月刊小説「君が好き！」メールマガジン　　2001/5/15 16号 2001/05/16

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タイトル：月刊小説「君が好き！」メールマガジン　　2001/5/15 16号 2001/05/16

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓月刊小説メールマガジン　　　　　　　　　2001年5月15日　発行『君が好き！』　　vol.16 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓こんにちわ～♪　篠原です。　新緑の季節だ～♪ 　お天気の良い日は、絶好のお掃除日よりですね。ほんとは、お掃除なんかしないで、芝生に寝ころんで、昼寝といきたいところです。　篠原は夏に向けて、髪の毛をカットしました。私は猫っ毛なので、直毛がとっても羨ましいです。今はやりのジャープな毛先のカットをしてもらったのに結局いつもの、くるんと毛先がまるまってしまいました。　髪の毛くれ～（爆）ＨＰ更新情報　トップページとメニューページを更新しました。 CGIのコーナーに新作ゲーム追加しました。ぜひ遊んでください。勝手に遊んでねぇ♪　仲間がたくさんいたほうが楽しめるので、遠慮せずにどうぞ♪ ====================================================================== 今月の目次 ▼宇宙刑事モザイク！　　陵　しお ▼ドラゴン　ラヴァ・１５　　瀬乃美智子 ▼春秋左慈伝　　　　　　篠原美姫緒 ▼あとがき ====================================================================== 　　　　　　　宇宙刑事モザイク！　　　　陵　しお　そこはどうやら洞窟らしい。　ナナカを追って、沙明とマイン（女）は太平洋に浮かぶラーダス公国に来ていた。　ナナカの気配のする方へと、辿っていくと、海辺の大きな穴に出会った。　ナナカはこの奥にいる。「結界ね」　海辺には似合わない、無造作に埋め込まれた宝石を見て、沙明が言った。「洞窟かぁ、やっかいだね」　いつものことながら、用意周到ではないモザイクメンバーは手ぶらが基本である。ランプやろうそくもなければ、ロープもない。「洞窟の中は、お約束だとは思うけど」「当然、迷路よね。」　モザイクお決まりの展開に、二人は大きなため息をついた。「でも、ナナカの気配は感じるから、ナナカのところまでは行けるけど」「帰り道がわかんない～」「でも、」「ま、いっか♪」　二人は、お互い顔を見合わせてにやりとほほえむと、手をつないで洞窟内へと入っていった。　ところが、結界はあっさりと突破してしまった。なんらかの衝撃を期待していた二人はびっくりして後ろを振り返った。　目に飛び込んだのは、先ほどいた海岸ではなく、どこかへと続く道であった。「空間を結ぶ結界だったのね」　沙明が言った。「この洞窟の入り口は、異世界との接点になってるんだ。」　二人は手をつないだまま、奥へと進む。が、数歩進んだところで、外からの光は届かなくなった。が、二人は光があるかのように歩く。　マインは闇の中でも目が利くし、沙明は目ではなく、心で観ていた。「これもお約束ね」　沙明は、足元にあったトラップをひょいと避けた。　よくみると、そこら中にトラップがしてある。「ごめん、沙明。お約束なんだけど、トラップに引っかかっちゃった。」「へ？！」　突然、マインと沙明の足元にあった地面が消えた。　落とし穴である。「はぁ。お約束だわ。」「ごめんねぇ～」　ため息とともに、二人は奈落の底へと落ちていった。　マインは頃合を見計らって、呪文を唱えてパラソルを出した。　落ちる速度が緩やかになった。「結構深いね」「やだ、マイン！　下は水よ！」　心の眼でみていた、沙明はマインに急いで左の岸へ降りるように促した。　すると、水面から大きなシャチが飛び跳ね、マインと沙明を襲う。が、間一髪で交わし、無事地面へとたどり着いた。「わお。トラップにひっかかると、シャチの餌になるのね」「うまくできている…」「関心している場合じゃないでしょ、マイン。行くわよ」「ほほほ～い」　ん？　　沙明は、何かを感じた。マインは後ろを振り向いた。「あれ～？　沙明とマインだ～」「ナナカ！」「よお、ナナカ！」「なんで、沙明とマインがここにいるの？　あ、そうか。トラップに引っかかって落ちてきたのか(≧∇≦)」「ナナカもトラップにひっかかったのか～(≧∇≦)」「マイン、ナナカ。再会を喜んでいる暇ないみたいよ」　脱出を謀ったナナカと侵入者である沙明とマインは、モンスターに囲まれた。「あ、大丈夫～。ナナカのお友達♪」　ナナカは、牢から抜け出し、この洞窟をさまよっているうちにこの地底湖に落ちたらしい。しかもお得意の天力で、モンスターを子分にしてしまったようだ。「ナナカえら～い！　そこのキメラに頼んで、シバのところまで連れていってもらえないかしら？」「あ～い。頼んでみます……。……行ってくれるって～」　実のところ、キメラは拒否したのだが、強引にナナカが連れていかせるようにしむけたらしい。　キメラは背中に彼女たちを乗せて、高く舞い上がった。そして、横穴へと、吸い込まれるように洞窟の奥深くへと飛んでいった。「きゃぁ！！！！　はや～い！(≧∇≦)」　ジェットコースターのように洞窟内を飛び回ると、前方に明かりが見えた。　キメラはさらに勢いを増しながら、光の方へと飛ぶ。　狭い洞窟内を抜けると、光の先は大きな空間となっていた。　下を見ると、魔法陣が描かれ、その中央から青白い炎が上がっていた。何かの儀式のようである。　キメラは、彼女達を背中から振り落とすと、すぐさま、洞窟へと逃げて行った。沙明たち一行は、空中へ放り出され、落下した。「いやああああ！　助けて～！」　この中途半端な高さでは、マインのパラソルも開かない。　沙明らは、儀式の中央にある、魔法陣の炎目掛けて落ちる！　 ≪続く≫ ====================================================================== ドラゴン　ラヴァ・15 　　 by瀬乃美智子第三章『魔界・命』　ここは魔界………。　カイリはいつも通り、自分の竜の世話をする為、荷物を手に厩舎に向かっていた。　彼の竜は、捕らわれの身であった。竜の主(あるじ)は凶暴な魔王。残忍で冷酷で、陰険な……、自分以外の者の命を何とも思っていない男。そんな男に捕まるとは、竜も運が悪い。それでも…、竜の肉体を妙薬として使っていた昔よりはましだろう。　かつては捕らえられれば殺され、薬などの材料として解体される運命だった竜が、その数の減少により、今では生け捕りにされ、コレクションとして飼われる身となったのである。生きていられるだけ、昔よりはましというものである。　そんな竜も今は数が減り、とうとうここの竜が最後の一匹。カイリは主の魔王よりその世話を任されていた。元々、彼は魔界に残された歴史書などから古代の魔法や秘術を見つけだし、研究するのが役目のいわゆる学者派の魔族であった。　そんな彼が、主より竜の世話を任された。他に竜に対して知識を持っている者がいなかったからという単純なものであったが、正直、カイリも最初は戸惑った。確かに彼の知識には竜のものも含まれていたがそれはほんの一部で専門分野という訳ではなかったし、何より、本物の竜に会ったのはその時が初めてだったのである。　…しかし、彼はそれを断らなかった。主はいったん自分が下した命令を覆（くつがえ）すようなことはしないし、どんな正当な理由であっても言い訳を許すような人物ではなかったからだ。価値のない者を生かしておくようなお方ではない、下手をすれば反逆罪で即刻処刑！　下手に言い訳をするよりは、素直に命令を聞くのが得策というものだ。「やあ、リスニー」　厩舎に着いたカイリは、係りの出入り用に作られた小さな通用口から入りながら、中の竜へと話しかけた。　身長は、二本足で立って翼を閉じた状態なら海里とさほど変わりない。巨漢が多いとされる竜の中では、かなりの小型種と言ってよかった。薄いグリーンの皮膚に栗色の瞳。顔は竜独特のゴツゴツ感はあるものの、穏やかでおとなしい性格がすぐ分かる外見をしていた。「さぁ、食事の前に体をきれいにしてやろうな」　そう言い、カイリは道具箱からブラシを取り出すと、竜の体をブラシでこすり始めた。ブラシはやや固めの短毛で出来たものだったが、ドラゴンの堅い表皮から汚れを掃き落とすには丁度いいだろう。軽いマッサージ効果もあり、やられている竜本人も気持ち良さそうに目を細めている。　程よく全身を清め終わると、海里は専用の水入れに水を入れ、竜の足元へと置いてやる。竜が水で喉を潤している間に、彼は持って来た荷物の中から『彼女』の食事を取り出した。「今、食べやすいように切ってやるから待ってな」　カイリはナイフを取り出し、魔界特有の果実を切り分け始めた。　竜の名前はカイリが付けた。『レイニー』とはまた、女性らしい名前だ。竜族は元来はっきりとした性別は持っていないのだが、カイリはこの竜の事を雌だと決めているようだった。　確かに、カイリが世話をしている竜は、竜族の中では小型の部類なのに加えて亜種である為、体も小さいうえに性格も非常に温厚であった。変身能力もなければ、もちろん攻撃力もない。カイリが竜の事を女の子のように扱うのも別段おかしくもないと言えよう。「はい、リスニー！」　カイリは切った果実をひとつ手にすると、竜の口元へと差し出す。竜はそれをとてもおいしそうにほお張る。それを何度も繰り返し、海里が切り分けてやった果実は、あっと言う間になくなったしまった。「まだ欲しいのか？」　カイリの問いに、竜はコクコクとうなずく。「おまえ、最近食べ過ぎじゃないのか？　ほら、心なしかちょっと太ってきたような……？」　そう言って竜のおなかを触ろうとすると、竜はひょいっと体をよじって彼の手から逃れてしまった。しかしカイリは別段怒る様子もなく、恥ずかしがるなよといった感じで、笑って見せる。「はいはい、分かったよ」　あまりに竜がしつこくせがむので、仕方なくカイリはもう２～３個果実を手に取る。絶対もっとおねだりをされるに違いないと、既に予備を用意している所が、彼の甘いところだ。この竜がかわいくてしょうがないというのが本音なのだろう。「食欲があるのはいい事だもんな」　この竜は…、リスニーは、実はもうそう長くは生きられない。病気がどうのというわけではなく、寿命なのだ。それでもあと百年近くは生きられるだろう。カイリに出来る事は、ただそれを出来るだけ長引かせてやる事だけだった。（彼女が死んでも寂しい事はないさ。多分、彼女の死ぬ時は、俺の死ぬ時だから…。）　たとえ彼女の死の原因が寿命であっても、あの冷徹なご主人様は竜を死なせてしまった自分を許さないだろう。多分、自分は処刑される。でもいいのだ、もう覚悟は決めたから。（…それに、彼女がいなくなってしまった魔界になんて、生きていたってしょうがない。) 　彼女と出会う前の自分は孤独だった。でもそれは、孤独しか知らなかった彼には当たり前の事だった。　しかし、彼女と出会い、彼女を育てる為に必死になって勉強するうちに……、二人で過ごすその時間は、彼らにとってとても満たされたものへと変わっていった。そして、それが愛情へと変わる事に、そう時間はかからなかった。自分に素直に甘えてくれる彼女が大好きで、自分も彼女相手にはやさしくなれた。　そんな彼を周りの者たちは、『ドラゴン　ラヴァ(竜の恋人)』と呼んでからかったが、カイリは悪口であるはずのそれを、密かに喜んでいた。　亜種族で力のない彼女には変化する力がなかったから、カイリと彼女は交わる事はおろか、互いの言語を理解する事さえ出来なかった。だからせめて、周りの人間に自分たちが恋人同士であると認めて欲しかったのだ。…それが、たとえ悪口であっても。「俺は、お前といれればそれでいい。お前がいなくなったら、もうあんなご主人様の元では生きられない」　愛を知ってしまった人間は弱い。彼女と知り合う以前の自分なら、あの残忍な主の元でもずっと我慢し続けられたかもしれない。でも、もう駄目だ。　彼女が寿命で死ねば、ご主人様は自分を処刑するだろう。でもそれでいい、それで丁度いいのだ。　心の優しい竜は、言葉が通じなくとも、彼が何を考えているのか薄々分かるのだろう。少し悲しそうな表情で、カイリの頬に、自分の顔をすり寄せる。まるで、そんな事言わないでとでも言うように…。　そんな彼女の優しさに、カイリの想いは逆に一層つのってしまう。　ご主人様の耳にも自分たちの事はもう届いているはずだ。何も言ってこないのは、奴なりの計算があるのだろう。ご主人様は、自分たちの間に子供が生まれるチャンスにかけているのだ。　竜族は、一個体で妊娠・出産するが、恋人がいると子供をもうける確立が高くなる。ご主人様はそれを狙っているのだ。寿命が残り少ないこの竜をこのまま飼い続けるより、カイリとレイニーの仲を黙認し、新しい竜が生まれてくることを望んでいるのだ。　しかし、そんな事出来るものか！子供を産んで、何になる？　…生まれればあの残忍なご主人様のものになる定め。そんな地獄に誰が自分の子供を落とすものか！　それに、あと残り百年足らずの寿命の彼女に、膨大な体力を必要とする子作りは無理だ。母体か子供、どちらかの命が持たないだろう。そんな危険を彼女におかさせるわけにはいかない！！　カイリはそっと、レイニーの首に腕をまわし、優しく撫でてやる。「お前と一緒にいられれば俺は幸せなんだよ、レイニー。お前じゃなきゃ駄目なんだ。ずっと、一緒にいような」「………。」　これが……、これがカイリ、…後に『海里』と名乗り、人間界へと竜を探しに行くこととなる魔族の過去。愛する竜との思い出。この幸せは、しかし、一年後彼の愛する竜、レイニーの死によって終焉を迎えた。　そして、彼女を失ったカイリは、この時の言葉とはまったく逆の行動をとる事となる。彼は人間界へと降り、処刑を逃れる為に竜を探し回るのだ。それは彼の彼女に対する想いがなくなってしまったからではなく、どうしても、彼には生き続けなければならない理由が出来てしまったからであった……。　飛び出した太刀見家の庭の中、海里は持ち出した荷物を手にひとまず、人一人が隠れる事ができそうな繁みに、その身を潜らせた。庭木の一つに寄りかかると、どっと疲れが出たのか、その根元に座り込む。その腕の中には、荷物の鞄が大事そうに抱えられている。　鞄の大きさはバスケットポールが一つ入るかという感じの長方形型のスチール製。海里はこの鞄の他にリュックを一つ持ち込んでいたはずだが、それは置いてきたらしい。リュックには着替えなどの身の回りの品を入れていたようだか……、そう言えば、この太刀見家に来て以来、この鞄を開けているところを見た事がない。この中には、一体何が収められているのだろう。「―――……っ。」　次の瞬間、ふっと海里の表情が緩んだ。彼は静かに鞄の蓋を開けると、幾重にも巻かれた布の中、大切に収められたそれに手をかけた。　純白の肌を持つその楕円形の『もの』は、海里に優しく撫でられて、心地よさそうに淡く光る。「お前は、絶対俺が守るよ。…その為には、俺は絶対、生き続けなければならないんだ！」　海里はその腕の中に、純白の命……『竜の卵』を抱きながら、静かに深く、『我が子』へと誓ったのであった……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《続く》 ====================================================================== 　　　　　　　　　　　　　春秋左慈伝　　　　　篠原美姫緒「なに！　殿は出撃なされたと！　元化、対局の途中すまぬが宮中へ行く。元放、お主も来なさい」「まて、文若。今、わしが占ってしんぜよう」　左慈は、対局途中の雀牌を無造作にすくい上げ、上から落とした。そして、人差し指で牌と牌の隙間を縫うように円を描く。卓の中央に雀牌に囲まれた円が出来た。「誰か、桶と水を持ってきてくれ」　左慈の弟子がすぐさま、桶と瓶に入った水を持ってきた。　左慈は、桶を円の中に置き、酌でちょっとづづ桶に水をたらしてゆく。　少し水がたまったところで、再び人差し指でゆっくりと水の中に円を描いた。水は桶のなかで右周りに渦をまいた。　華佗と荀彧は、斜め下から左慈をのぞき込む。「うーーむ」　左慈はうなると、また酌で水をすくって、桶の中に少しずつ垂らしはじめた。「文若、袁紹の参謀である田豊を知っておるかのう」　左慈は、作業を続けながら、荀彧に声をかけた。「はい。かなりできる男です。」「やはりのう。袁紹は田豊を使いこなせていないようだのう」「はい。殿も以前そのようなことを申しておりました。」「どれ、愛おしい孟徳のためじゃ。ちと、袁紹に細工でもしておこうかのう」「は、はぁ」　華佗と荀彧は、左慈の言っている意味がよくわからず、お互い顔を見合わせた。　左慈は、懐から怪しげな粉を出すと、桶にの中にぱらぱらとまいた。「これで、袁紹は絶対に出撃はしてこない」「どうして、そう言い切れるのですか？」「ちーっとばかし、袁紹の息子に風邪をひいてもらっただけじゃ。元化のような名医は、袁紹軍にはいないじゃろうから、すぐには治らんじゃろ」「ほうほう。元放もいいこというのう」　華佗は、ささと左慈に酒をすすめた。「たかが、息子の風邪くらいで袁紹を止められると思っているのですか！！」　荀彧はあきれていた。それもそのはず。たかが子供の風邪で、絶好の好機を逃す武将がほかにいるだろうか。「案ずるな文若。殿へ『袁紹は二月まで動かぬ』と伝えなされ。劉備は孟徳が出撃したと聞けば、必ず、袁紹のところへ逃げ込むだろう。袁紹が動くのはそれからじゃ」「そ、それじゃ、殿は劉備を取り逃がすと！」「残念ながらそのようじゃ。劉備は大器晩成の相が出ておる。それは孟徳には申すなよ」「わかりました。殿には、袁紹は二月に動くと伝えておきます」　孟徳は迷ったりしたとき、左慈に意見を求める。いや、意見というより、占いをしてもらうのだ。信じているのかいないのか、左慈の占いの結果は「一応、参考意見」程度に聞いてはいる。　どんなばかげた結果が出ても、一応報告せよ、と命じられていた。　一方、袁紹は、この絶好のチャンスを見逃してはならぬ、と田豊をはじめ、曹操の背後を突くようにと進言していた。　がしかし袁紹は、息子の病気を口実に出兵を許さなかった。　田豊は手にした杖を地面にたたきつけ、口惜しさぶりをぶちまけた。「こんな絶好の機会はまたとないというのに、たかが赤ん坊の病気で見送るとは、ああ、なんたることだ」　田豊ばかりではない。袁紹に付いている多くの策士たちは、袁紹の器量の小ささをかいま見たことであった。　曹操は到着するや、劉備をうち破った。破れた劉備は袁紹の元へ逃れ、妻子は曹操に捕らえられた。　劉備は「曹操は大敵袁紹と対峙しているから、自分を攻めるわけには行かないはずだ」と読んでいた。ところが、斥侯の騎兵が駆け込んできて、「曹操がみずからやってきます」　劉備は腰を抜かさんばかりに驚いたが、それでも信じかね、みずから数十騎を率いて陣を出ると、曹操の軍を遠くながめた。相羽の軍旗をみとめると、劉備はそのまま兵士を残して遁走したという。　このとき、関羽は下｛丕β｝の守りについていたが、曹操に攻めたてられて降伏した。　こうして曹操は官渡に帰った来たのである。　左慈の占いどおり、袁紹は動きを見せなかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《続く》 ====================================================================== あとがき　ひたひたと、夏コミの印刷屋さんの締め切りが迫ってくる今日この頃。　瀬乃ちゃんもいよいよ本格的に、ＨＰに参入か！ＨＰビルダーを買ったそうで、いま夢中みたいです。瀬乃ちゃんの近況は、『瀬乃の創作室』にて見ることができます。　このメルマガも編集が当番制になるという噂。君が好きはリンクフリーです。ご意見ご感想をお待ちしております♪ 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓　月刊小説「君が好き！」メールマガジン　　2001/5/15 16号　発行責任者　：篠原美姫緒　kimigasuki@1-emishop.com 　Ｗｅｂページ：http://kimigasuki.hoops.ne.jp/ 　君が好き！メールマガジンの、転載、複写など著作権法違反行為は禁止です。　発行システム：『まぐまぐ』『melma!』『Mailux.com』『E-Magazine』　マガジンＩＤ：0000025584　m00012567　ms00000142　　loveyou 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

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