフリーです。ご意見ご感想をお待ちしております♪
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
 月刊小説「君が好き!」メールマガジン  2001/6/15 17号
 発行責任者 :篠原美姫緒  kimigasuki@1-emishop.com
 Webページ:http://kimigasuki.hoops.ne.jp/
 君が好き!メールマガジンの、転載、複写など著作権法違反行為は禁止です。
 発行システム:『まぐまぐ』『melma!』『Mailux.com』『E-Magazine』
 マガジンID:0000025584 m00012567 ms00000142  loveyou
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。