メルマガ:月刊小説メールマガジン『君が好き!』
タイトル:月刊小説「君が好き!」メールマガジン  2000/10/16 9号  2000/10/17


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月刊小説メールマガジン         2000年10月16日 発行
『君が好き!』  vol.9
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こんにちは。『君が好き!』web担当の篠原です。
 今月は配信が一日遅れてしまいました。どうもすみません(汗)
えー実は、私が土日試験だったために、試験勉強に明け暮れてたため、編集が
おろそかになってました(と、いいわけ)。
 でも、何とか今日の発行に間に合ってほっとしてます。
でも、HPは更新がおもいっきり滞りがちで、すみませーん(爆)

君が好き!はリンクフリーなので、どんどんリンクお願いします。
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 今月のラインナップ  
●『ドラゴン ラヴァ8 第二章』 瀬乃美智子
●『宇宙刑事モザイク』陵 しお
●『聖獣戦記』篠原美姫緒
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           『ドラゴン ラヴァ8 第二章 正体 』瀬乃美智子

 その夜、海里たちは緊張した一夜を過ごしていた。今夜はいよいよ『竜の池』
を探索する晩なのだ。
「じゃあ、行くぞウェスト」
「…はい」
 海里の呼びかけに、ウェストは緊張した面持ちでうなずいた。廊下にいる見
張りに気づかれぬよう反対側の廊下へ出ると、二人は庭へと降り立った。
 夜の交替は九時頃に行われ、夜勤者により海里たちの確認される。途中真夜
中に一度交替があるようだが、中を覗くような失礼な真似はされた事はない。
よって部屋を抜け出すとすれば夜の確認が済んでから、翌朝七時過ぎに見張り
番が海里たちを起こすまでの間、十時間弱に行わなければならない。十時間と
言えば充分に思えるが、ここを脱出し、慣れぬ庭を抜けて母屋にたどり着き、
正確な間取りの分からぬ母屋から『竜の池』を見つけださなければならないの
である。時間はいくらあっても惜しくはない。しかも、見つけだすだけではな
く、気づかれぬ内に戻って来なければならないのである。
(俺に竜がどうにかできればいいんだけどな…。)
 海里は心の中でため息をつき、ウェストに気づかれぬよう、そっとその胸元
に手を当てた。
 その服の内側には、ナイフを模したペンダントが下げられていた。しかしも
ちろん普通のペンダントではない。竜族とは言わず魔界の者ならその刃で刺さ
れればその力を封印され、身動きさえ出来なくなってしまうという伝説の刃が
変化した姿であった。海里の主が持たせてくれた物であったが、海里にはそれ
を使う自信がなかった。彼には竜を飼う知識はあるが、捕らえる能力はないの
だ。竜の種類にもよるが彼らの力は強大で、とてもではないが海里にどうこう
できるものではない。海里の使命は彼らの存在を確認し、それを主に報告する
事。捕まえるのは、戦闘専門の兵士たちの仕事だ。…唯一、海里に竜をどうこ
う出来るとしたら、それは竜が人に変化している時だけ。人間に変化し、警戒
を解いている時を狙えば海里にもこの短剣で竜を封じる事も出来るかもしれな
い。しかしもしその一瞬を逃し竜に元の姿に戻られでもしたら、海里にはどう
する事も出来ない。それだけの度胸は、海里にはなかった。
(それに、彼の前でそんな事出来ないしな)
 海里はそっと横にいる青年の顔をかいま見る。…自分が魔界の者だと知らな
いウェスト。しかしこの短剣で竜を貫いたら、自分が魔界の人間だという事を
知られてしまうだろう。そんな事にはなりたくない。例えご主人様に小心者と
なじられようと、ここは竜の存在だけを確認し、彼と別れてから竜の存在を主
人に報告したいのだ。それがせめてもの、ここまで何も知らずに自分を連れて
来てくれた彼への義理立てだった。
(彼を巻き込む事だけはすまい。それだけはなんとしても…。)
 暗闇に乗じ、二人は母屋へと先を急ぐ。幸いにも広大すぎる太刀見家の敷地
が、夜勤の使用人たちの目から海里たちの姿を守ってくれた。程なく母屋へと
たどり着いた二人は、その未知なる空間へと侵入して行ったのであった……。

「ここの見張りはもう結構です。これより竜殿のご神託の儀式を始めます。誰
 もこの奥の院に近寄らぬように」
「はい、浅月様」
 後に残るは浅月のみ。浅月は使用人たちの後ろ姿が見えなくなるまで見送ると、
母屋の片隅へと合図を送った。
「やれやれ、毎度の事ながら面倒臭いな」
 そう言いながら母屋の片隅から出て来たのは、白の小袖と袴に身を包んだ竜
彦であった。
「仕方ありません。あの者たちも知っている事とは言え、さすがに堂々と行え
 る事ではありませんもの」
「そういうものか?」
「…ごめんなさい。私に未来を『視る』力がないばかりに……、あなたにその
 代わりをさせてしまって」
 浅月が申し訳なさそうに頭を下げる。
 外部の者…、いや、一族の者にも決して明かしてはならない秘密。本来なら
ば太刀見家当主しかする事の許されない占いをこの青年、太刀見竜彦が全て執
り行っているという真実。浅月が力を失った時から、…本当はこの浅月自身が
身代わりで元々力など持っていないのだが…、その身代わりをこの青年が行っ
ているという真実は一族の者も知らない、この二人と使用人たちだけの秘密な
のである。
「…浅月?」
 漆塗りの奥の院の大扉を開け、中へと入った竜彦が入り口に立ったままの浅
月に声をかける。その声にはっと我に返った浅月は、自分も扉の内側へと入り、
廊下との仕切りの扉を閉めた。そんな二人の前に、今度は今の扉よりやや小ぶ
りだが、朱塗りの立派な扉がそびえ立つ。どうやらこの太刀見家母屋、奥の院
の入り口は、二つの扉で仕切られている二重構造らしい。浅月はその朱塗りの
扉に手をかけ、竜彦へと告げた。
「では、占いの支度をして参ります。私は支度が終わり次第身を隠しますから、
 竜彦はいつも通り少ししたら中へ入り、占いを始めて下さい」
 竜は池の近くに複数の人間がいる事を嫌う。それは浅月も例外ではなく、竜
彦が『ご神託』を受けている最中は、池から見えぬ部屋の片隅に隠れているの
が習慣となっていた。
「分かった」
 竜彦は頷き、浅月は扉の奥『竜の池』へと歩を進めて行ったのであった……。

 期せずして浅月たちの占いと時を前後して行動していた海里とウェストは、
母屋の敷地内で迷走していた。
「『竜の池』は一体どこなんだ!!」
「思ってたより、内部の構造は複雑ですね」
 思案を巡らせていたウェストの目元が次の瞬間、何かに反応してふっと細め
られる。
「今、あっちの方から何か物音がしたような…。」
 ウェストの言葉に、海里もそっちを振り返る。そこにはよく見ると母屋の随
分奥まった場所に、漆塗りの立派な大扉があるのが遠目にも確認出来た。
「まさか、あれが…?」
 あの奥に『竜の池』が? …あまりに早くそれらしい場所が見つけられた事
に戸惑う二人だが、現実はえてしてそういうものである。儀式めいた事を行う
部屋の入り口は、大抵目の前にあるような格式めいた立派な大扉に守られてい
るものだ。…ひとつ不安材料があるとすれば、この『竜の池』は太刀見家にとっ
ては一番神聖で守るべき場所であるにもかかわらず、見張りの一人もいないの
がひっかかるのだが…。太刀見家の現在の様々な事情を知らぬ二人には、合点
が行かなくて当然と言えば当然である。
 とにかく入って見よう。二人の意見は一致し、なるべく音を殺して開いた大
扉の隙間に、二人の青年は音もなくその姿を消して行ったのであった。

 二つ目の扉を開け中に入ると、二人はそっと扉を閉め直す。そこから細い通
路が二〜三メートル程伸びており、その先からほのかな光がのぞいていていて、
随分とひらけた場所になっているようだ。
「誰もいない事を祈って…。」
 海里が先頭に、二人は歩を進める。細い通路の終着点まで達すると、まず中
の様子を伺う。
 奥の院の中は二人の予想を遥かに超越して広い。建物の外観に反し中は円形
の作りで、年代物の太い柱と白塗りの漆喰の壁で構成されている。直径にして
二百メートルあまり、高さは八階建ての建物ほどあるだろうか。中重量クラス
のドラゴンであれば、自由に飛び回る事は出来なくても、充分の広さである。
「あれが『竜の池』か?」
 海里が思わず喉をゴクリと鳴らす。
 海里の視線の先、建物の奥側にその池はあった。大きさは部屋の敷地の半分
程もあろうか? ややいびつながら楕円形のその池は、深さこそ分からないが
大きさだけなら竜が一匹身を潜(ひそ)めるには丁度いい大きさであった。
 思わず身を乗り出しかけた海里の腕を、ウェストが制す。
「何かいます!」
 ウェストの押し殺した声に、海里も目をこらす。あまりの作りの大きさに気
を取られ気が付かなかったが、確かに池の表面が揺れ、中に何か動くのが見て
取れる。予想外の出来事に、二人の間に緊張が走った。
 よくよく観察して見ると、池の中を何かがうごめいているようであった。水
面すれすれ、池の縁ぎりぎりを潜っている為、今一つその正体がはっきりしな
い。二人がやきもきしていると、やっとその謎の物体は水面へと顔を出した。
(えっ…!?)
 思わず声を上げそうになって、慌てて海里は自らの口を塞ぐ。
(あれは……、太刀見竜彦っ!!)
 意外な人物の登場に、海里は気が動転する。太刀見家の事情を知らないのだ
から無理はない。…いや、時としてそれは意外と迷う事なく彼らを真実に導い
てくれるものになるかもしれない…。

 久方ぶりの池の感触にやっと体を馴染ませた竜彦は、池の縁に手をかけ身を
乗り上げる。床同様青みがかった石板で作られた池の縁には、水面から一段池
に入った所に階段状の縁(へり)が出ており、水中で腰掛けられるようになっ
ていて、竜彦はそこに腰を落ち着かせる。その水中の段差部分は、竜彦ほどの
体格の持ち主なら、腰掛ければ丁度胸元当たりに水面がくる所にあった。池の
縁から水面は十センチ程もなく、池の中に腰掛けた竜彦の姿は、周りから見る
と、丁度肩のラインすれすれから上の部分が見れる程であった。さすがに池の
中で袴(はかま)はまとわりついて邪魔なので脱いでしまっていて、今は純白
の小袖姿であった。全身濡れそぼってしまっている為、白地の着物が肌に密着
しいつもより怪しい雰囲気をかもしだしている。
 海里たちからは見て取れないが、池の深さも凄まじい。池の水面から底はも
ちろん見て取れない。竜彦が腰掛けている段差から下は垂直に切り立っており
、どこまで続いているか分からない。案外奥に行くにつれ広くなっているかも
しれない。竜が一匹眠るのには充分の広さだろう。あながちこの池の先が魔界
につながっているという太刀見家の伝説も嘘ではないと思われる規模であった。
 ひと心地ついた竜彦は、腕を伸ばして脱いだ袴の上に置いておいた依頼人か
らの手紙を取る。それを口に真一文字に加えると、竜彦は一気に瞑想状態に陥っ
た。…占いの始まりである。
(この波動は…!!)
 様子を伺っていた海里の表情が一変する。竜彦が何か白い紙片を口に咥えた 
途端、池から発動しだした波動。それはまさに、海里が魔界で親しんでいた竜
族特有の力の波動であったのだ。
「まさか、彼が…っ。」
 海里はゴクリとその喉を鳴らし、呻いた。
「太刀見の竜の……人に化けた姿っ!!!」
 それはまさに、噂が真実になった瞬間のようであった………。
                                                            《続く》

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『宇宙刑事モザイク』   陵 しお

 その頃、宗教団体に潜入に成功したレオとマイン(男)は、ミサでばったり
ナナカに会った。と言ってもナナカは祭壇の上に椅子に座っており、ナナカか
らレオとマイタレーヤを見つけることは出来ない。なにしろ信者は千人以上も
集まっているのである。そのナナカの隣には、例のダイヤ王女が座っていた。
 司祭の男が出てきて誓いの言葉を述べる。
「我々は神に選ばれし、神の子である。したがって神の指示には絶対に背いて
はならぬ。おお神よ、我らを救いたまえ」
 信者たちは一斉に頭をさげた。
 するとダイヤ王女が立ち上がり、なにやら呪文を唱えた。
「神はこう申しておられる。『魂を‥‥魂を我に預けよ。偉大なる力を手に入
れたいならば魂をあずけよ。』皆の者聞くがよい! この隣に座っておられる
お方は天使様であらせられる!」
 信者達は一斉に歓声をあげた。
「!!」
「レオ! 聞くな! 耳をふさげ! 催眠術だ!」
 マイタレーヤはレオと自分の周りに小さく結界をはった。
「しかし、凄い魔を感じるな、レオ。こんなものが世界中のあちこちであると
思うと……」
「ああたしかに………」
 マイタレーヤはレオの異変に気付いた。レオの身体の中には八分の一だけだ
がドラキュラの血が流れている。
「しまった! 魔に飲まれて本来のヴァンパイアが覚醒してしまった!」
 レオは血を求めて会場内を暴れた。マイタレーヤは必死にレオを止めようと
した。が、それよりも早くダイヤ王女がレオを止めた。
「これはこれは、ドラキュラ殿下がいらしたとは……。司祭殿、羊を持ってき
て下さい。儀式を執り行いましょう! 皆の者! これより悪魔退治の儀式を
します!」
 高らかな声が会場内に響き、一頭の羊が司祭によって連れて来られた。
 うかつに手を出すと、信者たちの命が危ない。そう思うと手も足も出ないマ
イタレーヤだったが、ナナカがレオに気付かないはずはない。
(なにをするつもりだ! ナナカ!)
 マイタレーヤはテレパシーを送ったが、ナナカからの返事はなかった。
 祭壇の上に羊は、ダイヤを見てひどく怯えナナカに助けを求めている。
 ダイヤは手にした銀色の斧をふりかざした。
「だっめええええええええええええええええええええええええええええええ」
 ナナカの超音波ヴォイスが会場内いっぱいに響くと、ナナカの首に掛けてい
たペンダントがまばゆい光を放った。
 光はナナカを包み込むと、彼女は本来の十六歳の女の子になった。若草色の
長い髪をなびかせ、背中に大きな翼を生やした天使―――――。
「ちょっとあんたたち! いいかげんにしなさいよ! エンジェルアロー!!」
 ナナカが叫ぶと胸のペンダントから弓が出てきた。弓をひくと金色に光る矢
が現れる。
「えい!」
 放たれた矢は、レオの心臓に刺さった。
 レオは次第に正気に戻って行く。
「………ほんものの天使!」
 ダイヤは振りかざした斧を落とした。
「貴様ら一体……出会え、出会え! くせ者じゃ!」
 司祭が叫ぶと奥から数十人の男達が出てきた。信者達も一戦交える様子であ
る。
「ダイヤ、お前は早くさがれ!」
 司祭がダイヤに命令した。ダイヤは頷くと奥へと駆けだした。
「逃がさないわよ!」
 ナナカは飛び上がった。天井付近まで飛ぶと弓を構える。
「エンジェルアロー!」
 矢はダイヤの右肩に命中した。
 一瞬、黒い翼を頭に角を持った女がダイヤと重なったが、彼女は倒れること
なく、奥の間へと消えていった。
 ナナカが着地すると信者達は一斉に彼女に襲いかかって来た。
 スッ
 レオがナナカの前に立ちはだかった。
キィィィィィィィィィィィィン
 その音と共に、人間達は次々と頭を抱えながら倒れていった。
 レオの特技、催眠音波である。彼のエメラルドの瞳は、再び燃えるような赤
に変わっていた。
「ありがとう、レオ」
 しかし、眠っていない人物が数人いた。

                               《続く》
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『聖獣戦記』 篠原美姫緒
 
 「封印士、なんて初めて聞いた」
 オーカスやフォールラードゥングの大神官のように、どちらかといえば召喚
士のほうが、世の中に出る機会が多い。呼び出せる者がいれば、封印する者が
いて当然といえば当然だが、どちらかといえば世の中は、「聖獣」に幻想を抱
いて、聖獣の存在が歓迎ムードにある。
「封印されると、どうなちゃうの?」
「封印されたことないから、わかんない」
 封印士、このヒンメルに何人いるのだろうか。オーカスもその存在を知らな
い。
 そのオーカスは、砂漠にあった上人の廬のに来ていた。信頼できる数人の部
下と、秘書のリリーだけで、本軍は副指揮官に任せてさらに北に進路を取らせ
ていた。
 無血制圧したのを確認し、再び上人の廬を訪れてたのである。
「こんなところにいたのか」
 建物があった中心に立って、砂漠を見渡す。
 あちこちにガーゴイルの死骸が散乱し、砂漠の生き物の餌になっていた。軍
がガーゴイルをこの機会に一掃したのだ。
 生態系が変わる、との危惧もあったが、オーカスは取り合わなかった。
 あの時、そう肌に感じて、上人の廬に向かったものの、ガーゴイルたちに阻
まれ、それ以上先に進めなかった。ただでさえ、商人や旅行者を襲い、砂漠の
掃除屋と異名をとっていたガーゴイルたち。光の壁がなくなった以上、エルデ
に移動してくるとも限らなかった。ならば、先にこちらが砂漠の掃除をしなけ
れば、首都はガーゴイルに破壊されるだろう。
 無血制圧をしたので、玉は十分に残っていた。
「何故、建物はないんですか」
 リリーは思いにふけって、砂漠を見ているオーカスに声を掛けた。
「テレポートだ。建物ごと北へ移動した」
「水鏡上人が聖獣を呼び出して、テレポートさせたのでしょうか」
「いや、上人はとうの昔に死んでいるさ。あの光の壁は聖獣の力だ。あれだけ
の力なら、普通の召喚士なら死んでいる。」
「じゃあ、一体誰が……また、新しい召喚士でも現れたのでしょうか」
「……召喚士じゃない。聖獣がここにいたのだ。人間に化けてな」
 それじゃ、上人は聖獣だったというのですか!、というリリーの声は突然起
こった砂嵐に掻き消された。
 今、ミューラスの封印は解かれた。ここにいた聖獣たちは、もしかしたら北
の魔法陣の封印を解きにいったのかもしれない。
「北にある魔物の住む大地の宮殿へ行くぞ」
 オーカスを乗せた車は北へと向かった。
 その後ろから、ガーゴイルが付けてくるのも知らないで……。

                                            《続く》
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
モザイク的あとがき
 メラルです。
 ナナカ変身しちゃいましたね。(-。-)ボソ
 切ない片思いですね、浅月様。なんて可哀想なんでょう。ああ、浅月様……。
(メラルどうしたん?:悠輔談)
(どうやらメラルのつぼにはまったらしい:恭彬談)
(メラルの好みのタイプなのね:沙明談)
 浅月様の切ない片思い、このメラルの胸はキュンキュンと鳴ってしまって、
先が気になって気になって、夜も寝られず……
(よほど、浅月様が気に入ったんですね:シンバ談)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ぜひ感想をお寄せください!お待ちしています。
さて、増刊号は、夫を溺愛する奥様が大暴走を起こしている『愛の寸劇劇場』
と聖獣戦記をお届けします。
それでは、次回お会いしましょう。
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 月刊小説「君が好き!」メールマガジン  2000/10/16 9号
 発行責任者 :篠原美姫緒  kimigasuki@1-emishop.com
 Webページ:http://kimigasuki.hoops.ne.jp/
 発行システム:『まぐまぐ』『melma!』『Mailux.com』『E-Magazine』
 マガジンID:0000025584 m00012567 ms00000142  loveyou
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